山鹿温泉『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策


投稿:2016.12.16

「豪華絢爛」江戸時代の歌舞伎劇場造りの芝居小屋『八千代座』を中心に、山鹿の伝統芸能と文化にふれ、山鹿温泉近隣に残る「豊前街道」の歴史ロマンに浸るぶらり旅!

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 江戸時代の参勤交代ルートである「豊前街道」が街の中心部を通る熊本県山鹿市。現在は温泉地(山鹿温泉)として賑わっていますが、当時は豊前街道の宿場町として栄えていたといいます。今もなお、天保年間からつづく麹屋や、細川藩主の御茶屋であった建築物を大改装し、当時の姿を再現させた温泉「さくら湯」、また当時の商家を利用したショップや食堂など、江戸時代から大正にかけてきらびやかに発展した歴史ロマンが、街のいたるところに漂っています。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 中でも、明治43年に建てられた芝居小屋『八千代座』は、江戸時代の歌舞伎劇場がモチーフとなった建物で、豪華絢爛な天井絵や内装、さらに普段は見ることのできない舞台や花道の床下部分「奈落」(ならく)の見学など、当時の華やかな世界観をそのまま受け継いでおり、山鹿のメインスポットのひとつとして人気を博しています。
 現在も歌舞伎や舞踊公演などが開催されるほか、地元の伝統芸能『山鹿灯籠踊り』の定期公演も行われています。
(後ほど、本編にて、舞手の頭の上に乗せられた『山鹿灯籠』の文化や歴史について詳しくご紹介します)

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 豊前街道の歴史ロマン香る町並みに、ひときわ目立つ重厚な洋館(上画像)は、大正時代に『安田銀行山鹿支点』として建築されたもので、現在は『山鹿灯籠民芸館』として伝統文化を伝える場となっています。
 そこで、今回のレポートでは、上記の「八千代座」を中心に、その周辺にある徒歩で行ける魅力的な観光スポットをご紹介します。
 また、レポートの最後には、造り酒屋の母屋を改装した文庫雑貨カフェ『メトロカフェ』の魅力とグルメメニューの紹介も掲載しています。
 和と洋の建築物が並ぶレトロな町並みをゆっくり散策するだけで、当時にタイムスリップしたかのような独特な世界を、たくさんの画像とともにご紹介します。

山鹿温泉観光協会

住所:熊本県山鹿市中央通510-2
電話:0968-43-2952
営業時間:9:00〜17:00
駐車場:あり
URL:http://www.y-kankoukyoukai.com/

八千代座

住所:熊本県山鹿市山鹿1499
電話:0968-44-4004
営業時間:9:00〜18:00
定休日:第2水曜日・年末年始
駐車場:あり
入館料:大人520円 小・中学生260円
URL:http://www.yachiyoza.com/

 

広域マップ

 

周辺マップ

 山鹿温泉観光協会よりご提供いただいたマップです。まち歩きと温泉旅館のご予約、さらに公共交通機関へのお問い合わせなどに役立ててください。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 

山鹿と灯籠と豊前街道

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

▲灯籠を頭にあげて舞う女性の姿の銅像も、山鹿の文化を表現するシンボルとなっている

【山鹿灯籠】
 山鹿市には、古い歴史をもつ伝統工芸『山鹿灯籠』があり、熟練した技を持つ『灯籠師』と呼ばれる工芸師が制作を続けています。山鹿灯籠は、和紙と少量の糊だけで造られ、毎年行われる『山鹿灯籠まつり』に合わせて制作され、発祥の地である『大宮神社』に奉納されています。
 由来は、第12代景行(けいこう)天皇が九州御巡業で菊池川から山鹿に上陸される際、一帯に立ち込めた深い霧に行く手を阻まれ、その時に、山鹿の里人たちが炬火で天皇ご巡行を案内したことなのだそうです。それ以来、里人たちは行宮(あんぐう)跡(現在の大宮神社)に天皇を祀り、毎年灯火を献上するようになったのが始まりとされています。
※下記(大宮神社)で詳しくご紹介。

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▲ 街のあちらこちらで「灯籠」をかたどった街灯や看板、道案内板などが見られます。

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▲山鹿灯籠民芸館に展示された灯篭踊りの風景。

 室町時代になると、奉納されるのは灯火から紙灯籠に姿を変えました。その後、金銀に彩られた『金灯籠(かなとうろう)』を頭に掲げた女性が舞い踊る「山鹿灯籠踊り」が誕生し、祭りの代名詞ともいえる「千人灯籠踊り」が生まれ、現在も全国から観光客やカメラファンが足を運ぶ一大イベントとなっています。

