« 2007年02月 | メイン | 2007年04月 »
2007年03月26日
SR Factory presents "volcano07" [ ライブハウス ]
メジャーアーティストから新人アーティストまで幅広いステージングで人気のライブハウス『SR Factory グループ』にて毎年開催されている、現在人気急上昇中のアーティストフェスティバル『volcano』が今年も開催されました!今年で3回目を迎えたこのイベント、ライブハウスの現場の目線で「ライヴが良いバンド」「今鹿児島・宮崎で見てもらいたいバンド」という主旨のもと、現場スタッフが手作りで行なっているという事で毎回多彩なアーティストが参加しています。今年は全15バンド(宮崎のみ・鹿児島のみ出演含む)が出演し、宮崎SR-BOXと鹿児島SR-Hall+CAPARVO Hallで開催されました。その15バンドのうち、宮崎SR-BOXでのライブに出演したバンドは、SOIL&"PIMP"SESSIONS・SCOOBIE DO・POLYSICS・COMEBACK MY DAUGHTERS・No Regret Life・THE SUS(宮崎)・TiPSY LURCH(宮崎) の全7バンド。ロックイズムを「これでもか!」とオーディエンスに伝える事の出来るバンドばかりです。宮崎・鹿児島と2Days行われたこのvolcano 07、ホール内には溢れんばかりの人で埋め尽くされ、季節は冬だというのに熱気ムンムンの中盛り上がりまくったこのライブ。今回のレポートでは、1月20日に行なわれた宮崎Liveの模様をお伝えしたいと思います!!
(文:木原 画像:甲斐)
volcano 07
日時:2007年01月20日(土) 17:30〜
場所:SR-BOX(宮崎市)
主催:SR Factory
volcano07公式ホームページ
今回で3回目を迎えるこのイベント。すっかり宮崎の方にもお馴染みになっているようで、開場前から入り口前階段は長蛇の列!普段はエレベーターで会場に向かえるのですが、今回は階段からのみの入場となりました。エレベーター付近ではグッズ販売特設ブースが設けられ、会場に入る前や舞台転換中にもたくさんの方が詰め掛け、普段手に入らない人気アーティストのグッズを買い求めていました。さあ!それでは早速、当日登場したアーティストの紹介を含めながらライブの模様をご紹介していきたいと思います!!
*******************************
■ライブ風景・アーティスト紹介
◆TiPSY LURCH(http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=viva0kn)
〜プロフィール〜
2004年4月、Kenji Nitta(Gt&Vo)を中心に結成。地元を中心に活動し様々な対バンとのライブを重ねながら、2005年6月に初めての九州TOURを行う。2006年3月、Tanaka(Ba&cho),Tsubasa Shiiba(Dr) が加わりさらに活動を加速させていく。GARAGE ROCK,HARD ROCK,EMO ROCKを軸に英詩・日本詩を織り交ぜた、一度聞くと忘れられないメロディーを放つロックンロールバンド!(volcano'07公式H.Pより)
オープニングアクトとして、まずステージに登場したのは地元宮崎を中心に活躍中の3ピースバンドTiPSY LURCH。キャッチーなメロディーラインに乗せて客席へ放たれる重厚なサウンドで、会場をあっという間に盛り上げる事に成功!!「volcano!!まだまだこれから盛り上がっていくんで皆さんよろしく!!」とのMCと共に、見事に一発目という重責の中会場を沸かせていました!!そしていよいよ定刻17:30を少し過ぎたところで、南九州ではお馴染みのあのバンドから登場です!!
◆No Regret Life(http://www.noregretlife.com/)
〜プロフィール〜
2001年1月鹿屋市で結成。同年11月より現在のラインナップとなる。結成当初からハイペースでのライブ活動を行い、2004年4月にミニアルバム「My Life,My Song,My Mind」を発売。それに伴いレコ発ツアーも行う。ファイナルのCAPARVOホールでは300名以上の動員を記録。同年7月LOST IN TIMEとの2マンを最後に東京へ活動の場を移す。2005年2月にマキシシングル「メロディー」でメジャーデビュー。06年夏には[ROCKIN'ON JAPAN][ARABAKI ROCK FES][Sky Jamboree]等で数千単位のクラウドを熱狂させる。そして今秋、最新sig「右手の在処」をリリースする。(volcano'07公式H.Pより)
今回のvolcano 07、トップバッターは鹿児島から全国区に駆け上り、今や日本中から大きな期待と人気を誇っているNo Regret Life!このイベントへの参加は一昨年についで2回目となりました。「前回は上京したばかりで、そんな状況でこのイベントに参加したので泣きそうになりました…。」というMCもありましたが、デビューシングル『メロディー』など切ない歌詞と心に響くヴォーカルそしてそれを共に心に届ける演奏で、会場をノリと絶叫の渦に巻き込みました。お隣の鹿児島県出身バンドという事で、宮崎でも人気の高いNo Regret Life。このパフォーマンスの前では後のバンドもやりにくいのでは…と思うほどの素晴らしいライブでした!しかしこの熱狂、この後もまだまだ続いていきます…。
◆The SUS(http://www.pawanavi.com/sus/)
〜プロフィール〜
宮崎県延岡市出身の3ピースバンド。1999年結成。自主イベントを中心に活動を開始。
翌2000年には九州全域に、2002年からは関東・関西へ活動範囲を広げる。荒々しく疾走感のあるサウンドと叩きつけるような歌詞で多くの若者たちを魅了し、今年6月にはZEPP TOKYOで行われた『SUPER DRY B-JAM』に出演。昨年9月にはAlbum「TWILIGHT ROCK'N'ROLL BEDROOM」をリリースし、九州ツアーを行った。(volcano'07公式H.Pより 一部加筆)
高まる会場内の熱気はこのバンドの登場でさらにヒートアップ!今回、volcano初登場となる地元宮崎が産んだロックンロールバンド、THE SUSの登場です!鬼気迫る表情でシャウトする、いつも通りの高いテンションの中ライブを行なう彼ら。ですが、特に今回のライブにはいつも以上に強い思い入れがあったようです。「今回のライブで、うちの佐伯が抜けることになって…」ライブ終盤に放たれた仰天のMC!結成当初からVo.手島の右側に常に位置していたBa.佐伯が今回のライブを持ってTHE SUSを脱退する事に!これには昔からのTHE SUSファンからも一同驚きの声が!!そんな特別な夜、彼らは今まで以上に高いライブパフォーマンスでオーディエンスを巻き込み、熱狂させました。
◆SCOOBIE DO(http://www.scoobie-do.com/)
〜プロフィール〜
1995年結成。60年代のR&Bをベースにしたパンク・ロックを追求。99年ファースト・マキシ・シングル「夕焼けのメロディー」をインディーズからリリース。同年ファースト・アルバム『DOIN' OUR SCOOBIE』を発表。楽曲のクオリティもさることながら、ライヴでのステージングにも定評がある。バンド名はカルヴィン・アーノルドの曲名から採ったもの。2002年6月、ミニ・アルバム『GET UP』でメジャー・デビューを飾る。06年6月25日に行われた結成10周年の日比谷野外音楽堂での濃厚な夜(3時間超!)はCDとDVDにて発売中!(volcano'07公式H.Pより)
「Hey everybody!You can get the funky "Mellow" fellows!We are SCOOBIE DO!!」というお馴染みのコールと共に登場してきたのは今回5年ぶりの宮崎ライブとなるSCOOBIE DO。「volcanoと言うからには燃え上がらねば!」というVo.コヤマのMCどおり、すっかり会場内はかき鳴らされるバンドサウンドと共にSCOOBIE WORLDの虜になりました!体が勝手に踊り出す、ソウルフルなサウンドとコヤマのステージパフォーミングは圧巻の域!今回は、初公開となる4月発売予定のニューシングルも披露してくれました!「昨日のR&Rは興味無え。明日のR&Rは誰かがやる。でも今日のR&Rは俺達とお前達でやっちまうんだぜeverybody!」という名言を残し、さらに会場の温度をさらにあげステージを後にしました!!
