2005年09月12日
女子ソフトボール宮崎大会2日目
日本女子ソフトボール1部リーグ第7節の2日目。富山は雨で12日に順延となった。宮崎は夜まで続いた雨でグランド状態が悪くなり、3時間遅れの13時から3試合を行った。
第1試合は前日敗れたチーム同士、デンソーと太陽誘電の対戦。太陽誘電が1回表に4番・中越のタイムリーで先制、4回表には5番・廣瀬のソロホームランで2得点。守っては先発した庄子がデンソー打線を完封。太陽誘電が2-0で勝った。デンソーは宮崎で連敗。
第2試合は前日勝ったチーム同士、戸田中央総合病院vsホンダ。戸田が2イニングの満塁機で得点し、3-0で勝った。戸田は宮崎で2連勝、しかも2試合とも完封勝利。下位争いから抜け出したいホンダには痛い敗戦となった。
第3試合は日立&ルネサス高崎と豊田自動織機の首位争い。試合は高崎は上野、豊田は高山という全日本代表2人の投げ合う投手戦になった。7回表、高崎はノーアウト2塁のチャンスを作る。しかし、豊田の2番手・スミスに抑えられ得点できず。その裏、豊田は1アウト1塁で5番・狩野が決勝タイムリー。豊田がサヨナラ勝ちでリーグ首位に立った。
太陽誘電(8勝7敗) 2 - 0 デンソー(6勝9敗)
戸田中央総合病院(6勝9敗) 3 - 0 ホンダ(4勝10敗)
豊田自動織機(12勝3敗) 1 - 0 日立&ルネサス高崎(11勝4敗)
グランド悪化で3時間遅れのスタート
じつは、この日。自分は思いっきり寝坊してしまった。早朝5時に寝たせいで、起きたのはなんと11時半。第1試合の開始時間はとっくに過ぎている。「ああ、やべぇ」と思いつつ第1試合はあきらめて、ご飯食べて、総選挙に行って、12時半頃に到着した。で、球場の外からスコアボードを見たら「デンソー vs 太陽誘電」。「あれ?」と思った。
アイビースタジアムの入口には13時開始と書いてあった。富山は中止。受付で聞いたところ、雨は止んだけどグランド状態が悪くなって、回復に手間取ってやっと開催にメドがついたとのこと。第3試合はナイターになるだろう、とも。まあ、月曜にやるよりはマシだ。
自分は変なとこで運がある。でも、「やべえなぁ、相撲をビデオで見る時間が遅れるやん」とまたいろいろ困ってしまったのであった。
デンソー vs 太陽誘電
【デンソー】先発メンバー
1番 増山由梨(センター)
2番 衣笠久美(ファースト)
3番 松尾真由子(サード)
4番 小池裕子(DP)
5番 立岩宏美(ライト)
6番 東美幸(レフト)
7番 増淵まり子(ピッチャー)
8番 大塩亜希子(キャッチャー)
9番 田中美奈子(ショート)
打撃なし 松本尚子(セカンド)
【太陽誘電】先発メンバー
1番 松崎絵梨子(センター)
2番 上西晶(セカンド)
3番 水谷直子(ショート)
4番 中越規菜(レフト)
5番 廣瀬芽(サード)
6番 山路典子(キャッチャー)
7番 谷川まき(DP)
8番 佐野志津香(ライト)
9番 永原恵美(ファースト)
打撃なし 庄子麻希(ピッチャー)
前日敗れたチーム同士。もし今日も負ければ、宮崎で2連敗ということになってしまう。ところで、デンソーについて。ここはバレーのVリーグ、バスケのWリーグ、そして女子ソフトと各カテゴリでトップリーグのチームを抱えている。男子はサッカー部がJFLに所属している(来年からは市民クラブのチームになる)。
さて、試合は13時プレイボール。先攻は赤の太陽誘電、後攻は紺のデンソー。先発ピッチャーは太陽が庄子、デンソーが増淵。
1回表、太陽誘電は2死2塁で4番・中越がタイムリーヒット。1点を先制。さらにライトヒット、内野ゴロをショートが捕れずで満塁。しかし、ファーストゴロで3アウトチェンジ。デンソーは失点を1つで凌いだ。
1回裏は三者凡退。2回表はレフトのファインプレーと2三振。2回裏は先頭打者が出て3塁まで進むも、デンソーは得点ならず。3回表は0点、3回裏は三者凡退。
今日も両チームとも応援団がいる。太陽誘電はチアガール(1人)に目が行ってしまう…。デンソーはボードに声援用のメッセージを書いている。
