かどぱん・たけた駅前ホステルcue(キュー)

竹田を愛する地元人と、この地に魅了された移住者たちが集い、
古民家再生の新たなプロジェクトを立ち上げて生まれた、食・土産・宿の複合施設。
ここでしか体感できない食や商品で竹田市に新たな息吹をもたらす。

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プロローグ 人が出会い、人があつまり、満たされる場を目指す

大分県竹田市の中心市街地、JR豊後竹田駅から100メートルのところに、ベーカリーカフェ『かどぱん』(移転リニューアル)と、ゲストハウス『たけた駅前ホステルcue』が一体となった、古民家をリノベーションしたユニークな施設が、今年の4月新たにオープンしました。

一見すると、竹田の城下町の風情にぴったりはまる老舗店舗といった感じですが、実は「ベーカリー」と「ゲストハウス」という、ジャンルも経営も異なる店舗同士が、設備やスペースを共同で利用しあい運営しているハイブリッド古民家で、キッチンやカフェスペースを共有するだけでなく、壁をつくらずあえてガラス越しにお互いの様子を見せ合ったり、夜は『たけた駅前ホステルcue』の堀場さん夫妻が『かどぱん』のカフェスペースでBARをオープンするなど、一般的なベーカリーやゲストハウスでは感じることのできない独自の空間が一軒の古民家で展開されているという、とてもユニークな施設なのです。
時に、旅の疲れを癒やしにやってきた宿泊客と、ふらっとパンを買いに立ち寄った地元人が同じテーブルを囲み打ちとけるような嬉しいハプニングがあったり、目的の異なる人と人が、この空間にいるだけでいつの間にか繋がってしまうような、そんな雰囲気が大きな魅力かもしれません。

▲モザイク柄の壁がオシャレな『かどぱん』のカフェスペース。壁・床・インテリア・テーブルセット等の全てを自分たちや友人の協力を経て手作業で作り上げている。

▲『かどぱん』と『たけた駅前ホステルcue』の共同スペース。昼はかどぱんのランチをここで食べることも可能で、夕方から夜にかけては、ホステルの宿泊者の談話室になる。

ちなみにこの施設は、大分県は緒方町にある『キッチンウスダ・やまカフェ』のオーナーであり、そのフラッグショップとなる『かどぱん』の代表・臼田朗氏と、施設からは目と鼻の先にあるOsteria e Bar RecaD(オステリア エ バール リカド)』の代表・桑島孝彦氏、そして地域おこし協力隊で移住した堀場貴雄・さくら夫妻が立ち上げた、地域に新風を吹き込む企画『イミルバ』プロジェクトによる、「地方の未来のあり方を提案する場」「人々が交流して活気があふれる場」をつくるために、クラウドファンディングを利用し、関係者が一丸となり手づくりで古民家を再生させた施設で、その活動は地元をはじめ、各方面からも注目をされています。

 

かどぱん・かどぱんカフェ 駅前に移転リニューアルオープン

これまでのアーティスティックでシンプルなデザインから、古材や手仕事から醸し出される柔らかな雰囲気に転身。田舎カフェの先駆け『キッチンウスダ』のソウルはそのままに、ノスタルジックな城下町にマッチした限定品も新たに登場。

住所:大分県竹田市竹田町560番地1
電話:0974-62-3714
営業時間:11:00〜17:00
定休日:月・火
URL:http://www.kitchen-usuda.com/

『かどぱん』は、豊後大野市緒方町にある『キッチンウスダ やまカフェ』の2号店として、2013年に竹田市内にオープンし、今年2017年3月末に『イミルバ』プロジェクトによってJR豊後竹田駅前の中心市街地に移転リニューアルしました。

かどぱん・CUE 大分県竹田市

本店である『キッチンウスダ やまカフェ』は、東京から移住し、中九州エリアにおける「田舎カフェ」の先駆者的存在である臼田さんご夫妻が営むベーカリー&カフェの店舗で、(キッチンウスダの過去レポートはこちら)、「この土地だからこそ生まれる体に安全な美味しいパン」をコンセプトに、九州を中心とした国産小麦・自然塩・自家製の天然酵母・きび砂糖・湧き水・オーガニック食品などの厳選された素材で丁寧につくられています。
そして「かどぱん」にも、毎朝、『キッチンウスダ やまカフェ』で焼きあがったばかりのパンが届けられ、小麦の香りがふわりと店内に漂います。