◆COMEBACK MY DAUGHTERS(http://www.comebackmydaughters.com/)
〜プロフィール〜
1998年に高本、稗田、中津川の3人によって結成。2002年8月にCHUN2がギターとして加入。4人編成になったと思ったのもつかの間、同年11月には小坂がキーボードとして加入し、現在の5人編成になる。自分達のペースを保ちながらも精力的に活動をし、海外のバンドも含め多くのアーティストと共演。2003年にはWEEZER公認のWEEZERトリビュート・アルバムに参加。2006年2月、1年10ヶ月ぶりに待望の2ndアルバム『A Parade of Horses』をリリース。その眩いほどのポップネスとロックの甘く響く切なさで、多くの音楽ファンを魅了する。(volcano'07公式H.Pより)
それまでの熱狂のステージから一転して、ポップなメロディーと胸にグッと来るせつな系の歌詞が魅力のCOMEBACK MY DAUGHTERSがステージへ!しかしホールの熱気はそのまま継続し、そのグイグイとサウンドと共に押し寄せてくる素直な「心」が、ホール内を席巻しています!PIZZA OF DEATH所属ながら、そのステキな音楽性は聞く者を魅了します。「優しさ」と「激しさ」の同居したCOMEBACK MY DAUGHTERSのライブは、まさに"奇跡"のライブと呼ぶにふさわしい素晴らしいライブとなりました。来月7日には待望のニューシングル"BIRD'S TRADITION e.p."も発売されるということで、ますますこれからの活躍が期待されます!
◆POLYSICS(http://www.polysics.com/)
〜プロフィール〜
1997年、高校生だったハヤシがDEVOに憧れPOLYSICSを結成。メンバーチェンジを繰り返しながら活動する。結成当初から、揃いのツナギにサングラス、特異なライブパフォーマンス、爆音ギターと、シンセサイザーやヴォコーダーなど、コンピューターミュージックを融合させた稀有なサウンドで注目を集め、一躍「TOKYO NEW WAVE OF NEW WAVE」というシーンのトップに躍り出る。海外での評価も高く、多くの有名アーティストからツアーのオファーが有り、今年4月にはカイザーチーフスのサポートアクトに抜擢され、彼らのイギリスツアーに同行する。2000年のメジャーデビューから5枚のアルバム、8枚のシングルをリリース。最新シングル「You-You-You」好評発売中。(volcano'07公式H.Pより)
さぁ、いよいよ残すところ2バンドとなりましたvolcano 07!ここで登場は、個性的なサウンドとそのサングラス+ツナギから、「未来系バンド」の様相を呈するPOLYSICSの登場です!日本国内のみならず海外からも高い評価を得、一昨年のワールドツアーでは6カ国で96本というライブをこなしているPOLYSICS。この日も彼ららしさが大爆発!シンセサイザーやコンピュータミュージックを使った、いわゆる機械的な音を出しながらも人間臭さを感じずにはいられないバンドパフォーマンス!!4月からはイギリスツアーも始まるという事で、宮崎のオーディエンスも床が抜けてしまうんじゃないかといわんばかりにダンス!ダンス!!ダンス!!!の連続でした!そしていよいよ本日の大トリ、あのバンドの登場です!
◆SOIL&"PIMP"SESSIONS(http://www.jvcmusic.co.jp/soilpimp/)
〜プロフィール〜
東京のクラブ・イベントで知り合ったメンバーにより2001年結成。ライブ・パフォーマンスを中心とした活動を身上とし、確かな演奏力とクールな雰囲気を漂わせながらも、ラフでエンターテインメント、バースト寸前の爆音ジャズを展開。翌年、音源も発表していないバンドながら "FUJI ROCK FES'03"へ出演し大きな話題となる。以降、ワンマンではSOLD、国内の大規模ロックフェスへの参加、NHK「トップランナー」への出演、4度のヨーロッパツアー、イギリスBBC RADIO1が毎年主催する "WORLDWIDE AWARDS 2005" で「Jon Peel Play More Jazz Award」を受賞する等、ジャズのカテゴライズを越え、その活動は日本も超える。(volcano'07公式H.Pより)
この日の「volcano'07」宮崎、最後に登場してきたのはこれまた世界でも高い評価を得ているSOIL&"PIMP"SESSIONS!メンバー各々の卓越したスキルから産まれる分厚いサウンドと、ステージ中央に立ちオーディエンスを煽動する社長(agitate-man)のユーモア溢れるアジテートの融合に、たちまち会場内からはシャウト&レスポンスの連続に!!「正月迎えて今日が初めてのライブ。宮崎は暑いって聞いてたけど、みんなはさらにアチィよ!!」とのMCですが、確かにもう会場の客席は半袖でも暑い位の熱気の渦!さらにSOILは体を動かさずにはいられないナムバーを、ここぞとばかりに投げ込んできます!そして最後の曲が終わり、一旦ステージを下りた彼らに「アンコールッ!」の大歓声が!もちろんそれに応えるSOILのメンバー達。もうありえない程のグルーヴがホール内に発生し、ここにvolcano 07は終了いたしました!!
終演後も、熱気に溢れたオーディエンスの皆さんはなかなか会場を後にすることなく、この日の特別なライブの余韻に浸っておりました。また、特設販売ブースにはこの日出演したアーティストも顔を出し、沢山のファン達と交流していました。素晴らしいメンバーの揃ったこの日のロックフェスですが、こんなに身近にアーティストを感じる事ができるなんて、なんだかステキですよね?もちろんこの翌日、鹿児島で行なわれたvolcanoもこの日同様に盛り上がりに盛り上がったようで、また来年の開催を楽しみにしながらアーティストさん達、もちろんお客さん方も満足されたようです。
この様に大盛況に終わった「volcano 07」果たして、来年はどんなアーティストが参加し、南九州をさらにアツく盛り上げるのか。これからもSR FACTORYさんの動きには要注目ですよ☆
投稿者 blogpawanavi : 17:38 | コメント (0) | トラックバック
2007年03月24日
ARTIST FESTA "MASARU GENOME" ~LIVE&PARTY~ [ イベントライブ ]
地元日向では、すっかりお馴染みとなったアーティストフェスタ。今年で13年目。回数にすると今回のアーティストフェスタは17回目!毎回多彩なゲストが日向市文化交流センター小ホールで素敵なステージを披露してくれます!アーティストフェスタの最大の特徴は「ライブ&パーティー」ということ。椅子とテーブルが設置され飲んだり食べたり踊ったりみなさんそれぞれが思い思いのスタイルで楽しんでいます。全国的に有名なゲストが登場することはありませんが、地元を、音楽を、そしてパーティーを愛する人達によって育てられてきたとても心地よいイベントなのであります。
(レポート:甲斐英利)
▲スタッフとして大活躍の劇団ハックの皆さん/最多出場SonicBoomのお二人
ARTIST FESTA
"MASARU GENOME" ~LIVE&PARTY~
日時:2月24日(土)
場所:日向市文化交流センター小ホール
主催:(財)日向文化振興事業団
昨年のアーティストフェスタでは落語や演歌も織り交ぜたフェスタを開催。その前は高校生がプロデュースしたりもしたそうですが、今回は原点回帰ということで前編バンドサウンド!イベントサブタイトルの"MASARU GENOME"というのは、このイベントの発起人の「マサルさん」の意志=遺伝子を引き継いでいこうという気持ちが込められているそうです。それではライブの模様をご覧下さい!
■VinoRosso(日向) 初出場
まず登場したのは地元から初出場の「VinoRosso」各メンバーは何度か出場されたかたもいらっしゃるそうですがこのバンドでは初出場♪ヤイコのカバーで会場を盛り上げてくれました。難しい楽曲にも挑戦できるのは経験豊富なメンバーのなせる技でしょうね!
■グリーンハウスバンド(諸塚) 初出場
もともとは諸塚村の小学校の先生達と結成されたバンドなのだそうですが、現在は転勤などで普段は仕事も家もバラバラ・・・「練習出来ないのが悩みの種です」とのコメントもありますがそこは経験でカバー!誰もが知っているオールディーズナンバーでお酒の売り上げに貢献?でした 笑
▲ライブの合間にはバンドへのインタビューやお客さんへのインタビュー
一日限りの「酒道場 はっく庵」の告知もお忘れなく♪
■The Summit(延岡) 2回目
NHK放送「おやじバトル」出演・受賞経験のある「The Summit」の登場!「飛び道具だ!」と突っ込まれた名曲「ひょっとこ」も新アレンジで熱唱!今回はオリジナルメンバーが揃わず練習も難しかったようですが新(仮)編成でもサミットはサミットでした!さすがです!