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▲郵便ポストにも灯籠が!中の和紙が『〒』になっているのがおもしろい。

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▲店舗の軒下に、それぞれの家紋やシンボルマークが描かれた和紙をいれた灯籠(画像中央)が飾られています。画像の左下には「豊前街道」の文字がみられます。

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 のぼり旗や城壁や提灯などで通りが彩られ、その道を歩くだけでその時代にタイムスリップしたかのような世界を体感できます。

 

中心地(豊前街道)をぶらり

さくら湯

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 九州最大の木造建築の温泉として、そのスケールの大きさから全国的にも有名になっている『さくら湯』。今から約370年前の細川藩主の御茶屋として記録が残る威風堂々の建築物を明治初期に大改装し、市民温泉として愛されてきた山鹿の元湯です。
 一度は再開発ビル建築のために解体されましたが、地元の人達の熱い想いから、平成24年に江戸時代の様式を再現させた形で復活しました。

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▲さくら湯玄関前の石畳にある手湯。寒い季節にはとても温かく気持ちいい。

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 唐破風のある南北の玄関や十字にクロスした独特の屋根の形、貴賓客が使用した「龍の湯」など、江戸期の建築様式を可能な限り再現しています。

【さくら湯】
住所:熊本県山鹿市山鹿1番地1
電話:0968-43-3326
営業時間:6:00〜24:00
休館日:毎月第3水曜日(祝日の場合は翌平日)
入浴料
大人(中学生以上。以下同じ)300円
子ども(3歳以上小学生以下。以下同じ)150円
URL:http://yamaga.site/?page_id=1548

 

湯の旗公園「あし湯」

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 さくら湯の向かい側、豊前街道と国道325号が交差する公園内にある癒やしのスポット「あし湯」。熱すぎずぬる過ぎず、お子さまでも安心して楽しむことができますよ。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 レポート時(12月13日)は公園内の紅葉もとてもきれいでした。

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  ベンチに座ってお弁当を広げ、日光浴しながら紅葉を楽しむ人の姿もありました!

 

金剛乗寺「石門」

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 入り口にあるアーチ状の「石門」が印象的な山鹿で最も古いとされる「金剛乗寺」の『月輪門(かちりんもん)』。「空海」が開いたとされるこの寺は、かつては「西の高野山」と称される真言宗の名刹だそう。国内でも数少ない「めがね橋築造技術」を生かした独特の円形構造が「円=縁」を思わせることから、地元では縁結びのパワースポットとして親しまれているそうです。

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 ちなみに、石門に彫り込まれている梵字(ぼんじ)は、サンスクリット語で、胎蔵界・金剛界の「大日如来」を意味しているそうです。

 

八千代座

 山鹿中心部のシンボルロード「豊前街道」の中でも、メインの観光スポットとなるのが、明治43年に建てられた『八千代座』ではないでしょうか。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 現在も、地元の伝統芸能『山鹿灯籠踊り』の定期公演をはじめ、芝居や音楽のコンサートなどが行われています。

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 芝居小屋に面した通りには、風情あふれる喫茶店やお土産物屋さんが立ち並んでいます。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 明治43年(1910)、旦那衆と呼ばれていた山鹿の実業家たちによって建てられた。国の重要文化財指定の芝居小屋「八千代座」。
 2010年で建設100周年、2011年で開業100周年の歴史を誇る「八千代座」ですが、時代の移り変わりとともに一時は不要とされ荒れはてたそうです。そんな劇場を救うべく、地元の人々がたちあがり30年を超える復興活動を実施し、国の重要文化財指定を受けて実施された「平成の大修理」を経て、平成13年からは650人を収容できる現代の芝居小屋として、地域の顔を取り戻し、あらゆるジャンルの公演を行っています。
 中でも、平成2年から市民の手づくりで行われた「坂東玉三郎舞踊公演」の素晴らしさが人々の心を動かし、復興への追い風となり、さらに「八千代座」の名前を全国に広めることになりました。

