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2008年04月15日

music&booze TAM present Vol.29 岩田浩史ライブ [ 自主企画ライブ ]

 突然ですが、プロアマ問わず日本には本当にたくさんのギタリストが存在しています。ギターを今日から始めたという方も、「あの曲のあのフレーズは○○ならではだよなぁ」と言われるまでになった方も、いわばギタリスト同士。しかし、今回のライブレポートで紹介する方ほど、ブルースギターがはまりまくるギタリストはそう多くないと思われます。そのギタリストの名前とは"岩田浩史"さん!昨年6月に延岡で行われたライブでもそのギターを存分に感じさせてくれましたが、今回のライブでもその存在感を十二分に発揮してくれました!

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music&booze TAM present Vol.29
岩田浩史ライブ

日時:2008年3月2日 19:00〜
場所:延岡市北一ヶ岡 music & booze TAM

岩田浩史H.P http://iwataxroom.jp/
music & booze TAM http://www.wainet.ne.jp/~tam/
前回のレポート http://www.pawanavi.com/music2/archives/2007/07/tam.html

 このライブの会場となったのは、延岡の音楽ファンにはもうすっかりおなじみの延岡市北一ヶ岡にありますmusic&booze TAMさん。パワナビでもこれまでコチラで行われた様々なライブをレポートさせて頂いておりますが、ステージと客席が非常に近い事からいわゆる本当の意味での"LIVE"を堪能できます。また普段はBarとして営業されており、美味しいお酒とマスターのTAMさんとの音楽談義を楽しみにお店を訪れる方もたくさんおられます。

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 そして開演時刻。まずはこの日のオープニングアクトを務めますSkunk-NG(Vo,Gt蒼井濁水,Dr前田勇造)の二人がステージに登場。前回の岩田浩史ライブ時にもO.Aを務めたSkunk-NGですが、この日は前回以上に気合の入ったステージを見せてくれました。Blues調でイーグルスやボブディランの名曲をアコースティックギターとしゃがれたボーカルで表現する濁水さん。その上モノをスネアとハイハットでしっかりとサポートする前田さん。二人の奏でるブルースからは、酔いつぶれてグダグダになりながらも、明日を見つめて必死に生きている人の姿を連想します。さらにこの日は熊本から濁水さんの友人でブルースハープ奏者のポケットさんもステージに登場し、その二人の音色にさらに花を添えていました。

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 そしてSkunk-NGがステージを降りた数分後、暗転しているステージへゆっくりとスーツ姿の男性が登場します。ゆっくりと愛用のギターを持ち、一弦一弦丁寧にチューニングを施していきます。それまでざわついていた客席は、その姿を確認するや一気に緊張感が高まりました・・・。会場の視線がまだ暗いステージへ向けられ、まるで客席全員の呼吸が揃ったかに感じた瞬間、ゆっくりとそして切なく、ステージからギターの音色が聞こえ始めました。いよいよ岩田浩史のステージの開始です。。

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 ギターの音色と口笛で奏でるインスト曲から始まったこの日のステージ。ボトルネックを使って奏でるギターからは、月夜の海辺で聞こえる波の音と共に切ない心情が見えてきます。「香港に行った夜、現地のスタンレービールを味わいながら出来た曲です」というMCどおり、そんな景色が思い浮かべられるステキな曲です。ブルースとは、今から約100年ほど前に奴隷としてアメリカへ連れてこられた黒人の労働歌が起源とされています。憂鬱な気分を表現する音楽として、演奏者が自身の憂鬱な気分を吐き出し、排除するために歌ったり演奏するのですが、そんな心情が痛いほどに伝わってきます。

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 かと思いきや、ド直球のブルースだけではないのが岩田さんの真骨頂!「プカプカ」や即興で歌った「昨年末の事故の歌」など、音楽の楽しみ方を限定しないステージを展開されていきます。「昨年末の事故の歌」に至っては、ちゃんとオチが付いてさながら「すべらない弾き語り」と呼んでもおかしくないほどの出来栄え!このオチには会場内から大爆笑が起こっております。そしてこの日オープニングで登場したSkunk-NGのパーカッショニスト前田さんをステージにいきなり引き上げると、打ち合わせ無しでのセッション開始!切なさややるせなさを切に感じ、まるで袋にたまりまくった鬱憤を爆発させるような曲を演奏され、前半戦が終了しました。