4回表、太陽誘電は5番・廣瀬がセンター方向のソロホームラン! 太陽ベンチは大騒ぎだ。これで2点のリードに。
4回裏は0点。5回は両チームとも三者凡退。6回表、デンソーは2人目のピッチャー・染谷が登場。三人で抑える。6回裏、デンソーは先頭打者を出すも得点できず。7回表、太陽もランナーを出すけど盗塁失敗。得点はなし。
そして7回裏、デンソー最後の攻撃。デンソーベンチは声を出しまくる。しかし、サードライナー、ショートゴロ、ピッチャーゴロでゲーム終了。太陽誘電が2-0で勝った。
MVPは完封勝利のピッチャー・庄子で、記念品が贈られた。庄子はピンチらしいのは2回だけど、他はピシャリと抑えた。これが一番の勝因となった。デンソーは宮崎で痛い連敗。
太陽誘電(8勝7敗) 2 - 0 デンソー(6勝9敗)
太陽誘 100 100 0 │2
デンソ 000 000 0 │0
サイン会
試合終了後、太陽誘電の選手3人によるサイン会があった。サイン会を始まる前から、子供たちがズラリと並んで盛況だった。この日のスタンドはよく入ってたけど、ソフトボールチームの選手たちが多かった。
書き忘れたけど、前日は雨のなか、第2球場で子供たちへのソフトボール指導があった。
戸田中央総合病院 vs ホンダ
【戸田中央総合病院】先発メンバー
1番 佐藤美絵(レフト)
2番 霜田亜希子(ライト)
3番 中山紀恵(ファースト)
4番 坂元令奈(ショート)
5番 吉田真由美(キャッチャー)
6番 池田愛美(DP)
7番 小林加奈(セカンド)
8番 泉久美子(センター)
9番 若林珠美(サード)
打撃なし 清水麻琴(ピッチャー)
【ホンダ】先発メンバー
1番 菊池亜佐美(DP)
2番 伊藤良恵(センター)
3番 芝崎恵梨(ライト)
4番 新田愛美(レフト)
5番 金谷麻美(サード)
6番 長谷川智子(ファースト)
7番 中村瞳(セカンド)
8番 佐次田一美(キャッチャー)
9番 原田美樹(ショート)
打撃なし コートニー・デイル(ピッチャー)
第2試合は前日勝ったチーム同士。降格圏から脱するためにも、1つでも勝ち星は欲しい。戸田は今日はいいコンディションでの試合だ。
先攻は紺&白のホンダ、後攻は青の戸田。先発ピッチャーはホンダがコートニー・デイル、戸田は清水。ホンダは前日の踊る応援団が不在だった。
1回表、ホンダはランナーを出すも無得点。1回裏は凡退、2回表も三者凡退。
2回裏、戸田の攻撃。2死1、2塁という状況を迎える(最初にライトの好プレイがあったけど)。ここで戸田は代打・高橋。ファウルを連発して、最後はボール球をよく見てフォアボール。満塁になる。バッターは9番・若林。ここでピッチャーの横を抜けるヒット(基本的なヒットですよ)、1点先制! なおも満塁。バッター佐藤がファウルを連発する。追加点はならなかったけど、この回でコートニーにかなり投げさせた。
3回表、追うホンダの攻撃。レフトとセンターのミスで2塁打が出るも、得点ならず。3回裏は三人で終了。
4回表、ホンダは2死1、2塁のチャンス。ここでセンターヒット! 同点……と思いきや、センターの泉がレーザービームで送球し、本塁でアウト! 落ち込むホンダベンチ。「切り替えて!」と声が飛ぶ。それにしても凄いプレーだった。4回裏と5回表は三者凡退。
5回裏、戸田の攻撃は1アウトから2者連続の左中間ヒット。さらにバント処理のミスで満塁に。ランナーの佐藤に「帰ってこいよ!」と声が飛ぶ。そして、中山のセンター前ヒットで2者生還! リードを3点に広げた。戸田の攻撃は止まらず、またもセンター前のヒットで満塁にする。これは得点にならなかったけど、守備のミスと集中打が絡んでホンダには厳しいイニングとなってしまった。
6回表、ホンダの攻撃。そういえば清水は昨日から1点も取られていない。三振で3アウト。6回裏、ホンダは2人目の投手・岩井にチェンジ。そして、3人で抑えた。