 木造2階建ての建物の大きな屋根には約3万3千枚もの瓦が使われており、「平成の大修理」で新しい瓦も使われたそうですが、玄関正面部分の約1千5百枚は、いまでも古い瓦がそのまま使われています。
 館内は枡席、桟敷席の客席や廻り舞台、スッポン、迫りなど江戸時代の歌舞伎劇場の造りを残しており、現在も坂東玉三郎さんをはじめ、多くの役者さん達が舞台を飾っています。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 館内に足をふみいれて、まず最初に目がいくのが、天井びっしりと描きこまれた極彩色の「天井広告画」です。当時財力のあった『旦那衆』と呼ばれる人達の会社や店舗等の広告が建設当時のままに復元されています。
 また1階座席は、木花道と仮花道に囲まれ、舞台の高さより一段低くなっており、木の棒で仕切られた枡席と左右の桟敷席からなっています。ちなみに1・2階ともに、舞台に向かって右側を上手桟敷と呼び、お得意様席となっているそうです。

 

山鹿灯籠踊り

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

「八千代座」の舞台では、平成29年3月まで(※注1)、国指定伝統工芸品「山鹿灯籠」を頭に掲げた女性が、美しい和傘を組み合わせたセットを背景に優雅に踊る「山鹿灯籠踊り」(詳細は上記『山鹿と灯籠と豊前街道』を参照してください)を見る事ができます。
※注1
平成29年3月以降の『山鹿灯籠踊り定期公演』に関しては検討中とのこと。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

『ぬしは山鹿の骨なし灯籠 よへほよへほ 山鹿千軒たらいなし よへほよへほ』(千人灯籠踊り『よへほ節』より)

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 独特な「よへほ」の調べが響き渡る中、優雅な踊りに合わせて美しくゆれる灯籠の柔らかな灯りが、見るものを幻想的な空間へと誘います。

 この印象的な“よへほ”とは、「どうぞ酔いなさい」という意味だそう。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

『山鹿灯籠踊り定期公演』で踊りを披露しているのは「灯籠踊り保存会」の方々。メンバーになれるのは、しきたりにより未婚の女性のみ。メンバーは仕事や家事の合間に厳しい稽古をし、一糸乱れぬ動きや優雅な所作を習得するのだそうです。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

※『山鹿灯籠踊り定期公演』に関する日程は、山鹿温泉観光協会、または八千代座にお問い合わせしてください。

 

見学と記念撮影

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

『山鹿灯籠踊り定期公演』とあわせ、案内人による「八千代座見学」もありました。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 建物の説明はもとより、灯籠踊りや歌舞伎の豆知識、さらに、普段は見ることのできない、「奈落」(ならく)と呼ばれる舞台や花道の床下部分なども見学(上画像)させてもらいました。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 左が「奈落廻り舞台迫り」と呼ばれる、歌舞伎などで場面転換を早めるために効果的に使われる舞台装置で、廻り舞台を支えるレールと車輪はドイツのクルップ社製のものだそうです。
 そして右が「スッポン」と呼ばれる、花道部分に舞台から3対7の位置にある「みこし状の台」で、上下に動き、芝居では忍者や妖怪がこの「スッポン」から登場します。このスッポンは、1人だけの力で持ち上げるのだそう!ちなみに、同じ仕掛けとして「せり」と呼ばれる舞台装置もあります。

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 公演後は記念撮影をする時間もとってくれますよ!

八千代座

住所:熊本県山鹿市山鹿1499
電話:0968-44-4004
営業時間:9:00〜18:00
定休日:第2水曜日・年末年始
駐車場:あり
入館料:大人520円 小・中学生260円
※八千代座公演日等見学できない場合もございます。
URL:http://www.yachiyoza.com/

 

山鹿灯籠民芸館

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

「八千代座」から目と鼻の先にある「山鹿灯籠民芸館」。「八千代座」とは対照的なモダンで重厚なロマネスク風の外観が印象的なこの建物は、1925年(大正14年)に「安田銀行山鹿支店」として建てられ、その後1973年(昭和48年)までは「肥後銀行山鹿支店」として使われていたもので、館内は「昔の銀行建築様式を今に伝える貴重な資料」として、平成14年に国の登録有形文化財に指定を受けたそうです。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 施設内には、木や金具を使わず、和紙と少量の糊だけで作られる工芸品「山鹿灯籠」(国の伝統工芸品に指定)の作品が多数展示されており、また隣接した別館では、実際に「山鹿灯籠踊り」で使われる灯籠をかぶる体験や、「灯籠師」による制作の実演を間近で見ることができます。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