■PSYKICK POLIGON CHOP(宮崎) 初出場
ホームページ:http://www.p-p-c.net/
以前、この小ホールでレコーディングをしたことがあるという「PSYKICK POLIGON CHOP」は全国ツアーもこなす宮崎を代表するバンドの一つ。ファンク!なステージにお客さんも自然に身体が動きます!3月29日には自主レーベルからオムニバスCDも発売!
■Sonic Boom(宮崎) 11回目
最多11回の出場を誇る「Sonic Boom」何度聞いても聞き飽きない名曲がつぎつぎと会場に放たれます。卓越したバンドの技術もさることながら、Vo.庄太さんのなんとも言えない「間のトーク」やFM宮崎のラジオ「耳恋」でお馴染みのシローさんとの絡みも笑えます。
それにしてもこの二人のサービス精神は素晴らしいのです。カメラを向けるとご覧の通り余裕のカメラ目線…
ライブハウスなどではチケット代+要1ドリンクオーダーが今や普通ですが、このライブ&パーティーはチケット代1000円(おつまみ・お弁当付)というなんとも素敵なイベントなのです!17回の間にはいろいろ苦労もあったと思いますが、20回、30回と開催されるのを楽しみにしています!
みなさんお疲れ様でした!
投稿者 blogpawanavi : 19:35 | コメント (0) | トラックバック
2007年03月15日
坂本梨奈インタビュー〜あめいろのうた [ インタビューPR ]
2006年8月2日に、5曲入りのミニアルバム「Mamma」で、AtoNO Recordsよりデビューした、宮崎県出身のシンガーソングライター「坂本梨奈」さんが、2007年2月9日に、待望の2ndミニアルバム「あめいろのうた」をリリースしました。昨年のデビュー時期に「スタートを切るにあたって、まず自分のルーツに立ち戻って始めたい」とのことから、活動の拠点を東京から故郷の宮崎に移し様々なイベントやライブに出演し着実にファンを獲得している「坂本梨奈」さんですが、今回リリースされた「あめいろのうた」は"全5曲中、3曲が宮崎に来てから書き上げた楽曲"というほど、昨年からの宮崎帰郷が強く作品に影響を与えているようです。という事で、今回のインタビューは2月14日のヴァレンタインデーにライブハウス「WEATHER KING」(宮崎市)にて開催されたライブイベント"アコギな夜"に出演される坂本梨奈さんの楽屋にお邪魔し、近況や最新ミニアルバムについてあれこれお聞きいたしました。ちなみに、今回記事内でご紹介している画像は当日のライブ風景です。それではインタビューと合わせてご覧ください。
(レポート:松田秀人 取材協力:WEATHER KING)
**************************************************
●坂本梨奈プロフィール
※プロフィールに関してはこちら(昨年のインタビュー)をご覧ください↓
URL:http://www.pawanavi.com/music2/archives/2006/07/post_59.html
坂本梨奈さん公式ホームページ↓
URL:http://www.atono.co.jp/rina/
**************************************************
●坂本梨奈インタビュー
※インタビューは2月14日、WEATHER KING(宮崎市)にておこないました
▲坂本梨奈さんのCDも発売されていました!
※左がイベント主催者のWK・ウエダさん、手にしているのは「あめいろのうた」
-----------------------------
◆近況報告
松田:まずは、2007年2月9日にリリースされた、2nd mini album 「あめいろのうた」について、深く掘り下げる前に、今回(2007年2月14日)のライブの趣旨について気お聞かせください。
坂本梨奈:え〜と、今日行われるのは、毎月1回、こちらのライブハウスWEATHER KINGさんの主催で開催される"アコギな夜"というギターとうたのみの編成が中心のライブイベントなのですが、今回は特別に「あめいろのうた」のレコード発売記念として、私だけバンドスタイルで出演させていただくことになりました。さらに宮崎では特別にもう一本、レコ発ライブを予定していて、そちらはまた今回とは違う編成で考えています。東京でもレコ発ライブを行いますが、あちらは1本だけです・・・宮崎は2本(笑)!
松田:個人的には、坂本梨奈さんがバンドスタイルで歌われるのを拝見した事がないのですが、バンドは東京からレコーディング参加メンバーを呼ばれているのですか?
坂本梨奈:いえ、レコーディングメンバーとは異なります。実はバンドメンバー全員が宮崎人で構成されています。(坂本梨奈/ヴォーカル、甲斐真資/ギター、魚下あさひ/ベース、井ノ上智宏/ドラムス・パーカッション)みんな私の大好きな人たちなので、レコーディング(あめいろのうた)時のメンバーとは違いますが、とても暖かい音を出してくれるので、歌う側としては精神的な面からも凄く気持ちよく歌えると思います。
松田:前回のインタビュー(2006年7月)時に坂本梨奈さんがおっしゃっていた内容から、現状での活動は東京やその他の地域と、宮崎を行き来しなければならないため、あまり練習などにあてる時間がないように思うのですが・・・宮崎での練習はどうされていたのですか?
坂本梨奈:実際に、時間はあまりありませんでした。それに、メンバー達もそれぞれ自分のバンドを持っていますし・・・。だから私が宮崎にいるときにキュッと詰めて(笑)、がんばりまし
た。
松田:さらに、前回のインタビュー(2006年7月)では、東京のAtoNO Recordsというレーベルからデビューするのに、何故わざわざデビューと同時に宮崎で活動するのですか?という質問に対し「私にとっての音楽活動の始まりは宮崎ではなく、東京なので、宮崎では、両親や友人などの一部の人を除いて私が音楽活動を行っている事を知りません。後から"あっ坂本梨奈って宮崎人だったの?"という事にならないよう、まず、地元から正式にスタートをきりたかったのです」とおっしゃっていましたが、その後、宮崎での活動は順調でしたか?
坂本梨奈:そうですね、前回のインタビューの直ぐ後に、フェニックス・シーガイ・リゾートで開催された「楽園音楽祭2006」では、ゴスペラーズさんや一青窈さんのオープニングアクトとして、約8000人の前で歌うことができまし、各地の学園祭やイベントにも多数呼んでいただき、UMK、MRT、NHK、また九州内各メディアにもたびたび出演させていただきました。。つい一昨日も、宮崎山形屋さんの屋内モールで、FMQ‐Leagueのスペシャルプログラムとして開催さた「Love Connection Kyusyu '07」で歌いました。テレビなども含めると、月2〜3本ぐらいライブを行っているかなと思います。
松田:2006年の5月頃から、積極的に宮崎に戻られてデビューの準備をされていましたが、2006年8月2日にデビューミニアルバム「Mamma」がリリースされてから半年以上たち、地元の反応はいかがですか?
坂本梨奈:当初の目的だった「宮崎の方々に私の顔と名前を覚えてもらう」という事に関しては、日々を重ねるごとに「浸透してるな〜」って凄く手ごたえを感じています。
松田:宮崎帰郷は結果的によかったと考えていいわけですね。
坂本梨奈:はい。レコーディングや中央でのライブ・イベントなどもあり、2週間〜1ヶ月くらいのスパンで行き来を続けていますが、、私は宮崎に帰郷してよかったと思います。実は今回の「あめいろのうた」を製作するにあたって、"宮崎帰郷"という事がとても影響しているんですよ・・・。それはどういう事かというと、7〜8年ぶりに家族と生活する機会が生まれたたわけですが、はじめは東京と宮崎を行き来する中で、生活スタイルや時間軸のギャップが不安だったんですけど、今にして思えば、「もしかしたら、あのタイミングで戻っていなかったら、こういう形で故郷で暮らすということはなかったかも・・・?」なんて考えてしまうんです・・・。やはり、ツアー先でのホテル滞在や、東京での生活と違い、家族と共に実家で生活すると、、お互いの時間軸の違いを感じつつも、随所に「私にも同じ血が流れているんだ」って感じられる事がたくさん見つかったり、生まれ育った場所のぬくもりや安心感を与えてもらったり、なんて表現したらいいのかな〜・・・ん〜、大切な人たちのそばに居ると体の中に流れている水がちゃんとめぐっているのがわかるというか・・・その辺のイメージが「あめいろのうた」には詰まっているんです。
松田:確かに、デビューミニアルバム「Mamma」は、坂本梨奈さんが宮崎を離れ、東京暮らしの延長線で製作されたものなのに対し、今回の「あめいろのうた」は、ふるさと宮崎での生活に触れつつ製作されたものだから、変化があって当然なわけですよね!