それにしても、戸田のテンションがムチャクチャ高い。前日の試合の序盤、「おとなしいチームなのかな?」と思ったけど雨の再開後に印象はガラリと変わった。この日もベンチがよく声を出してる。得点したときは拳を突き上げて。
7回表、ホンダの最後の攻撃はサードゴロ、セカンドゴロ、レフトフライで終わった。戸田は宮崎で連勝。しかも、清水は連続の完封。MVPは先制点をあげた若林。記念品を受け取ってから、チームメイトと抱き合って喜んでいた。
戸田中央総合病院(6勝9敗) 3 - 0 ホンダ(4勝10敗)
ホンダ 000 000 0 │0
戸田H 010 020 × │3
豊田自動織機 vs 日立&ルネサス高崎
【豊田自動織機】先発メンバー
1番 内藤恵美(ショート)
2番 本田小百合(レフト)
3番 田中幹子(ライト)
4番 ミッシェル・スミス(DP)
5番 狩野亜由美(センター)
6番 長澤佳子(ファースト)
7番 古田真輝(サード)
8番 デビー・シュナイダー(キャッチャー)
9番 持丸朋子(セカンド)
打撃なし 高山樹里(ピッチャー)
【日立&ルネサス高崎】先発メンバー
1番 三科真澄(ショート)
2番 大久保美紗(ファースト)
3番 岩渕有美(センター)
4番 坂本直子(DP)
5番 喜村留美子(レフト)
6番 黒川春華(サード)
7番 柳川直子(ライト)
8番 鈴木英都巴(セカンド)
9番 乾絵美(キャッチャー)
打撃なし 上野由岐子(ピッチャー)
さあ、首位決戦。宮崎のファンがもっとも期待していたカードではないだろうか。試合はナイターとなった。
先攻はゴールドのルネサス、後攻は白の織機。先発はルネサスが全日本のエース・上野由岐子、織機がシドニーとアテネで活躍した高山樹里。
試合は投手戦となり、ゼロが並ぶ。ちなみに、自分はワケありで一旦帰宅していて戻ったのは6回から(投手戦だから回が進むのが早かった)。この試合では、悪友バンを横に置いた。コイツは野球に詳しいので、自分より深い視点で見てくれることを期待して。
6回表、ルネサスの攻撃。両チームはこれまで無得点。応援はさすがに、両チームともに賑やかだ。ルネサスは3塁側に宇津木麗華監督が立っている。2アウトからレフトヒットでランナーが出るも、ルネサスは得点ならず。
6回裏、織機の攻撃。上野の球が速い速い。バンも「あれは打てんわ」と言っている。球の伸びも凄い。しかし、先頭打者が打ってヒット。ノーアウトのランナーが出る。ところが、盗塁失敗でアウト。次のバッターはフォアボール。ゴロで2アウトになって、またヒット。2死1、2塁のチャンスだけど、織機は得点できず。
7回表、ルネサスの攻撃。先頭打者がレフトヒット! しかも、レフトが後逸してしまう。ランナーは2塁まで走ってノーアウト2塁というビッグチャンスだ。最終回だし、1点を取れば勝利の可能性はかなり高い。織機にとっては大ピンチ。ここでピッチャーを高山からスミスにチェンジ。非常に緊迫感のある状況での登板だけど、さすがはスミス。2人を抑えて、3人目は三振! ベンチから選手全員が出てきて、みんなで喜ぶ。そして、最後の回に向けて気合いを入れた。
7回裏、織機の攻撃は先頭打者、3番の田中がライトヒットで出塁! ピンチを切り抜けた後にはほんとチャンスが来る。ここで、バンがあることを教えてくれた。球種をコイツにときどき教えてもらってたんだけど、バン曰く「3塁コーチが球種をバッターに教えちょっが」。どういうことかというと、3塁側に立ってる織機のコーチが、上野が投げる瞬間に「ライズだ!」と球種をたまに教えてるらしい。たぶん、握りを見てわかるのだろう。コイツを置いてよかったと思った(苦笑) 今後も野球やソフトでは使うかな…。
話戻って、無死1塁、バッターは4番のスミス。カウントは2-3。しかし、最後は見逃しの三振。正直、「ああ、延長戦かな…」と思った。ところが……5番・狩野が長打! 「え?」と思ってたら、ランナーが3塁に向かってくる。カメラを構えたら3塁をまわった。そして、ホームに生還! サヨナラ勝ち! 打たれた上野の横を、織機の選手たちが過ぎて狩野に駆けて行く。もう、このときの球場は凄いことになってた(はっきり覚えてないけど)。なんか、凄いもの見たという感じだった。殊勲の狩野は選手たちに囲まれて、もみくちゃにされている。選手たちはバンザイをしたり、その喜びがおさまることはなかった。自分の近くでは高山とシュナイダーが立ち話をしている。ルネサス側では上野がキャッチボールをしている。前日敗れた織機だけど、首位を守った。それにしても素晴らしいゲームだった。バンも「おもしろかった」と喜んでいた。