「山鹿灯籠」の歴史は古く、室町時代の金灯籠に始まり、「大宮神社」(詳細は下記)への奉納のために作られ受け継がれてきました。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 美しい曲線のハーモニーが織りなす「和紙と糊」だけで作られる「山鹿灯籠」。上画像のように金色に塗られた完成品を見ると、その重厚感から、ある程度の重さがあるような認識を抱いてしまいますが、実際に持ってみると、まったく重さを感じさせないその軽さにあらためて紙製であることを実感させられます。この軽さなら女性でも頭の上に乗せて踊れそうです。

「えっ!これが灯籠?」

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

「えっ?これが灯籠?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、こちら(上画像)の作品こそ「山鹿灯籠」の真骨頂たる作品なんです。もちろん灯りを灯すと光り輝く仕掛けがしてあります。
 一般的に「灯籠」というと、石灯籠や釣燈籠などの装飾用の灯火用具のイメージがありますが、高い技術力によってつくられる「山鹿灯籠」は、室町時代からの長い歴史の中で、時代と共にどんどん進化・多様化し、次第に上画像のような、神殿造り・座敷造り・城造りなどといった芸術作品へと発展していったそうです。立体的構造の作品の中身はすべて空洞になるように考え抜かれた部品と技法で作られています。
 そんなことから「紙工芸の極致」ともいわれ、毎年、「灯籠祭り」の後に、発祥の地である「大宮神社」(下記参照)に奉納される作品の数々は、落札者が抽選で決められ、落札者は作品をガラスケースに納め大切に保管するのだそうです。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

▲江戸時代に描かれた「双龍の絵」です。現在「さくら湯」がある場所は、江戸時代には「山鹿御茶屋」という肥後細川藩の休泊所があり、お殿様専用の御前湯の天井に描かれていたのがこの絵だそうです。二体の龍の姿にあやかって、結婚式の写真撮影の場としても人気なのだそう。

▲毎年「山鹿灯籠まつり」のポスターを手がける、熊本県出身のグラフィックデザイナーで美人画家の鶴田一郎氏より寄贈された原画の展示風景。

 

別館

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 別館では、燈籠師の作業風景(上画像)を間近で見ることができます。実際にパーツを手にとったり、「山鹿灯籠踊り」で使われる灯籠や浴衣を着て記念撮影(下画像)をすることもできます。

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山鹿灯籠民芸館

住所:熊本県山鹿市山鹿1606-2
電話:0968-43-1152
営業時間:9:00〜18:00
定休日:12月29日〜1月1日
入場料:一般210円 小・中学生100円
※団体割引有り、八千代座との共通券有り
URL:http://yamaga.site/?page_id=1550

 

大宮神社

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

「山鹿灯籠民芸館」を後にし、徒歩でぶらぶらと約15分「山鹿灯籠」が奉納される「大宮神社」へ。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

◆大宮神社について公式サイトより抜粋)
 第十二代景行天皇(けいこうてんのう)をおまつりする大宮神社は、熊本県北部の温泉地である山鹿に鎮座し、この町の産土大神(うぶすなおおかみ)として古来より篤い信仰が寄せられてきました。

 8月に行われる例祭は山鹿燈籠祭(やまがとうろうさい)と呼ばれ、室町時代より六百年続く伝統神事「上がり燈籠(あがりとうろう)」をはじめ、たいまつ行列、燈籠踊り、花火大会など様々な神事、行事が行われ、毎年多くの観光客の皆様にお越しいただいております。
 境内には、燈籠祭「上がり燈籠」で奉納された山鹿燈籠を一同に保存展示する燈籠殿をはじめ、その数が九州一の猿田彦大神石碑群、無病息災の鳥居くぐりなど多くの見所もございます。

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◆山鹿燈籠の起源(公式サイトより抜粋)
 第十二代景行天皇が菊池川を下流よりさかのぼられ、山鹿の火の口(現在の地名は宗方)に着岸されました。その折、一面に濃霧が立ちこめ進路を阻んだので、里人がたいまつをかかげて御一行をお迎えし、杉山(現在の社地)へお導きしました。
 天皇はここに行宮(仮の御所)を営ませられ、その時の奉迎のたいまつの火が山鹿燈籠の起源と伝えられています。
 その後、行宮跡に天皇を祀り献灯の儀を行っていましたが、鹿郡旧語伝記によれば、約六百年前の室町時代応永年中に「菊池氏は祭礼の式法を改め、いろいろの燈籠を張り民に捧げさする」とあります。
 また約三百年前の江戸期宝永正徳年中には「燈籠の細工いや増しに宜しくなり、その名四方に高し」との記録もあります。しだいに燈籠の種類も多くなり、現在のような精巧なものが作られるようになりました。