前店舗は、本店の『キッチンウスダ』と対照的なデザインを意識され、シンプルなインテリアが織りなす現代的なアート空間でしたが、新店舗は、古民家が持つ歴史や、古材や手仕事が生み出す暖かな空気がただようノスタルジックなデザインになっています。
もちろん店舗のリノベーションは、オーナーの臼田さんをはじめ、スタッフによる手づくりです。

使い込んでいく過程で積み重ねられた変化を、将来的にデザインの一部として楽しみたいとの考えから、テーブル板にはあえてオイルを塗り込まず、木々がもつ自然の姿をそのまま利用しているのだそう。

▲ネパールの漉き紙を壁紙に使用。草木の繊維が残ったレトロな風合いが店内の雰囲気にピッタリ。

▲『キッチンウスダ やまカフェ』代表の臼田朗さん。

かどぱん・CUE 大分県竹田市

古民家の屋根を剥ぐと立派な梁が姿を表し、その堂々たる風格をデザインとして残されたとのこと。当時の建築の際に記された文字も見られます。古材を使用したモザイク柄の壁は、一つ一つ手作業で組み上げたのだそうです。

 

商品紹介 九州素材でできた『キッチンウスダ』のパンと、『かどぱん』限定商品

臼田さんが東京の銘店でブーランジェ(パン職人)をしていた頃の経験を活かし、九州の自然が育んだオーガニック素材や自家製天然酵母を用いながらヨーロッパ製法でつくられる本格的なパンは、『キッチンウスダ』『かどぱん』の最大の魅力です。また、つぶあんやカスタード等のフィリングも全て手間ひまかけて手作りされています。
『かどぱん』では、キッチンウスダの基本シリーズだけでなく、竹田の街並みにマッチするような昔懐かしいお惣菜パンや菓子パン、前店舗でメインに提供されていた極上パンペルデュ、近隣ショップやオフィスに勤める方々の軽食や昼食になるようなサンドイッチ等を限定販売しています。

※キッチンウスダの基本のパンは以前のレポートをご参考下さい

パン・オ・ショコラ 260円

見た目にも分かるように、丁寧に極限まで薄く仕上げたクロワッサン生地に、フランスの最高級ブランドといわれる『ヴァローナ』のチョコレートを使用した贅沢なスイーツ系パン。

豆乳スコーン 180円

バターや牛乳を使用しない、全粒粉で仕上げたヘルシースコーン。乳製品アレルギーを持つ方でも安心して食べられるとあって、『キッチンウスダ』でも大人気商品のひとつ。

自家製焼きそばパン 200円 ホットドッグ 300円

九州産の小麦を使用したパンと焼きそば麺で、素朴な味に仕上げた身体にやさしい焼きそばパンと、昔なつかしいホットドッグ。かどぱん限定。

あんばた 200円

自家製のつぶあんと上質なバターの絶品コラボレーション。パリパリのフランスパンとの相性も抜群。

チョココルネ 180円

フランスの最高級チョコレートを使用したオリジナルのチョコクリームを、ふんわり生地で包んだハイクオリティなコルネ。子どものおやつだけでなく、大人のお茶会のおみやげとしてもオススメ。

▲豊後大野市に拠点をおき、地元で採れる旬の野菜や厳選素材を使用して手づくりする『Tao Organic Kitchen』の商品。
左から『塩麹のバーニャカウダ(900円)』・『薬膳ラー油(800円)』・『大豆のフムス(800円)』

キッチンウスダやかどぱんで使用するオーガニック素材も店頭で販売されています。

 

カフェメニュー紹介 自然の恵みで体を細胞から元気に

ランチプレート 900円(月替り・ドリンクセット)

■ランチタイム:11:00〜14:00

・たけのことアスパラのグラタン
・スナップエンドウと新玉ねぎのマリネ
・春キャベツのスープ
・サラダ 自家製豆乳マヨネーズ
・パンの盛り合わせ

※仕入れ等で内容が異なります。

『かどぱん』の魅力を体感するには、ランチプレートがおすすめです。
この日のランチのメインは、オリジナルのホワイトソースで仕上げた竹の子グラタン。朝どれの新鮮な竹の子がたっぷり使用されており、とろけるソースのなかで、シャキッとした食感のリズムが響きます。