豊田自動織機(12勝3敗) 1 - 0 日立&ルネサス高崎(11勝4敗)
ルネサ 000 000 0 │0
豊田自 000 000 1 │1
順位表
翌日の富山大会終了時点での順位は以下の通り。
首位は豊田自動織機と日立ソフトウェア。追いかけるのが日立&ルネサス高崎とレオパレス21で、この4チームが決勝トーナメントの有力候補となる。
リーグ戦終了時の12位は2部リーグへ自動降格、11位は入替戦にまわる。降格をめぐる争いはまだわからない。
各チーム残り7~8試合あるので、順位が変わる可能性は大きい。
豊田自動織機(12勝3敗)
日立ソフトウェア(12勝3敗)
日立&ルネサス高崎(11勝4敗)
レオパレス21(10勝5敗)
太陽誘電(8勝7敗)
シオノギ製薬(7勝8敗)
戸田中央総合病院(6勝9敗)
デンソー(6勝9敗)
大鵬薬品(5勝10敗)
トヨタ自動車(4勝10敗)
ホンダ(4勝10敗)
伊予銀行(4勝11敗)
2日目の感想
2日目も好ゲームばかりだった。特に第3試合、7回の裏表は内容の密度もだし、盛り上がりも素晴らしいものだった。
そして、ソフトボールが面白かった。選手のプレイもだけど、ベンチが一体となって声を出しまくっていたのが一番だろうか。これは、テレビではなくライブだからこそのものだと思う。
この2日間でソフトボールへの興味が深くなったし、リーグ戦の知識も身についた(チームのことはほとんど知らなかった)。試合を観るというのは、ほんと大切なことだ。
今回の宮崎大会は、九州では唯一の公式リーグ戦だった。来年はもう少し、観る機会が増えてほしい。
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2005年09月10日
女子ソフトボール宮崎大会1日目
日本女子ソフトボール1部リーグ第7節は宮崎と富山で開催されている。宮崎では1日目の10日、生目の杜運動公園・アイビースタジアムで3試合が行われた。
天候は雨が降ったり止んだりのコンディション。第1試合の日立&ルネサス高崎vsデンソーは高崎の上野、デンソーの増淵が互いに点を与えず、タイブレークの延長に。9回裏、高崎がサヨナラで勝った。
第2試合はホンダvs太陽誘電。ホンダが1回に1点を先制するも、太陽誘電は5回に同点に。しかしその裏、ホンダが2点目をあげて2-1で競り勝った。
第3試合の戸田中央総合病院vs豊田自動織機は、途中から雨が激しくなり中断する悪条件での試合になってしまった。試合は再開後に得点した戸田が1点を守りきり、首位の豊田を破った。
日立&ルネサス高崎(11勝3敗) 1 - 0 デンソー(6勝8敗)
ホンダ(4勝9敗) 2 - 1 太陽誘電(7勝7敗)
戸田中央総合病院(5勝9敗) 1 - 0 豊田自動織機(11勝3敗)
日立&ルネサス高崎 vs デンソー
【日立&ルネサス高崎】先発メンバー
1番 三科真澄(ショート)
2番 大久保美紗(ファースト)
3番 岩渕有美(センター)
4番 坂本直子(P)
5番 喜村留美子(レフト)
6番 黒川春華(サード)
7番 柳川直子(ライト)
8番 鈴木英都巴(セカンド)
9番 乾絵美(キャッチャー)
打撃なし 上野由岐子(ピッチャー)
【デンソー】先発メンバー
1番 増山由梨(センター)
2番 衣笠久美(ファースト)
3番 松尾真由子(サード)
4番 小池裕子(P)
5番 立岩宏美(レフト)
6番 東美幸(ライト)
7番 大塩亜希子(キャッチャー)
8番 増淵まり子(ピッチャー)
9番 田中美奈子(ショート)
打撃なし 松本尚子(セカンド)