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 少しの休憩を挟み、再びステージに上がった岩田さん。休憩中に吸っていた、タバコを加えたまま何気なく弾き始めた姿は、年齢を重ねてきたからこそ出せる味というか雰囲気を醸し出していて、見ていてこんな男になりたいと考えてしまう大人のシブさを見せ付けてくれています。そして後半は、オープニングで登場したSkunk-NGとのセッションを中心に、Bluesのもつ曲の魅力を存分に引き出した演奏を行われていきます。ピンでの演奏もさることながら、バンド形式というかたくさんの楽器で表現するBluesからも、その曲の持つ雰囲気を表現するいろんな要素を感じ、心を揺らすというか揺さぶられずにはいられない、すばらしいものを客席に投げかけていきます。

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 気付けばあっという間に後半が終了!一旦はステージを降りる岩田さんですが、それまでのステージパフォーマンスに呼応するかのように、すぐに客席からのアンコールを受け、2〜3分のうちにステージに戻らざるを得ない状況に!

アンコール中はTAM LIVE初となる客席総立ち状態での演奏!客席からも相当なエネルギーがステージに放出され、そしてそれに応えるようにステージ上からも、この日のステージが素晴らしいものであった事を決定付けるこの日一番のパフォーマンスを見せつけ、無事にライブ終了の運びとなりました!!

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 毎回白熱したステージが繰り広げられるmusic&booze TAMのライブですが、この日はこれまででも1〜2を争うようなステージだったとオーナーの田村さんも感じたように、本当に奇跡のライブと呼ぶにふさわしい、すばらしいという一言では言い尽くせないライブとなりました。この日この店内にいる全員が奇跡のライブを体感し、ライブ終了後もテンション揚がりまくりの状態!もちろん恒例の記念撮影もライブ参加者全員での撮影となりました(笑)この様なライブを数多く企画しているmusic&booze TAMですが、今後も様々なアーティストのライブを行う予定となっています。目と鼻の先で繰り広げられる、圧倒的なパフォーマンスを持ったアーティストの細かい表情や仕草、また呼吸音まで肌で感じる事の出来るTAMでのライブは、音楽好きな方ならぜひ一度体感してほしいライブです!

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投稿者 blogpawanavi : 23:37 | コメント (0)

2008年04月03日

深角駅(日之影町)・桜祭り『各駅停車・桜コンサート』 [ イベントライブ ]

 季節は春!県内各地で色とりどりの花が咲き乱れています。梅の花、桃の花、こぶしの花、そしてようやく桜の花も満開となりました!お花見シーズン真っ盛りです♪3月29日(土)高千穂鉄道『深角駅』でも、「深角駅・桜祭り『各駅停車・桜コンサート♪』」が催されましたので僕も取材も兼ねて楽しんできました。今回のイベントは、毎年恒例になっている『深角桜祭り』+井上ファミリーバンドが全駅で催している『高千穂鉄道各駅停車コンサート』という夢のコラボ。当日は、晴天から花曇りというとても過ごしやすい天候で、桜は5分咲き、笑顔は満開!とても良い日でした!それでは、レポートをご覧下さい。
(レポート:藤木テツロー)

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◆会場風景

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 高千穂あまてらす鉄道且ミ長の高山文彦さんが執筆した『ミラコロ』と、高千穂鉄道のDVDも発売されていました↓
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 甲斐昌代さん・・・桜と琴でとっても風流です。焼酎も呑んで贅沢な気分になります↓
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 平井邦幸さん、佐藤美樹さん・・・岩手県から高千穂へ引っ越してきた平井さん。高千穂あまてらす鉄道鰍ノ入社した佐藤さん。ギターと三味線。歌のハーモニーもとても良かったです。新鮮な気持ちになります↓
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 みんな焼酎と音楽でどんどん調子がでてきます。飛び入りのおじさんは、名調子で『バナナ売り』をしました。井上ファミリーバンドの『深角さくら音頭』にあわせておばあちゃん達が踊り始めます↓
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井上ファミリーバンド(井上清春さん、石田利一さん)↓
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 春になると深角駅周辺がピンク色に染まるでしょう。大きく育てよと若い苗木に語りかけながら植樹しました↓
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◆みなさんの感想

平井邦幸(左) (高千穂町在住)
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 初めて外で歌ったんですけど、山が目の前にあって響きとかが自然な感じでとても良かったです。村の人もとても優しくて、とても温かいコンサートでした。深角駅に来たのは初めてです。桜も咲いていいですね。子どもからお年寄りが集まれる場があって、楽しんで、まさにこれが祭ですね!