坂本梨奈:私は昔から曲を書いているので、以前にも「いま楽曲として完成しているのは70〜80曲ぐらいあります」といいましたが、今回リリースされた、5曲入りの「あめいろのうた」の中で、3曲が宮崎に着てから書き上げたものなんです。私は宮崎から東京に行ってしまった人間なんですけれども、それだけに、今こうして帰郷し"水のめぐり"を感じつつ"丁寧に生きよう"とかって考えはじめた時に、あらためて東京と比べると、宮崎って地元が好きで、ココに居たいから住んでいるという人が多いじゃないですか・・・?なんか、大それたことではなく「そばにいる人を幸せにしてあげようよ」そして「シンプルに生きる事、身近な人を大切にする事」・・・そんな事を感じさせられる機会が多く、そういう優しい気持ちをふるさとで再確認させられ、自然と曲が生まれたんです。
-----------------------------
◆あめいろのうたについて
松田:それでは、ここからは2007年2月9日にリリースされた、2nd mini album 「あめいろのうた」に関する質問をさせていただきます。まずタイトルの意味を教えてください。
坂本梨奈:「あめいろのうた」の”あめ”って、実は"べっ甲飴"の"あめ"なんですよ!たとえば、ひなたで子供の髪の毛が透けている色だったり、瞳に光が入っている色だったり、暖かい間接照明の色だったり、思い出の中の映像にあるセピア色だったり、はちみつが甘くとろける色だったり・・・・・全部私が居心地がいいと感じる空間に存在する色なんです。
松田:収録曲のタイトルを見ると"あめいろのうた"という楽曲はありませんよね・・・だとすれば、先ほどおっしゃっていた、5曲中、宮崎に帰郷してから出来た曲を3曲収録したという事から想像できるのは、坂本梨奈さんにとって、この宮崎が"あめ色"であったと、受け取ることが出来ますが・・・。
坂本梨奈:ですね・・・私にとってこの約半年間はとても居心地がよかったんだと思います。そして"あめいろのうた"というタイトルは全部ひらがなで構成されているのにも理由があって、今回は「ひらがなのうたを歌おう」というテーマが私の中にあって、そんな思いを込めてタイトルを全てひらがな表記にしているんです。
松田:すいませんが"ひらがなのうた"ってちょっと意味がわからないんですけど・・・。
坂本梨奈:ん〜・・・。音楽は文学ではないので耳から入ってきますよね!だから、みなさんに聴いてもらったときに、頭で考えないでそのまんまスト〜ンって心まで落ちていくような・・・それが、難しい漢字や言葉のイメージではなく、全てひらがなで聞こえてきて、一度聞いたらそれが何なのか直ぐにわかり、心まできちんと響く!それが私の思う"ひらがなのうた"のイメージです。
松田:そういえばデビューミニアルバムの「Mamma」は、どちらかといえば、1曲1曲がストーリー性のあるもので構成されていて、曲順もさることながら、全体の流れが気持ちいいみたいなイメージがあるのですが、今回の「あめいろのうた」は、単語ひとつひとつが、スッ〜と体に入ってくることから、逆に、何気ない言葉がとても意味を持ったり、ちょっとした単語が意外と苦しかったり、悲しかったり、また微笑ましかったり感じることが出来るんですよね!だから、「この曲は切ない曲」とかいうのではなく、1曲の中でも単語の数だけ喜怒哀楽があるといえるのではと思います。"ひらがなのうた"と言われると、確かに飲み込んだ感触は、漢字やカタカナ、そして英語ではない、のど越しの柔らかな"ひらがな"だったような気がします。それが優しい言葉でも、苦しい言葉でもです。
・・・・・「01.name」
坂本梨奈:1曲目の「name」は、曲の頭から、先ほどお話ししたような単語がランダムにでてくるんですけど、この曲は宮崎に来てから書いた曲なんです。
松田:少し前に"宮崎に来てから丁寧に生きようと思った"とおっしゃっていましたが、ひらがなの食感(音感?)って、まさにお母さんが子供達のために丁寧に作る家庭料理のようなものに似ていますよね!そんな感情が宮崎で沸いてきたというのは、宮崎に生きる者にとってとても嬉しいことです。
坂本梨奈:この曲こそ、まさに毎日の生活の事を歌っているのですが、その中でも名前を呼ぶということに凄く意味を感じていて、この行為って、実は名前を呼んだり、呼ばれたりする相手が生活の中にいるからこそ出来るのであって、そこにすごく”必要としている"という意味があると思うんです。大げさにいえば、名前を呼ぶ事そのものが、「好きだ」とか「愛してる」って言う事につながると感じるんです。だから、何気ない毎日の中で、お互いに名前を呼び合っている・・・呼び合えている事の大切さを思い出そうよ・・・っていうメッセージが込められているんです。本当に何気ない空間の中でのやり取りをイメージして書いているので、曲の冒頭にでてくる短い文節から、その他の部分も、最初に浮かんだものから手直しはまったくしていません・・・。
・・・・・「あなたのうた」
松田:続いて2曲目の「あなたのうた」ですが、イントロから自然なかたちで、とても心地のよい世界につれっていってくれます。そんな中、歌詞・メロディー共に可愛らしさと切なさが、短いスパンで交互にやってきて、心にやわらかい刺激を与えてくれます。私は2曲目を聞き終わった時点で、このアルバムにハマってしまいました。
坂本梨奈:あぁ、うれしいです!ありがとうございます。この曲は、宮崎で書いた曲ではないのですが、東京で暮らしながら宮崎の家族の事を想って書いた曲なんです。家族であったり、恋人であったり、友人であったり、誰にでも大切な人がいるとおもうのですが、「あなたの笑顔が見れるだけでいい」そんな事を、自分の大切な人のために歌いたい、そして贈りたい曲です。1曲目の「name」同様、そういう大切な人がいるという事が重要なんですよね!もちろん恋愛対象に限らず、そうですね、愛犬に対してでもいいと思います。生きていく糧って、結局そういうところにあるんだと思います。
・・・・・「kidnapper」
松田:3曲目は、いかにも南国っぽい感じの、ゆる〜くて、明るい曲ですよね!
坂本梨奈:アフロポップの要素が入った楽曲です。楽曲の中に「愛されたい欲求は愛したい人がいるしるし」という歌詞がでてくるのですが、1曲目、2曲目同様に、この「kidnapper」も対象となる人がいるからこそ、自分もそんな気持ちになるっていう事をうたいました。タイトルの「kidnapper」って誘拐犯という意味なんですが「誘拐されたい欲求は誘拐したい人がいるしるし」なんて、言葉遊び的なもので、「思いつめて誘拐に走った・・・」ではなく(笑)、好きな人に対して「わたしを丸ごとさらってよ!」と、まあ、ちょっとしたイタズラ心を陽気なリズムにのせて歌っています。
松田:これは、南国風なので宮崎で出来た曲ですか?
坂本梨奈:ずいぶん前に作った曲で、作りはじめてほんの何曲目かに出来た曲なんです。1作目の楽曲選出のときにも、実は候補に上がっていたんですよ。そして宮崎では、UMK”HOT WAVE”のエンディング・テーマとして、しばらく流れますよ〜。
・・・・・「シャワーワルツ」
松田:4曲目のシャワーワルツ・・・文字どうりワルツのリズムにのったお洒落なメロディーが印象的な曲です。はじめに今回の作品では5曲中、3曲が宮崎で書いたものということでしたので、4曲目、5曲目がそれにあたるわけですよね!