ピッチャーは高崎が全日本のエース・上野、デンソーはシドニー五輪代表の増淵。この2人がまったく得点を与えない投手戦となって、試合はタイブレークの延長に。
8回表、デンソーの攻撃は三者凡退。2塁ランナーを進めず。上野は初めて観たけど、球が速い速い。高崎はベンチにだるまを置いている。
8回裏、高崎の攻撃。バントでランナーを3塁に送るも、ヒットが出ずに無得点。
9回表、またも三者凡退。三振もあり。
9回裏。1死3塁の場面で、バッターは4番の坂本。ストレートのフォアボールで1死1、3塁となる。ここで5番・喜村がタイムリーヒット。2時間半の投手戦を、サヨナラで高崎が制した。デンソーは4月につづいて、またも高崎に1点差で惜敗してしまった。
日立&ルネサス高崎(11勝3敗) 1 - 0 デンソー(6勝8敗)
デンソー 000 000 000 │0
ルネサス 000 000 001 │1
ソフトボールとベースボールの違い
今回のソフトボール用のグランドは、アイビースタジアムの中に作られている“グランドの中のグランド”。ネットや衝立が組まれて、即席のグランドが組まれている。ベース間の距離は短いし、ファウルグランドも狭い。ピッチャーはマウンドの前の円内から投げる。ソフトボールが「室内で出来るベースボール」として発祥したせいかは知らないけど、ソフトボールのグランドは野球よりも一回り小さくなっている。ベンチも即席のものを使う。
ボールは「白球」ではない。蛍光色のイエローボール。白い球よりはプレイしやすいかも。
ルールもいろいろとベースボールと違う点がある。たとえば、1塁ベースは白とオレンジの2つがある。選手の交代も特殊だし、延長はタイブレーク。塁を離れるのは、ボールが投手の手を離れてから。他にもあるけど、正直言って紹介するのは面倒だ。
野球にはないテクニックもある。たとえば、左打者が使う「走り打ち」。少しでも早く1塁に出るためのものだ。ライズボールのように、ソフトボールオリジナルの変化球もある。
こういう条件、ルール、技術の違いがベースボールとは違った面白さを生み出している。1つだけ挙げれば「ミスの影響」。たとえば、内野ゴロを内野手がちょっと落としただけでも、セーフにつながるような場面を何度か見かけた。野球ならセーフになりそうなミスでも。
うむ……ソフトボールをオリンピックでしか観ていなかった自分が語れるのはこれだけだ。
ホンダ vs 太陽誘電
【ホンダ】先発メンバー
1番 菊池亜佐美(P)
2番 伊藤良恵(センター)
3番 芝崎恵梨(ライト)
4番 新田愛美(レフト)
5番 金谷麻美(サード)
6番 長谷川智子(ファースト)
7番 中村瞳(セカンド)
8番 佐次田一美(キャッチャー)
9番 原田美樹(ショート)
打撃なし コートニー・デイル(ピッチャー)
【太陽誘電】先発メンバー
1番 上西晶(セカンド)
2番 松崎絵梨子(ライト)
3番 水谷直子(ショート)
4番 新井直美(レフト)
5番 廣瀬芽(サード)
6番 中越規菜(P)
7番 山路典子(キャッチャー)
8番 佐野志津香(ライト)
9番 永原恵美(ファースト)
打撃なし 伊藤廣美(ピッチャー)
成績では中位につけている太陽誘電と、勝ち星を増やして降格争いから抜けたいホンダの対戦。前の試合が9回までもつれたので、予定よりだいぶ遅れてしまった。
先ほどの試合と同じく、両チームのスタンドには応援団がいる。この両応援団が試合前にエールの交換をしている(もちろん試合後も)。ソフトボールは応援も楽しかったなぁ。
両チームの練習が終わり、グランド整備も終わっていよいよスタート。選手1人1人の名前がコールされて、チームメイトと手を合わせてから列に並ぶ。両チームの監督、キャプテンに記念品(尾鈴みかんetc.)が贈られて礼。地元の少年チームの子が始球式をやって、いよいよ試合が始まった。
先攻は赤のユニフォーム・太陽誘電、後攻は白のホンダ。先発は太陽が伊藤、ホンダがコートニー・デイルだ。1回表、太陽誘電の攻撃。フォアボールとデッドボールでランナーが2人出て、ホンダの選手がボールを落とした隙に3塁まで進む。しかし、得点ならず。