佐藤令子さん (日之影町在住)
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 凄く良かった!天気も良くて、去年よりも人も多かったようにあります。これを契機にまた、鉄道が復活するようにしてもらいたいですね。

山本栄治さん (深角駅長)
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 桜祭りはこれで、5回目かな。また、来年も盛大にやりますので!みんなの交流と鉄道の復活。頑張りましょうみんなで!20年ぐらい前からソメイヨシノを中心に植え始め、今までに50本ぐらい植えたと思います。今年も20本ぐらい。山桜も植えました。これから上の田んぼでは、ポピーやカーネーション、カスミ草など十数種類の花がだんだんと花盛りになります。これで、列車が通っていればいうことはないんですが…、自然の中で子連れ、孫連れで楽しんでもらえればいいですね。

井上清春さん(左) 〜井上ファミリーバンド
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 各駅停車コンサートをやろうと思ったきっかけはですね、バンド仲間の石田君が、「井上さん、各駅でやってみましょうや」っていう話を前々からしてたんですよね、でも、各駅は大変なんじゃないかな〜と思っていました。そんなときに、宮崎日日新聞の記者が、各駅ごとの住民の話を一つひとつとりあげている記事を見て、なるほどこういう風に地道にやっていけばいいんだ。いっぺんにやらずに、こつこつ一つずつやっていけばいんだと考えるようになりました。駅にまつわるエピソードとか、駅を中心に生活している住民の声をとりあげるのは素晴らしいことだと思います。新聞は文字なんですけど、僕たちは音楽で、各駅で、その周辺の住民を楽しませたり、一緒に楽しめる場がつくれればいいなと思いました。これまでに、川水流駅、日之影温泉駅で開きました。深角駅が3駅目なんですけど、もう一つ宮崎市で僕たちの活動を応援してくれている『オードリーハウス』という喫茶店があって、そこを高千穂線から繋がっている駅だと思ってやらせていただきました。僕も北方町出身で、高校生の頃はずっと汽車通学をしていました。駅があったこととか、今駅があることをみんな少しずつ自分の記憶からなくしてしまっていると思うんですよ。だから、そういった自分がお世話になった駅を「みなさんもう一度見直して、駅にきてみませんか?」という気持ちをこめて各駅停車コンサートをやっています。駅というのは仕事とか学校とか、自分たちがそこから色々な場所にスタートしていく、自分たちのホームなんですよね。そして、みんなが集まる場所なんです。そういった自分たちが集まるホームを忘れないように…。僕たちがどんな小さな駅でも、大きな駅でも、地道に2,3年かけて各駅停車コンサートを全駅でやっていくことによって、ひょっとしたら状況が変わって、だんだんと運動も盛り上がってくるかもしれないし、ぜひ、高千穂から延岡まで高千穂線を残してほしいという気持ちでやっています。

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◆テツロー感想

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 深角駅に桜が植えられてから20数年が経ち、今ではとても立派に育っています。こうやって楽しく花見ができるのも、みんなから「深角駅長」と"あだ名"で呼ばれる山本栄治さんや地元の人たちが手入れをしてきてくれたお陰です。山本さんたちは列車が走っていたときにも、カーネーションをお客さんにプレゼントしたりして大変喜ばれていたそうです。

 井上ファミリーバンドの井上さんや石田さんも誰に頼まれたわけでもなく高千穂鉄道全駅で『各駅停車コンサート』を開いていいます。とても頭が下がる思いです。思いをもって地道に活動をしている人たちの姿を見るとほっとします。桜も元気に咲いてとても気持ちが良いです。子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまでみんなを笑顔にするって凄いことだな〜と思いました。

 高千穂鉄道は廃線の憂き目にあっていますが、深角駅長や、井上さんのように思いがある人がいれば、また新しいものが生まれてくるような気がします。今回、植樹した桜も立派に育ってくれればいいな〜と思います。のどかな春の宴。来年もみんな健康で深角駅の桜の木の下で花見をしようと誓いあいました。 

投稿者 blogpawanavi : 21:51 | コメント (3)

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