坂本梨奈:ハイ!タイトルの通り、おうちでシャワーを浴びているときに出来た曲です(笑)。
松田:歌詞内容とは裏腹に、3拍子のリズムがお洒落なんだけど・・・どこか能天気な感じもして、優雅というよりはコミカルに聞こえなくもないです・・・。そういえば坂本梨奈さんのお話を聞いたり、ライブを見たりする中で思ったのですが、3拍子の曲ってないですよね・・・。
坂本梨奈:ん〜そうかもしれませんね〜全編通して3拍子ってのは、少ないですね・・・。前回は8分の6だったので(笑)。端的に言ってしまえば、この曲は女性達への応援歌なんです。私自身コンプレックスが多く、自己嫌悪にはまっちゃうこともあるのですが、そんな時は鏡に映った自分を見て「生きている・・・それだけで生き物としての美しさがあるからいいじゃない・・・」って励ますんです。コンプレックスに縛られていると、コレもアレもって結局、自分が思うように動けなくなるんです。「じゃあ、どうなればあなたは満足なの?」って自問自答していくよりも、まずは、「今いる自分を素直に愛してあげるところからはじめようよ」って。その一歩が踏み出せたら、実は、その一歩目の勇気から美しさが沸いてくるんじゃないかって思ったので、そういったメッセージを込めて歌にしました。でも、なんだか重たくなるのはいやだったので、軽やかな3拍子でかわいらしいアレンジに仕上げました。
・・・・・「LOVE」
松田:さて、収録曲としては最後にあたる5曲目の「LOVE」。今回の中では一番しっとりとしているのですが、逆に一番引き締まっている曲ともいえます。もちろん宮崎で書かれた曲ですよね!
坂本梨奈:そうです。アイリッシュハープと歌だけ、という曲なので、ハープ奏者とわたしと2人で呼吸をあわせて録りました。本当はタイトルに「LOVE」ってつけてしまっていいのだろうか?と、とても悩んだんです。"愛"に関しては私がうたう上での大きなテーマではあるのですが、まだ2枚目なのにドドンと「LOVE」って冠しちゃっていいのか?と・・・。だけど、私の中の"今現在の愛"はコレ!という事でそのまま「LOVE」で通しちゃいました。きっと"愛"っていうと、真っ先に浮かぶのが"恋人"なんでしょうけど、私はそうは思っていなくて、人間愛とか、博愛とか、慈愛という意味も含まれた大きな意味での"愛"を歌ったのが「LOVE」なわけです。
松田:じゃあ「あなたを愛してます」的な事を言っているのではなく、"愛"という目に見えない存在ってなあに?という部分ですかね?
坂本梨奈:そうですね・・・。今回も何度も言っているのですが、様々な感情は相手があってこそ存在するもので、そういう気持ちにさせてくれるのは恋人だけではありません。「大切な人」のことを感じていようよ!という中で、その、人と人の感情の間にいるコレはなんですか?っていう・・・。私は友情も愛情の一部だと思っているし、そんなことから人と人は種類の違う様々な愛情で繋がっているんだな〜って思うので。私の中での"愛"は、それを"感じとる心"が愛なのだと思っています。だから、「これが愛なんです」って説明するのではなく、なんとなくでもかまわないので、何かを見たり、何かに触れたりするときに、思わず心が暖まったり、胸がキュンとする・・・そんな"感じる心"の全てが愛なんじゃないかな〜と思うんです。
松田:この「LOVE」という楽曲は、坂本梨奈さんが感じる大きな意味での愛そのものをテーマにしているということから、今後「LOVE2」「LOVE3」っていうのがあってもおかしくはないですね!
坂本梨奈:そうですねぇ(笑)。とにかく今回の「LOVE」に関しては、凄く大きいものを表現したかったんです。
-----------------------------
◆みやざきのみなさんへ
松田:あと少しでお時間となってしまいますが、宮崎の皆さんに向けてなにかメッセージはありませんか?
坂本梨奈:そうですね・・・今、東京と宮崎を頻繁に行き来している事から、東京だけでなく、宮崎を中心とした九州全体にも、徐々に広がってきていて、多くの人のお耳に届けられることを本当にうれしく思っています。そんな中で、「こころをほぐしてもらってます」的なメッセージをいただくことが本当に増えてきて・・。宮崎でリラックスしてるときに生まれた曲たちも多いだけに、この土地の、ひとの、ぬくもりに恩恵を受けているんだと感謝しています。特に今回の「あめいろのうた」は、それぞれの居心地のいい場所に、なにげなく置いてもらえるようなものを作りたかったので・・・だから、お礼と言っては何ですが(笑)宮崎のみなさんの柔らかい部分にも、そっと寄り添っていられればいいな〜って思います。
松田:そういえば、私の個人的な体験からも、坂本梨奈さんの音楽って、「さぁ〜今からコレ聴いてやるぞ!」とか、そういった気持ちで聴いた事はないですね・・・。逆にいえば、「コレ聴こう」「あれ聴こう」って一生懸命考えて、ハードなものからポップなものまでガッツリ聴いた最後に、必ず戻ってくる音楽のような気がします。たとえば、1日中頑張って働いて、家に帰ってお風呂の湯船につかる瞬間のような・・・食べ物ならスープ?お茶?コーヒー?のようなイメージですかね・・・。
坂本梨奈:それは嬉しいですね!もともと、私は構えて聴かれてしまうような音楽は作りたくなかったから・・・もちろんそれがいけないということではなくって、今のところそういう音楽のイメージが私の中には無いということです。先ほども言いましたが、私としては、リスナーのみなさんがリラックス出来る空間であったり、大切な人と過ごす時に、そっと寄り添う事が出来る音楽を作っていきたいと思っています。
松田:そんな、居心地のいい音楽を聴きに、今日もたくさんの方が応援に駆けつけたようですが・・・。
坂本梨奈:本当にほんとうにうれしいです・・・!宮崎での活動に関していえば、最初のころは、宮崎人だから応援してくれているという優しい方が多かったです(笑)。でもそんな方々のおかげで、徐々に歌が広まっていき、最近では"宮崎人だから"という部分を離れ、私の歌そのものを好きになってくださるファンの方が増え、「やっと私の音楽がみなさんの柔らかいところにたどりついているんだ」という実感が沸いてきたところです。だから、これからも、私なりのペースで、ライフワークとして、長く愛されるものを作りながら、この活動をつづけていきたいと思います。どうぞ長い目で見守っていただきたいと思います。
松田:最近は特に様々なシーンで流行のサイクルが激化しています。そんな中、1年もたてば、てっきりお茶だと思って飲んでみたら、中身が炭酸飲料に変わっていたという事は日常茶飯事です。坂本梨奈さんは、ファンにとっていつまでも、ほっと一息つける存在でありつづける事が出来るでしょうか?
坂本梨奈:もちろんそのつもりです!