1回裏、ホンダの攻撃。先頭打者がヒットで出塁する。ベンチの盛り上がりが凄い凄い(これはライブで観ないとわからないだろうなぁ)。手堅く2塁に送り、内野ゴロで2死3塁。ここで4番の新田がレフトヒットで先制。ホンダスタンドも大喜び。この日のホンダは、音楽をかけて踊りながら応援していた。
試合はこの後、投手戦に。そして、試合の大きな転機となった後半を迎える。5回表、太陽誘電の攻撃。ショートがボールを落としてノーアウト1塁。ほんと、ちょっとしたミスが出塁を許してしまう。同点にされたくないホンダは凄いバントシフト。ファーストとサードが塁間の真ん中ほどまでに出ている(こういう守備体制は多かったので、ソフトでは当たり前なんだろう)。ここで送りバントを成功させて、ランナーは2塁へ。さらにバントを狙うも、キャッチャーフライとなって2アウトに。太陽ベンチはガッカリしたことだろう。しかし、3番・水谷がレフト方向の長打! この瞬間、太陽ベンチから選手たちが飛び出して、腕を天に突き上げて大喜びしていた。ランナー帰って同点。水谷の3塁打で大盛り上がりだ。なおもチャンスが続いたけど、ファーストゴロで3アウトとなった。
その裏、同点とされたホンダの攻撃。先頭の中村が内野安打で出塁する。ゴロでランナーは2塁へ。ここでホンダは9番の原田に替えて、代打・大西。そして、大西が期待に応える。センター方向のタイムリー! 2点目でホンダが再びリードした。
6回表、追いつきたい太陽誘電はライトヒットで1死1塁。セカンドゴロを2塁手がトスミスして1、2塁に。バッターは代打・前田。ここでダブルスチールを成功させてランナーは2、3塁に。1アウトで絶好のチャンス。しかし、内野ゴロでランナーが本塁で刺されてしまう。エンドランだったのか? (3週間経ってから書いてるので記憶があいまいだけど)どうしたんだろうというシーンだった。この後のバッターは三振。太陽誘電はここで得点できなかったのが痛かった。
6回裏、ホンダの攻撃。フォアボール、そして守備のミスでノーアウト2、3塁。太陽誘電はここで投手を庄子に替える。そして、庄子が見事に無失点で抑えた。最終回に望みをつなぐ。
しかし、7回表。フォアボールでランナーが出るも、太陽誘電は帰すことができなかった。2-1でホンダの勝利。下位に苦しむホンダにとってはうれしい1勝となった(4勝目)。MVPはコートニー・デイル。太陽誘電は1回と6回のチャンスを活かせなかったのが痛かった。
ホンダ(4勝9敗) 2 - 1 太陽誘電(7勝7敗)
太陽誘 000 010 0 │1
ホンダ 100 010 × │2
戸田中央総合病院 vs 豊田自動織機
【戸田中央総合病院】先発メンバー
1番 佐藤美絵(レフト)
2番 霜田亜希子(ライト)
3番 中山紀恵(ファースト)
4番 坂元令奈(ショート)
5番 池田愛美(P)
6番 吉田真由美(キャッチャー)
7番 小林加奈(セカンド)
8番 泉久美子(センター)
9番 若林珠美(サード)
打撃なし 清水麻琴(ピッチャー)
【豊田自動織機】先発メンバー
1番 内藤恵美(ショート)
2番 狩野亜由美(センター)
3番 ミッシェル・スミス(ピッチャー)
4番 田中幹子(ライト)
5番 前川仁美(P)
6番 本田小百合(レフト)
7番 長澤佳子(ファースト)
8番 古田真輝(サード)
9番 持丸朋子(セカンド)
打撃なし デビー・シュナイダー(キャッチャー)
首位を走る豊田自動織機が登場。ミッシェル・スミスや高山樹里といったトップクラスの選手が多くいるので、今回楽しみにしていたチームだ。対するは戸田中央総合病院。病院のチームというのは、最初知ったときは驚いた。監督さんは放射線技師、選手たちは受付の仕事をしているそうだ。下位ではあるけど連勝している。自分は「織機が勝つかなぁ」と思っていたけど…。