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◆上がり燈籠・まつりの起源(公式サイトより抜粋)
 室町時代応永年中からはじまる六百年の伝統を受け継ぎ、祭りの起源を今に伝える神事です。
 燈籠師(燈籠制作者)の卓越した技術と精魂を込めて制作された奉納燈籠は、8月15日奉納団体の奉納台に美しく飾られます。
 16日深夜、奉納燈籠は町衆の「ハーイとうろう、ハーイとうろう」のかけ声も勇ましく次々と大宮神社に担ぎ込まれます。
 一番燈籠は三味線に先導された上市町。午後10時を期して楼門をくぐります。
 御神前で献灯の儀を行い、無事奉納された山鹿燈籠は本殿裏手の神苑に並べられます。神社の杜で明かりに灯されて浮かび上がる山鹿燈籠。まさに幽玄の世界です。また奉納団体の人々は同じ神苑で直会(祝宴)を開きます。
 午前零時、「下がり燈籠」と称し、奉納燈籠は全て神社境内の燈籠殿に納められ、その年の祭りも終演を迎えます。
 燈籠祭というと燈籠踊りをイメージされる方も多いと思いますが、この上がり燈籠を見ずして燈籠祭は語れません。深夜の神事ではありますが、お祭りにいらした折は是非拝観下さい。

 

燈籠殿

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

◆燈籠殿(公式サイトより抜粋)
 
燈籠殿は、本宮例祭(8月16日 山鹿燈籠祭)の深夜、まつりの起源を今に伝える神事「上がり灯籠」において奉納された全ての山鹿燈籠を展示しており、併せて御神宝「三十六歌仙絵馬額」写真パネルがご覧いただけます。
 展示中の山鹿燈籠は、毎年まつりの度に全て新しく入れ替わり、前年に奉納された燈籠は、予約制(先着順)で払い下げを行うほか、燈籠祭当日には、おみくじの当たりくじを引いた方に差し上げています。

◆山鹿灯籠の特徴
詳細はこちらの「大宮神社公式サイト・山鹿灯籠」をご覧ください。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 毎年8月15日・16日に行われる「山鹿灯籠まつり」で奉納される「山鹿灯籠」を全て見ることができる「大宮神社・燈籠殿」。現在飾られているのは今年のまつりで奉納されたもの。厳重にガラスケースに納められた作品には灯りが灯され陳列されています。ちなみに前の年に奉納された燈籠は、払い下げという形で、ご希望の方に申し込みの先着順でお譲りしているそうです。また、燈籠の払い下げとは別に、燈籠殿を拝観された方に対して申込書を設け、申し込みをされた方から抽選で当たった方には金灯籠を無料で差し上げるという嬉しい配慮もあります。
 さらには、8/15・16のお祭りの当日には「灯籠おみくじ」が設けられ、中には「当たり」みくじがあり、前年の燈籠が当たるという趣向が凝らされた珍しいおみくじも登場します。

 大宮神社から発祥した灯籠の文化は地域の象徴として深く浸透し、観光に訪れた方々の憧れの存在となっている様でした。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

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『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

大宮神社

住所:熊本県山鹿市山鹿196
電話:0968-44-1257
URL:http://www.geocities.jp/oomiya_j/

 

METRO CAFE(メトロカフェ〉

住所:熊本県山鹿市山鹿1392(旧酒蔵天聽母屋内)
電話:0968-43-0874
営業時間:【月・木・日】11:30〜18:00/【金・土】11:30〜22:00
      ランチタイム11:30〜14:00
定休日:火・水

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 豊前街道無料駐車場すぐ横の通りに位置する『METRO CAFE』。旧天聽(てんちょう)の蔵という酒蔵を利用し、17年ほど前から文庫活動や絵本の読み聞かせ、子ども向けのワークショップなどの活動を行っており、4年ほど前に母屋を改装してカフェを併設させたのだそう。

天聽(てんちょう)の蔵の「母屋」を改装したレトロモダンな店内

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 店内に入ると、想像以上の広さに驚きました。天井までそびえる本棚のなかに納められた膨大な数の書籍、カラフルなテーブルセット、長いカウンターに並べられた種類豊富なボトル、壁沿いに展示されたアンティーク雑貨等が広々とした店内を彩っています。