松田:今日はありがとうございました。
◆2/14 ライブセットリスト
M1 smells like you
M2 あなたのうた
M3 Mamma
M4 満ち潮ロック
M5 シャワーワルツ
M6 name
M7 kidnapper
**************************************************
●2nd mini album 「あめいろのうた」
(画像提供:AtoNO Records)
2007/2/9 ON SALE
01.name
02.あなたのうた
03.kidnapper
04.シャワーワルツ
05.LOVE
ATNR-44 1,575円 (税込)
→AtoNO Records
※坂本梨奈さん公式ホームページ内より視聴が可能です↓
URL:http://www.atono.co.jp/rina/index02.html
投稿者 blogpawanavi : 12:21 | コメント (0) | トラックバック
2007年03月05日
中尾諭介(In the Soup)インタビュー [ インタビューPR ]
2007年3月10日(土)と11日(日)の両日、昨年の竜巻災害で多大な被害を受けた延岡市の山下新天街では、装いも新たに「山下新天街アーケド完成大セール」というイベントが開催されます。そのイベントには、門前市や屋台村、さらに目玉商品販売等に加え、両日とも山下のアーケードとサンロードが交差する今山神社の"鳥居広場"にてライブイベントが開催されます。なかでも注目は、2003年の夏以来、久々の延岡ライブを行う、地元延岡出身のアーティスト、"中尾諭介さん"です。中尾諭介さんといえば、2000年5月に In the Soup というロックバンドでメジャーデビューして以来、ここ宮崎県でもホールライブから野外ライブ、さらにはバンドでの弾き語りやソロライブ等、主催者の様々な要望に臨機応変に応えてくれ、会場の大小を問わず、常にフルパワーで会場を盛り上げてくれました。そんなことから県内にも熱心なファンが多いのですが、2004年に発表したアルバム「ヘブン」を最後に、コロムビアミュージックエンタテインメント(レーベル)及び事務所を離れ、自主活動を展開するようになってからの情報が少なく、そのため現在どのような活動をされているのかが気になっていたファンの方も多いのではないでしょうか?そこで今回パワナビでは、延岡に帰省中の中尾諭介さんに、ちょうど自主活動に入った頃から現在のご自身を振り返っていただき、様々な悩みを抱えながら歌い続けた心中や様々な裏話、さらに中尾さんが考えるご自身の世界観などを、たっぷり聞かせていただきましたので、ぜひご覧ください。
(レポート:松田秀人 インタビュー協力:IzaCafe Sunset)
************************************************
●中尾諭介プロフィール
中尾諭介/なかお ゆうすけ
出身地:宮崎県延岡市
生年月日:1973年6月20日
血液型:A型
身長:178 cm
高校時代の友人である、現在テレビドラマや舞台などで活躍中の本田誠人(ペテカン)と組んでいた漫才コンビで吉本興業主催の「全九州お笑い選手権」でグランプリを獲得。一芸入試で大学進学となり上京。同じ大学に通う、現 In the Soup のメンバーである八谷、吉田、草場とともに1996年 In the Soup を結成し、リードヴォーカルを担当。2000年5月メジャーデビュー。その後、様々な野外音楽フェスティバルをはじめ、「学校出前ツアー」などの個性的なライブ活動を展開する。中でもライブで大人気だった"グリーングリーン"はNHK教育テレビでおなじみの番組「真剣十代 しゃべり場」のテーマソングとなりロングセールスを記録。以後 In the Soup の代表曲となる。2002年には日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブを行い、2003年1月全国7大都市におけるワンマンツアーを慣行。2003年には中尾諭介ソロアルバム 「好きです」も発表しているが、翌2004年に発表したアルバム「ヘブン」を最後に、コロムビアミュージックエンタテインメント(レーベル)及びピンクムーン(事務所)を離れ、自主活動を展開する事になる。現在は In the Soup のサポーターと共に、自主活動を展開し、自主制作のライブ DVD や CD などをライブ会場や公式ホームページから販売中。
◆In the Soup 公式ホームページ↓
URL:http://inthesoup.net/index.html
************************************************
●中尾諭介インタビュー↓
************************************************
●2007年3月10日、山下新天街で久々の延岡ライブ!
※イベントスケジュールはレポートの最下部をご覧ください
中尾:3月10日(土)・11(日)に山下新天街でアーケード完成記念のイベントが開催されるそうで、僕も10日(土)の15:00から1時間ばかり、ミニライブをやるんですよ!そういえば山下のアーケードって昨年の竜巻災害の時大きな被害をうけて大変でしたよね・・・。あの日の夜は直ぐにパワナビチェックしましたよ・・・何か情報があるんじゃないかって・・・。TVとか電話とか、いろいろ噂が飛び交っていたんだけど、実際どうなの?ってところがわからないくて・・・。
松田:そうだったんですか?インターネットとかって、よく利用するんですか?
中尾:普段から頻繁にすることはないんだけど、さすがにあの時(昨年の竜巻災害時)は必死で情報をさがしましたね・・・だからパワナビの市民目線のレポートが凄く役にたちましたね!
松田:ありがとうございます。あの竜巻災害あと直ぐに、復興作業中の山下新天街では"がんばろうや延岡!"っていうイベントが組まれ、中尾さんとはM,M,T,Pで共に活動されている、為山五朗さん達がスペシャルライブをやってくれて、音楽で延岡市民を元気づけてくれたんです。道行く人のリクエストに応えて懐かしいフォークソングを歌ってくれたりしたのですが、そのとき為山さんは、スケジュールの都合で中尾さんが出演出来なかった事を、とても残念がっていました・・・。
中尾:出来れば僕も出演したかったんですけどね・・・。まあ、遅ればせながらではありますが、3月10日、タメゴロウさんが"がんばろうや延岡!"で歌ったステージと同じ場所(鳥居広場)で、久々に延岡ライブをやります!
松田:そういえば、中尾さんが故郷の延岡でライブをするのって、2003年のサウンドビーチすみえ以来じゃないですか?
中尾:そうかもしれない・・・日向や清武はその前の年だからね・・・。最後のすみえは確かソロでしたよね。
松田:そうですね、2003年の冬にバンド活動(In the Soup)を休止して、メンバーそれぞれが独自の活動を展開しはじめ、中尾さんはソロとしてミニアルバム "好きです"をリリースした、その直後が、すみえでのソロライブだったんです。その同じ年の年末に、また"In the Soup"としてのバンド活動を開始し、翌年の2004年に"ヘブン"というアルバムをリリースし、そのアルバムを最後にコロムビアミュージックエンタテインメント(レーベル)及び事務所を離れ、自主活動を展開するに至るわけですが、実は恥ずかしながら、そのあたりからの活動状況が中々つかめなかったりするんです・・・。さっき話したM,M,T,Pのメンバーとしては、何度か拝見しているのですが・・・。
中尾:まあ、いろいろとありましたから・・・。
松田:そこで、今回のインタビューでは、ここ数年間、中尾さんは何を考え、今後どこに向かって進んでいくのかを、ファンの皆さんを代表して、突っ込ませていただきたいと思うのですが、準備はよろしいでしょうか?
中尾:わかりました・・・じゃぁ、ぐっと深〜く潜りますか(笑)。
----------------------------
◆アレ?俺なんでメシ食えてんだろう?
松田:それではライブ時に聞けるような"中尾節"を期待しつつ、質問をしたいと思います。たしか、2004年の"ヘブン"以前は、リリース情報とかライブ情報などが、うちの事務所にも頻繁に届いていたりしたんですが、それ以降パッタリだったんですよ・・・。
中尾:情報に関しては、早い話が事務所を離れたからですよ・・・。そういう細かいことって全て事務所がやってくれてましたから・・・。でも、自主活動となると細かいところまでは中々手がまわらないんですよね・・・。
松田:様々な事情があり、前事務所を離れたその後、仕事面のやりやすさなどもあると思われるので、他の事務所などをあたったりはしなかったんですか?
中尾:その後の事に関してはいろいろと考えさせられるところがあって・・・・・。その頃は、メジャーデビューしてから約5年をむかえようとしている時期だったんですが、仕事としての音楽活動のスタイルにいろいろと疑問を抱えながら毎日を過ごしていたんです・・・。たしかに雑誌の取材やライブ活動、レコーディングやメディア出演など、いろんな仕事を毎日のようにこなし、忙く動きまわってはいるんですけど、たとえば飯を食ってる時とか"アレ?俺なんでメシ食えてんだろう?"なんて単純な事に疑問を感じた瞬間があったりして、だんだん精神的なバランスがくずれてきたんですよ。まわりの人はみんな一生懸命やってくれたし、感謝もしているんだけど・・・まあ、これは僕個人の問題なんです。
松田:えっ、それってプロのミュージシャンだから、あたりまえの事じゃないんですか?ライブや音源はともかく、場合によっては、一般人にとって遊びにしか見えないような事でもお仕事になっちゃうのがアーティストのいいところでもあるような気がするんですが?だから飯は食えて当然かと・・・?