豊田の応援団はドラムやトランペットがいて賑やか。旗は……おいおい、それは道路沿いに飾ってる旗だろ(苦笑) 商品の旗だった。戸田の応援は人数は少ないけど、選手1人1人の幟(これを使ってるチームは多かった)、「ガンバレ」「一意専心」と書かれた横断幕を飾っていた。そしてこの試合、自分はなぜか戸田サイドから動かなくなってしまう…。
選手の紹介が始まった。デビー・シュナイダーが茶目っ気を見せて、おかしかった。両監督、そしてキャプテンに記念品が贈られる。大宮フェニックスの子供が始球式をやって試合スタート。先攻は白の豊田自動織機、後攻は青の戸田中央総合病院。先発は織機が左投げのスミス、戸田がキャプテンの清水。
1回表、織機の攻撃。先頭打者がヒットで出塁する。しかし、清水が3番・スミスを三振、4番・田中をサードフライに仕留めて無失点。
1回裏、戸田の攻撃。この回から雨が降り出す。戸田は1死1、2塁だったけど得点ならず。
2回表は三者凡退。2回裏は2アウトからフォアボールなどで1、2塁。しかし、戸田はここも得点ならず。暗くなってきたので、ナイター照明が点灯された。
3回表、織機がサードのグラブをはじくヒット。バントで送ろうとするも、キャッチャーフライでダブルプレイとなってしまう。織機はチャンスを活かせない。3回裏、戸田は先頭打者がレフト方向の2塁打で出塁。しかし、クリーンナップが凡退。雨が止まない。
4回表、デッドボールのランナーが出るも得点なし。4回裏は三者凡退。5回表も三者凡退。雨中の投手戦か…。
ところで。これまでの2試合は、ベンチ裏のブルペンで控え投手がピッチング練習をしていた。しかし、戸田は誰もいない。ハナから清水一人でいくつもりなのだろう(これまでの試合、すべて清水?)。清水はピッチングを終えると球場のベンチで休み、2アウトになったあたりでキャッチボールをしてマウンドに向かう……の繰り返しだ。こういう姿を見てると、どうしても気になってしまった。
さて5回裏、戸田の攻撃。雨がまったく止まず、グランドが「砂」から「泥」に変わってしまっている。これが野球なら中断→中止じゃないだろうか。ピッチャーのスミスは投げにくそう。投げた球が何度か転がっていくことがあった。戸田はランナーが出て、2塁盗塁。次のバッターはフォアボールで1死1、2塁。ここで織機のルーシー・カサレス監督がマウンドに出てきた。審判に何やらアピールする。それを受けて、スタッフがマウンドをトンボでいじってみる。ここで、試合中断とアナウンスされた。
自分は雨宿り。「中止して、日を改めて再開するのかな?」など考えた。運営側としてはなんとか終わらせて、2日目も3試合やりたいだろう。自分より状況を気にしていたのが、戸田の選手たちだった。首位の織機を相手に5回まで失点ゼロ、しかもチャンスを迎えている。「やりたい!」という気持ちが伝わってくる(口に出してるし)。
じっと待つ。どうやら再開させるようだ。アナウンスで「お待ちください」と伝えてるし、マウンドに砂をまいている。戸田の選手たちが先に出てきた。気合を入れる。そして、30分の中断を経て、試合が再開された。
5回裏、1アウト1、2塁で戸田の攻撃。フォアボールで満塁となる。スミスは厳しそう。このまま押し出しになるんじゃないかと思ってしまった。しかし、試合を動かしたのは戸田だった。4番の坂元がライトヒット! 1人が帰って1点先制! 2人目も帰る……けど、本塁でフォースアウト。スライディングをキャッチャーシュナイダーが止めた。2死2、3塁で戸田のチャンスが続く。しかし、スミスがくい止めた。
6回表、1点を追う織機の攻撃。中断前から戸田は気迫を出していたけど、1点先制したことでさらにテンションが上がっている。ベンチの盛り上がりが凄い。「勝てる!」というものがある。1アウトからランナーを出したけど、そこからフライとショートゴロに打ち取った。こういう状況ではゴロの処理が大変だろう。よく守ってる。
6回裏、戸田の攻撃。監督が「もう1点取れ!」と檄を飛ばす。しかし、得点ならず。織機のショート・内藤が泥だらけだ。
