旬を求めて①~青島・伊勢海老
宮崎県で1位の漁獲量を誇る青島。毎年9月1日の漁解禁、2日の最初の水揚げを経て日向灘沿いの沢山の漁港や食事処は伊勢海老の季節を迎える。
夕方に網を仕掛け、深夜にはその網を揚げ一匹一匹丁寧にエビを取り外す作業が続く。ツノの一本が折れても商品価値が下がるためその作業は慎重かつ迅速に行われる。手間のかかる漁であるが故の伊勢海老の価値を知るには、やはりこういった現場を見るのが一番かもしれない。
2016年伊勢海老漁開始!
今年の伊勢海老漁、始まったばかりであるが全国的にあまり良い話は聞こえていなかった。
伊勢、千葉、鹿児島とほかの産地では苦戦が続き、9月2日に始まった宮崎でも昨年に比べて数も減り厳しい結果になっていた。もちろん台風が接近し状況が悪化する中での短時間の漁であったのが大きな原因だが、元来伊勢海老は“しけむし”といわれるぐらい波があれる方が獲れるとされているため、期待されている人も多かったはず。やはりそこには環境の変化と熱帯化という、地球規模の問題を感じられずにはいられない。
また全国各地ではおせち料理に使用するため小さなサイズの伊勢海老の流通が盛んになっていると聞いた。青島ではサイズに制限があり15㎝以下の小さなサイズの伊勢海老は放流される。資源確保のための取り組みをしっかりとしているのが青島の海である。ただ今年はそういった放流サイズの伊勢海老が少なかったのも気になる点ではあった。春先から伊勢海老の天敵でもあるタコが大量発生していたとも聞いた。来年に向けてタコ釣りから始めなければいけないと漁師さんが話していた。ただ始まったばかりの伊勢海老漁、これからの豊漁に期待がかかる。
青島にはこの時期、初ものの伊勢海老を求めたくさんの人が訪れる直売所がある。
港あおしま・直売センター
住所 〒889-2162 宮崎県宮崎市青島3丁目5番1号
TEL0985-65-1011
FAX0985-65-1012
HP http://www.jf-miyazakishi.jp/
営業時間
【港あおしま】11:00~14:30(オーダーストップ)
【直売センター】10:00~17:00
定休日 月曜(祝日の場合は翌日休)
目の前の漁港で水揚げされたばかりの伊勢海老を販売する直売センター、伊勢海老はやはり鮮度が命で、水揚げされたばかりのものが身の詰まりもよく味も良い。時間が経ったり、高い水温で活性が高くなると少しずつやせていく。そのため暑い季節は水温を下げたりしながら海老の鮮度を保つ。ここは一般の人をはじめ、市内の料理人などが良質のものを求め集まる場所でもある。今年は初値が5900円/kgとなった。それでも首都圏や関西などで考えるとこの価格はやはりかなり安く、伊勢海老を食べるには宮崎は最高の場所かもしれない。伊勢海老という食材は産地で食べるのが一番。そんな伊勢海老好きにおすすめな情報を紹介する。
青島漁港(“いせえび祭り” 第2弾)
日程:平成28年9月24日(土)9時から
場所:青島漁港(宮崎市漁協・本所)
試食:味噌汁(先着500名)、マグロ刺身(先着300名)
9月17日に予定されていた伊勢海老祭りが24日に延期になりました。
今年も開催の青島の伊勢海老祭り、毎年大人気の伊勢海老の味噌汁の振る舞いが行われ、沢山の人が訪れ旬の食材を楽しむ。もちろん伊勢海老の直売もある。
それでは青島獲れの伊勢海老を食べれる港あおしまを紹介。
伊勢海老鬼瓦焼き 2800円
おすすめは2つ割にした200~300gの伊勢海老に塩を振って焼き上げる鬼瓦焼き。水揚げされた水槽からの距離50m、料理長がその日必要な分だけ取り上げ、豪快に焼き上げる。鮮度抜群のプリッとした身に伊勢海老のみそと塩だけの自然のシンプルな味わい。熱々の身を口にするとほのかに甘さと秋の気配を感じることが出来る。
港直営店ならではの伊勢海老の食べ方の提案。