中尾:いや、そういう事じゃなくて・・・なんて言ったらいいかな〜。たとえば、何かのお店屋さんなら、この商品を幾らで仕入れて幾らで売って、今日は100人の人が来店してくれて幾ら売り上げがあがった!とか実態が見えるじゃないですか?作業現場のアルバイトだって1日頑張って幾ら貰ったとかの実感があるわけですよ!でも、毎日ライブやレコーディング、さらにはひとつところに留まれないツアーなどを繰り返しつつ、椅子に座れば食事が出てきて、泊まるところも既に決まっていて、東京に戻ってくればいつの間にかレコーディングの日程が決まっているんです。でも、自分達ではお金を払うこともなく、計画をしているわけではないという・・・。そんなシステムの中であくせくしているうちに、いつの間にかペットのハツカネズミのように同じところをくるくる回っているだけのような気分に陥ってしまったんです・・・。せっかく好きな音楽で飯食っているはずなのに、当時はとにかく"ただ生きてるだけ"って感じがしてしまったから、それまでお世話になった事務所をはなれ、今後の方向性を考える上で、メンバーともゆっくり話しあう時間を設けなければならないと考えました・・・。ここらで、ちょっとのんびりやらんか?って。本当にやりたい楽曲がポツンとわきでたらやればいいんじゃないかって・・・。
松田:具体的にいうと、どういった部分に違和感を感じたのですか?
中尾:たとえば、順番としてはレコーディングのスケジュールだけが先に決まっていて、それに楽曲を間に合わせるんじゃなくて、自分の体の中から自然発生的に沸いて来る曲があって、それを"こういうのやってみない"ってメンバーとふくらますような・・・そんな時間ってものすごく大切だと思うんです。自分にとって前者のようなやり方は、なんか張りぼてのように見えてきてしまって、"こりゃぁ長く続かないぞ"って・・・。まあ、そういうやり方が好きで、気持ちよくこなせる人はそんな風に考えないんだろうけど・・・。でも、たまに延岡に帰ってきて、ガラ〜ンとしたシャッターだらけの中心街をみていると"結局延岡も張りぼてだったのか"と、そんな風に感じてしまいますよね・・・悲しい事だけど。
松田:もうちょっと、突っ込んでお話してもらっていいですか?私も延岡市に住んでいますから、なんとなく言いたい事はわかるような気もするんですが、"張りぼて"って言葉がなんかグサッときますね。
----------------------------
◆THE 東京!
中尾:ツアーとかで、全国をまわっていたから、いろんな街を見てきたけど、その土地本来の個性を無視して、東京のマネだったり、意味もなく"まずは都会化ありき"で進んできた街って無理が来てるよね。だってそこは東京じゃないんだから、いくらマネしても東京にはなれない・・・。だから、たとえ都会化されてなくても、自分の街や人々のポテンシャル、自分達の速度や距離感を信じて頑張っている街って素敵ですよ!東京で流行ってるものなんてどうでもいいじゃん!ここからやってやるぞ!みたいな感覚って、あわてずに自分達の速度でじっくりやるからいいんだよね。そういう街は、東京の流行に踊らされるどころか、その街にしか持っていない魅力を練り上げているから東京のほうが食いついてくるし。
松田:東京はあらゆる角度から流行を"仕掛け"て、それをお金に換える仕組みを持っているから、東京にいればあたりまえのように何もかもが"東京のスピード"で展開されますよね・・・。今はインターネット等のおかげで、かなりコアな情報でも大よそ正確に受け取る事ができますけど、実際のところ昔は「東京では○○らしい」という"又聞き非常"が多かったのでしょうし、かなりの都会と田舎ではかなりのタイムラグもあったでしょうね・・・。
中尾:とくにエンターテイメントはタイミングが命だから、東京だけでいえばタイムラグなんてあってはならないし、ウカウカしているとみんな冷めてしまうことになる・・・。だから冷めきってしまう前にまた新たな手段で熱しなければならないんです。休みなく、年間を通して常に盛り上がっている状態が東京なんですよ。そのために売る側としては、たえず次の仕掛けを考え続けないといけない・・・。こっちのテンションの上がり下がりはどうでもよくて、あっちのスケジュールに合わせてテンションの調整をしなければならなくなる・・・さっきも言ったけど、当然違和感を感じない人だっているわけだけど。
松田:地方で何かが流行りかけているときは、すでに裏では次の仕掛けが始まっているんですよね・・・。最近は情報の流通がよくなったとはいえ、発信元でない地方が、発信元である東京を懸命に真似ても、どこまでいっても東京スピードについていけるわけがないのはわかります。確かに魅力ある街って、東京スピードを追いかけるのではなく、独自の速度感覚を持っているような気がします。
中尾:当然のことながら、こちらのスタイルで東京に押し出していくには、自分のやっている事を本気で信じていなければ続かないし、人一倍パワーもいるし、金と労力が少ない分時間をかけなくちゃいけないんだよね。だから自分を含め In the Soup のメンバーとも、ここらでギアチェンジして、自分達のスピードで音楽をやっていこうみたいな・・・。ちょうど、あれこれ考えていた頃に、実家から手紙が届いて、その中にガンジーの有名な言葉で"善きことは、カタツムリの速度で動く"というのが書かれていて、そういえば仕掛けられた流行は時間がたつと何ものこってないよな〜特に最近は使い捨てが加速してるよな〜・・・なんて考えたりしたのを覚えてます。
松田:ある意味、東京はスピード狂が多いと?
中尾:まあ、事故発生率は高いよね(笑)。
松田:そういえば2000年にリリースしたファーストアルバムのオープニング曲に"東京野球"っていう楽曲がありましたよね!
中尾:・・・そうあれはファーストだったね・・・・・。東京に出て行ったときは"東京にまけるなよ!"とか言って"東京野球"なんかもリリースしたりしたけど・・・いや、今も"東京に負けない"って気持ちは忘れてないですよ。僕は長渕 剛さんの歌から"東京のバカやろうが"って教えてもらって、さらに友達からも"東京にまけるなよ"なんて言われて"へ〜そんなもんなんだ"って上京して、肩に力が入ったまんまエスカレーターに乗ったり、街中を歩いたりしていたら、ふと"東京ってジャングルジムみたいだな〜"なんて思ったりして・・・みんな、人が作った遊具をいかに早く登るかにシャカリキになっているんだけど、でも、僕も一度はそこに手をかけた以上、テッペン目指して登ってみたいとは今でも思っています。ただ、その登り方っていうのが、4〜5年前から比べると変わってきていて、登り方を変える上で、ギアチェンジや、強い音楽が必要になってきたんです。
----------------------------
◆強い音楽?
松田:いろいろと考えがあって、自主活動に至ったのはわかりました。では、これからの中尾諭介はどんな音楽を目指すために、東京の商業化システムを捨て、独自のスタイルで活動しようと思ったのですか?
中尾:ん〜、言葉にするのが難しいんだけど、一番重要なアイテムを一言でいえば"強い音楽!"かな・・・?単に声がでかいとか、音が大きいとか言うのではなく、ちゃんと地に足のついた音楽。なんかそんな事ばっかり言ってるからラブソングが書けないのかもしれないけど(笑)。でもね・・・自分的には、今までも地に足をつけてきたつもりでやってきたんだけど、ハツカネズミのようにくるくる回っているうちに、気がついたら、足は浮いたし鼻は伸びた・・・。やっぱり、地に足つけていかんとダメですね。
松田:たとえば、田舎から出てきたばっかりの時は、メチャメチャパワーが感じられたバンドが、メジャーデビューしてからというもの、どんどん輝きを失っていくことなんてよくありますよね。アーティストの場合、自分が持っている才能をお金に換えていくわけだから、精神的な部分での充実感は大切ですよね・・・・・。ということは東京の商業的なシステムに合わない人は、せっかく田舎を飛び出して、販売部門が充実している都会へ行っても、独特な環境の中で、自分が納得できる作品を中々発表できず、どんどんストレスがたまり、最後は勢いがなくなってしまうのだと・・・。
中尾:ん〜結局人によるんだけどね・・・。自分は"くるくる回る"ことに違和感を感じたんだけど、逆に、そのほうがやりやすいという人もいるだろうから・・・。あくまでも中尾諭介は合わなかったということで・・・。だから最近は、テレビを見る機会があっても、バラエティーとか全然みないね・・・昔はお笑いとかやってたのに・・・。逆に、真剣にソバを打っている人の映像が淡々と流れているような番組のほうが見入ってしまいますね・・・。特にどの番組ということではなく、甘い汁がなくなったから次の甘い汁をみつけてそこに寄り添って・・・みたいな動きを見続けるのはもういいかな・・・そんな感じですかね?さっきジャングルジムの話をしたけど、そういうのって、ぜんぜん登ってる感じしないよね。だから、スピードは遅くてもいいから、着実に登っている実感がほしいよね!