7回表、織機は4番・田中からの攻撃。両チーム、声を出しまくる。「凄い試合を見てるな、自分」と思った。田中はセカンドゴロ、まずは1アウト。しかし、次はヒットでランナーが出塁。戸田ベンチの選手たちが「気持ち、気持ちだ~!」と声を振り絞る。ああ、それは凄く正しい。こういう局面ではメンタル面が重要だ。つづくバッターはレフト方向のファウル。これを佐藤がスライディングキャッチで2アウト(ランナーは2塁へ)。守備が清水をバックアップする。そして、最後のバッターを仕留めてゲームセット。なんと、下位の戸田中央総合病院が首位の豊田自動織機を負かした。試合終了は18:10ですっかり暗い。MVPは織機を完封した清水。戸田の選手たちは大喜びだ。
これが今回の宮崎大会で一番印象に残った試合(2日目の第3試合も凄かったけど)。悪いコンディションのなか、0-0という緊迫した展開のなかで気持ちをキープした戸田が見事だった。番狂わせ的結果もだけど、試合内容に心動かされるものがあった。帰るときは大変だったけど(雨が降る夜に自転車で家へ)、こういう試合が見れたのは大満足だった。
戸田中央総合病院(5勝9敗) 1 - 0 豊田自動織機(11勝3敗)
豊田自 000 000 0 │0
戸田H 000 010 × │1
富山の結果、2日目の試合
となみチューリップスタジアムで同時開催されている富山大会、1日目の結果は以下の通り。
日立ソフトウェア 2 - 1 大鵬薬品
(4回裏に大鵬が先制も、7回表に日立が逆転)
シオノギ製薬 7 - 5 トヨタ自動車
(後半に得点を重ねてシオノギが逆転)
レオパレス21 3 - 0 伊予銀行
(詳細はわからず)
これで、12チームの勝敗はこのように。
豊田自動織機(11勝3敗)
日立&ルネサス高崎(11勝3敗)
日立ソフトウェア(11勝3敗)
レオパレス21(10勝4敗)
太陽誘電(7勝7敗)
シオノギ製薬(7勝7敗)
デンソー(6勝8敗)
戸田中央総合病院(5勝9敗)
ホンダ(4勝9敗)
トヨタ自動車(4勝9敗)
大鵬薬品(4勝10敗)
伊予銀行(3勝11敗)
決勝トーナメントには4チームが進出できるけど、上位4チームが抜け出している。そのなかの3チームが11勝で並んでいる。降格が絡む下位の争いも激しくなっている。
2日目は上位4チーム同士の対戦が宮崎、富山でそれぞれある。他の試合も勝敗が近いチーム同士で面白い。
【宮崎】
10:00 デンソー vs 太陽誘電
12:00 戸田中央総合病院 vs ホンダ
14:00 豊田自動織機 vs 日立&ルネサス高崎
【富山】
10:00 シオノギ製薬 vs 大鵬薬品
12:00 レオパレス21 vs 日立ソフトウェア
14:00 伊予銀行 vs トヨタ自動車
1日目の感想
今日はすべて1点差を争う好ゲームばかりだった。2試合目と3試合目は下位が上位を負かしたし。そういえば、3塁側のチームばかり勝っている。う~ん、北高は予選決勝と新人戦で1塁側だったな…。
会場内で一番驚いたのは応援。太鼓(もしくはドラム)がいて、トランペットがいて、チアがいるのが基本。だから、試合中はずっとにぎやかで。試合前と終了後にはエールの交換もあるし。会場を楽しいものにしていた。
楽しかったといえば、ベンチの盛り上がり。バレーボールがそうだけど、女性の球技というのはチームワークとチームの雰囲気をとても大切にしている。何かあれば声をかけあい、試合中はずっと声を出し続け、ちょっとしたことでも盛り上がったり。これがチームの士気につながるし、相手へのプレッシャーにもなる。
感心したのは、富山の速報を伝えていたこと。入口のスコア表はマメに更新していた。
雨が降ったり止んだりというのは、プレイする側も観る側も大変だった。どうも最近、週末の天気は崩れがちだから。2日目はどうなるだろうか。12日が予備日になってるけど、11日にいい環境できればと思う。月曜は来れないよ…。
ここでも北高
大会の補助員をやっていたのが「宮崎北高校ソフトボール部員・宮崎市ソフトボール協会加盟チーム員」。さすがは、我が母校。自分がいた頃にソフト部あったっけ?
投稿者 blogpawanavi : 20:52 | コメント (2) | トラックバック