伊勢海老フライ 2000円
尾の部分のみを切り離して身をとり衣をつけてフライに。頭の部分も二つに割ってフライに。贅沢な食べ方。
伊勢海老ボイル 2000円
熱を加えると伊勢海老の甘みが増す。そういった繊細な素材の味を感じれるのがこの食べ方。
伊勢海老活き造り定食 80食限定メニュー 4600円
伊勢海老のお造り 味噌汁 刺身 小鉢 香の物 御飯
(9月20日~9月30日まで)
何といっても定番の刺身が…。年に一度は伊勢海老を…。そんな人におすすめなのが限定のこのメニュー。伊勢海老が満喫できることは間違いなし。
他にも伊勢海老を使ったメニューがあります。
港あおしま定食 伊勢海老の味噌汁付き 1700円
味噌汁は刺身と並ぶ伊勢海老の代表料理。季節を一番感じれるのはこのメニューかも。
海鮮にぎり定食 レタス巻は伊勢海老使用 小鉢 味噌汁付き 1100円
みやざき発祥のレタス巻、贅沢にも伊勢海老を使ってます。一度は食べたいメニューです。
週末はたくさんの人が訪れる人気店となっています。売り切れも考えられますので平日がお勧めかも。
次は毎年伊勢海老の新しい食べ方を提案してくれるANAホリデイインリゾート中国料理 龍王から伊勢海老をメインにした中華のコースを紹介。
中国料理 龍王
住所:宮崎県宮崎市青島1丁目16番1号
ANAホリデイ・イン リゾート宮崎1F
TEL:0985-65-1555
FAX:0985-65-2655
営業時間:昼食 11:30~14:30(LO 14:00)
夕食 18:00~21:30(LO 21:00)
HP:http://www.anahirmiyazaki.com/
※店舗内全席禁煙
※一部料理のテイクアウトも可能です
毎年伊勢海老の季節が来れば楽しみなのが、ANAホリデイ・イン リゾート宮崎のスペシャルメニュー。今年は伊勢海老と渡り蟹のコラボの一品が登場。
伊勢海老コース 6,000円 2日前までの予約制
日向灘獲れ鮮魚の中華風カルパッチョ~柚子胡椒香るソース~
鮮度抜群の刺身にたっぷりの野菜、宮崎名産の柚子胡椒を使ったソースの味付けはピリッとした辛味がポイント。パクチーがアクセントになっていて宮崎の豊かな食材をシンプルに中華に仕上げた前菜メニュー。
牛ハラミ肉のピリ辛四川醤炒め~蒸しパン添え~
ジューシーな牛ハラミを四川醤で味付け、中華らしいほんのり甘さを感じる蒸しパンで挟むと、肉汁と程よい辛味が口の中に広がります。
野菜たっぷり毛鹿鮫(モウカザメ)コラーゲン入り 塩スープ鍋 白飯 又は 炒飯
コラーゲンたっぷりのモウカザメとたっぷりの野菜、素材から染み出た旨みいっぱいの塩スープ、女性におすすめのメニュー。
伊勢海老の健康オイル炒め~葱生姜風味~ 渡り蟹のチリソース煮
メインはこれこそ中華の伊勢海老料理、濃厚な海老味噌をいかした一品、アスパラとネギにもソースがからみご飯やお酒が進む。渡り蟹のチリソース煮とのコラボは宮崎の豊かな海の幸を一つの皿に詰め込んだ贅沢メニュー。伊勢海老にかぶりついて食べる、これも旬の伊勢海老を味わう醍醐味かも。
特製杏仁豆腐 タピオカ入り串間産紫イモのムース
地元宮崎を代表する秋の味覚、串間産紫イモのほのかな甘さをいかしたスイーツ、お店自慢の杏仁豆腐と一緒にコースの〆で。これだけでも食べにいきたい一品。
美味しいものを食べた後には青島を散策してゆっくりと温泉を楽しんで、あおしま満喫するなら宿泊プランもおすすめ。
伊勢海老コース 6,000円
宿泊プラン
2名様 14,000円~(税込)
3名様以上 11,400円~(税込)
今年も美味しい伊勢海老を探して青島をめぐってみましたが、やっぱり美味しいものを食べるには産地をめぐるのが一番、そんなことを再認識させられました。皆さんも美味しい伊勢海老を求めて全国でも有数の伊勢海老の産地日向灘を訪れてみませんか?