松田:じゃあ今の中尾さんは、精神的に安定していて、創作意欲が沸いてきている状態ですか?それとも・・・・・?
中尾:ハイ、残念ながら、まだ模索中です・・・(笑)。だから曲なんか作ってると、鏡みたいに出てくるんですよ・・・浅はかな自分が・・・。そうしたときは本当に落ち込むんです・・・。"俺ってまだクソだな〜"なんて考えてしまったり・・・。でも、そんな中から1ツでもいいフレーズが自然発生的に生まれたときは救われるんですよね・・・。まだまだ、その自然発生の確立が低いっていうか?まあ、自分という人間そのものが成長しないとね・・・。
松田:自然発生という点では、メジャーデビュー当時の「川」っていう楽曲は、いかにもそんな風な感じがするのですが、実際のところどうなんですか?私は個人的にあの曲の歌詞は大好きなんですけど・・・。"グリーングリーン"はNHK教育テレビでおなじみの番組「真剣十代 しゃべり場」のテーマソングとして使われたことから、もちろん代表曲かもしれませんが、歌詞という点では、さっき出た"東京野球"やこの"川"も In the Soup を語る上では欠かせない楽曲ですよね!どちらも初期の作品なのですが。
中尾:そうそう「川」ね!ちょっと「川」について話しちゃっていいですか?実はあの曲の歌詞は僕が書いているんだけど、こんな状態の今だからこそ、近頃はデビュー当時の事を思い返す事があって、中でも「川」を書いた時の事を鮮明に覚えているんですよ!それこそ、メジャーデビューしたてこ頃で、違和感があっても、ある程度はがむしゃらになれて、でも実際は"くるくる回っている"そんな時のことです。その日は、ラジオ番組の収録が終わって、疲れきってホテルに戻り、なにげなくテレビを点けてみたら、延々と川の映像をタレ流している番組?があって、ベットに横になってボ〜っとしたまま、放心状態で川の映像を見ていました。すると今まで自分が出会ってきた川の映像が頭のなかでフラッシュバックをはじめて、なんか胸にグッときてしまって、涙がでそうになったんですよ・・・。でも現実にもどれば、翌日はスタジオ入りが決まっていて、ある程度方向性の固まっている新曲の歌詞を提出しなければならなかったんだけど、まったく手をつけていなかったんです。その頃から自分が納得できるものが出来てないのにも関わらず、期日に合わせて歌詞をもっていくだけの作業が嫌でしょうがなかったから"明日どうしよう"って思いつつも、何故か新曲の歌詞を書く作業はせずに、今、浮かんだばかりの「川」のイメージを書き始めたらスラスラ〜って書けてしまったんです。翌日メンバーに"新曲の歌詞出来た?"って聞かれて"ゴメン"ってことになり、"でも違う詞が出来たから見て"と昨日書き上げた詞をみせたところ"いいじゃん"ってことになって、そのままメンバー全員で"この詞に曲をつけよう"ってことになり、その場で曲を書いて、その日のうちにレコーディングしたんですよ!今考えてもあの日は熱かったな・・・まさに「川」は自然発生した曲だね!
----------------------------
◆カタツムリのスピード
松田:今の In the Soup はどういう状態にあるのですか?たとえば充電中なんて言葉をよくききますが・・・?
中尾:いや、充電・・・なんてつもりはないです。それが大きな飛躍するための助走期間だとして、それを充電と呼ぶのなら、なにかの歌みたいですが"走りながら充電"という状態です。メンバーもそれぞれのタイム感で地に足をつけて活動しているつもりです。
松田:中尾さんの個人的な活動としてはどのような方向に進みたいですか?なにか具体的な夢とかってあります?
中尾:ん〜できれば、ギターケースだけを抱えて全国をまわるような事をしてみたいと思ってはいますけど、まだ何月何日から実行という段階ではないですね・・・なんとなく妄想って感じです。出来れば、今から歌わしてくれるお店とかあれば募集してもいいかな〜って・・・。ちょっとそこまでタバコ買いに行きます的な感覚で全国まわれたら最高なんですけどね!夢でいえば、宮崎から海を渡れば直ぐそこなのに、まだ行ったことのない高知県の四万十川には是非、行ってみたいです。
松田:音楽活動以外には?
中尾:昨年の12月3日の"日曜劇場/鉄板少女アカネ"に清掃員の役で出演したり、同じく昨年のクリスマスにはWOWOWのドラマ"神様からのひと言"にチンピラ役で出演しました。どちらも、陣内孝則さんが出演していたので、"元ロッカーズ"のヴォーカルということもあって注目していたんですが、やっぱり今でもパワフルな人です。まあ、それにくらべて、自分はダイコンだな・・・って・・・。あとは"隠蔽工作"っていうドラマでは被害者の息子役で出演しました。
松田:最近はまっている事はありますか?
中尾:ここにきてギターにハマっていますね!"10年もやっていていまさらかよ"ってことなんですけど、今思えば実際にステージで弾いたり、曲づくりで弾いたりすることはあっても、練習ってやってなかったんですよね!まあ、練習しようと思って自分なりに課題を設けて、少しづつ身についてくる実感が気持ちいい・・・みたいなそんなところです。でもこういうのって久々の感触です。でも、そんな単純な言を忘れていたっていうことですよね。もしかしたらギターでなくともよかったのかもしれませんが・・・。
松田:中尾諭介が目指した自分の形には近づけそうですか?
中尾:なんせカタツムリのスピードだからね・・・何時になることやら(笑)。
松田:でも、カタツムリの速度で、カタツムリにしか見えないゴールを目指し、人の歩みを気に留めず、常に淡々と進むというのも、ある意味かなりの精神力がないと出来ないことですよね!もしかしたら、カタツムリの速度で着実に前進できる事こそが才能かもしれませんよ!大抵じれったくなって無理な加速をし、しまいには事故を起こすかオーバーヒート、もしくは燃料切れになったりじゃないですか?確かに中には時速300kmで駆け抜けてしまう人もいますけど・・・。
中尾:きっと僕も、昔はそのカタツムリのスピードにイライラして、あっちにいっちゃったんだよね・・・。そして気がついてみたら、カタツムリが一番信頼できるものだったって事だよね。そしてノルマをこなすだけで、毎日が"今どうなってんの"に追われ、自分のペースを忘れてしまわないように心がけたいとは思っています。
松田:それでは最後になりますが、宮崎のファンのみなさんに、なにか伝えておく事はありますか?
中尾:とにかく、今言える事は、僕がつくった歌を聴いてくださいっていうことだけです。だから、カタツムリのスピードだけど、いい歌をつくってそれを皆さんに聞かせ、喜んでいただき、同時に僕自身も喜びたいと思います。そして2007年3月10日(土)は延岡市の山下新天街にて開催されるイベント「アーケード完成大セール」に出演(鳥居広場15:00〜16:00)しますので、ぜひ足を運んでいただき、今現在の僕の生の声を聞いていただければと思います。
松田:中尾さん今日はありがとうございました。
************************************************
●山下新天街アーケド完成大セール情報
3月10日(土)、11日(日) 10:00〜18:00
◆3月10日(土)
☆鳥居広場
・雲海太鼓 10:00〜
・開会式 10:30〜
・中尾諭介ミニライブ 15:00〜16:00
・マジックバルーンショー 16:15〜17:00
・ウクレレ&フラダンスショー 17:00〜18:00
☆その他
・屋台村 11:00〜19:00
・キッズホーム 11:00〜15:00
・ラジコンカーデモ走行 11:30〜12:30
・タイムサービス(各店舗前) 14:00〜15:00
◆3月11日(日)
☆鳥居広場
・華太鼓(かんなの会・ふじ組) 13:30〜
・沖縄エイサー(九保大) 14:00〜
・菊池真理恵ミニライブ 15:00〜15:30
・森山GSオールディーズバンド 16:00〜16:30
☆その他
・屋台村 11:00〜18:00
・キッズホーム 11:00〜15:00
・延岡門前市 10:00〜13:00
・目玉商品販売 10:00〜18:00