本『からすの文庫』

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 店主の原点である文庫活動の場『からすの文庫』では、小さなお子さま向けの絵本から、大人向けの書籍まで数多の本が並んでいます。コーヒーを片手に本を読みながらリラックスする方や、親子で絵本を楽しむ方など、たくさんの人々の憩いの場となっています。この文庫での読み聞かせや本の貸出も行われていますよ。

 

旧酒蔵での活動

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 カフェの後ろには中庭を挟んで5つの蔵があり、その中でも仕込みに使われていた大蔵では、子ども向けのワークショップやマーケットなどが行われるフリースペースとなっています。

 

雑貨

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 山鹿在住のアーティスト達の作品が展示・販売されています。中でも目を引かれたのが『山鹿シルク』(上画像)。山鹿で育った蚕から丁寧に造られた天然シルクで、現在はこのシルクをより多く生産できるように整備が進められているのだそうです。山鹿シルクが、日本だけでなく世界を魅了する日が近いかもしれませんね!

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 絵本作家保有のアンティーク雑貨の展示、地元の器、原画販売コーナー。絵本や書籍がまとう空気感と相まって独特な空間を創り出していました。

 

オススメランチメニュー

 

【ロコモコ】1,000円(飲み物・デザートセット)

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

  地元で採れた新鮮な野菜を豊富に使用したヘルシーなロコモコ。飼料にこだわった濃厚な卵がとろけ、いっそう味に深みが増します。バーグの中にも野菜がたっぷり含まれており、刻みレンコンの食感がアクセントになっています。

 

【ビーフカレー】1,000円(サラダ・飲み物・デザートセット)

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 熊本県産の牛すじと地元産の野菜が溶け込んだ贅沢なカレー。食材がルウに溶け込んでしまうほど長時間かけて仕上げられています。ほんのりとした甘さのなかにピリッとしたスパイスが効いています。ご飯はロコモコ・カレーともに発芽玄米を使用。散策で疲れた体を芯から元気にしてくれるメニューばかりです。

 ちなみに、カレーに添えられたきゅうりは、江戸時代から続く地元の米麹専門店『木屋本店』の塩麹で軽くしめたもの。口の中に麹の香りときゅうりの甘みがふんわりと漂う、初めての味わいでした。

 

【有機コーヒー】400円

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 カフェのメニューは「オーガニック」や「体に優しい」がテーマになっており、ドリンクやデザートの素材も厳選されています。ちなみに、コーヒーのカップ&ソーサーはアメリカのアンティーク食器なのだそうです。

 

オーナーのこだわり

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 17年ほど前からこの母屋で文庫活動を行っている店主・大坪恵理子さん。地元の絵本の読み聞かせメンバーとして本の素晴らしさを伝えたり、地域と連携して地道に集めた本で文庫を開いたりと、本を通して人の心を豊かに育てる活動を続けていらっしゃいます。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 「本だけでなく、古き良き時代の空間やモノに触れることで、より多くの人を笑顔にできれば」と語る大坪さん。戦前に造られた貴重なピアノを調律して保全し、展示して触れられるようにしたり、店舗裏にある大蔵でアーティスト作品の展示会や、講師を招いてのものづくりワークショップを定期的に開催されています。

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策 メトロカフェ

 

散策をおえて

地元の歴史や文化を残そうと努力する山鹿人の心意気!

『八千代座・山鹿灯籠踊り』見学と周辺散策

 駆け足ではありましたが、1日をかけて様々な山鹿の文化にふれることができました。そんな中、散策で一番印象に残ったのは、『歴史ロマン漂う街』として認知される雰囲気や街並みを残し、維持しようとする地元の人々の努力や活動がしっかりと反映されている事です。
 参勤交代で使われた豊前街道は、温泉を中心に発展した商家も多く、ぶらりと散策するだけで、江戸から大正期はまさに黄金時代だったことをうかがい知ることができます。
 時代の流れとともに多様な方向に進み、姿を変えてしまいつつある街。それを、伝統や文化を伝えられる場所を造り、元湯のさくら湯や八千代座の復活など、目的をもって時間をかけながら軌道修正し、現在に蘇らせようとしてきた山鹿の人々の心意気と強い意志を感じ、今一度自分に置き換え見つめなおすことができた貴重な旅となりました。


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