サラダには自家製豆乳マヨネーズがトッピングされており、後味がさっぱりとしています。マヨネーズが苦手な方や卵アレルギーの方にもうれしい配慮です。

ランチには、カゴいっぱいに盛り合わせたおすすめのパンがセットされています。たくさんの種類を一度に楽しむことが出来ます。

 

ベジタブルカレー 800円(ナン・サラダ・ドリンクセット)

旬の野菜をペースト状にしてスパイスだけで仕上げたほんのり甘みのあるカレー。大判のナンがセットされており、かなりボリュームがあります。

たくさんの野菜が溶け込んだ贅沢なカレーは、ナンの食感や甘みや香りとの相乗効果で、また違った奥深い味わいを楽しむことが出来ます。

 

インタビュー キッチンウスダ・かどぱん代表:臼田 朗さん

竹田市のノスタルジックな下町の雰囲気に惹かれ、地元の人も魅力を再認識したり、移住者が増えたり、多様な人が集まるようになってきた。人が集まることで、何かの隠れた扉が開くきっかけとなる。そんな何かをおこせるような場所でありたい。

Q:以前の店舗から移転をきめたきっかけは?

「かねてから、友人たちとは『竹田市ならではの下町の雰囲気をもっとたくさんの人に知ってもらえるように、中心市街地には気軽に立ち寄れるカフェや宿泊施設が必要だ』と語ることが多かったのですが、そんな中で地域の魅力を独創的な企画で発信するOsteria e Bar RecaD(オステリア エ バール リカド)』の代表・桑島孝彦くんから声をかけてもらい、『イミルバ』というプロジェクトが立ち上がりました」

※イミルバについてはこちらをごらんください。

「JR豊後竹田駅からすぐの好立地に、お土産品店やカフェが少ない事が残念に思っていましたし、空き家があるのはとてももったいないことです。駅前に、お土産・食・宿があれば、もっと竹田市の魅力を発信し、人が出会い、あつまる場所となります。『パン屋さんとして何が出来るか?』を考えたとき、ここに移転すべきだろうと思いました」

Q:以前の『かどぱん』との大きな違いは?

「以前の店舗は中心市街地から少し離れた場所にあり、キッチンウスダとの雰囲気をガラリと変えて、引き算をしたようなシンプルなデザインでした。基本のパンは同じですが、メインは極上のパンペルデュに設定していました。しかし、駅前となると、周りにはショップやオフィスも多く、人の動きも違います。下町の雰囲気にマッチしたデザインにし、ランチや軽食で利用しやすいようなサンドイッチなど、お客様のニーズに合ったかどぱんだけの商品も増やしました」

Q:これからの新しい試みがあれば教えてください。

「夜は、ホステルの堀場さん夫妻が、かどぱんのスペースでBARを開けられますが、月に一度くらいのペースで、かどぱんの代表がカウンターに立ち、違った雰囲気をつくってもいいかなと、計画しています。また、竹田の自然がもっと感じられるように、野菜をふんだんに使用したパンのメニューも増やしていきたいですね」

お忙しい中、ありがとうございました。

 

たけた駅前ホステル cue(キュー)

古民家の形をそのまま残してリノベーション。まるで我が家に帰ってきたかのような、どこか懐かしい雰囲気のホステル。出会いのきっかけ、旅のきっかけ、竹田ファンになるきっかけなど、たくさんの『きっかけ=cue(キュー)』となる宿。

住所:大分県竹田市竹田町560番地1
電話:0974-63-0179
チェックイン:16:00〜21:30 アウト10:00
URL:http://solairodays.com/

かどぱん・CUE 大分県竹田市

築70年の大きな古民家ならではの広い廊下や中庭、広間などの古き良き面影を残しながら自分たちの手でリノベーション。補強・断熱性・利便性を兼ね備えた、最新型のゲストハウスとして2017年4月末にオープンしました。1階の広間は『ラウンジ・談話室』として旅人の交流の場となり、二階には、個人のプライバシーへの配慮がなされたカプセル型のドミトリーや個室が完備され、最大15名の宿泊が可能となっています。

ドミトリーは男女混合6名用と、女性専用4名用が完備されており、それぞれの寝室はカーテンで仕切られるようになっています。ちなみに、こちらは女将の堀場さくらさんが手造りした「竹田染布」なのだそう!自然そのものの柔らかい風合いが古民家の雰囲気にマッチしています。

かどぱん・CUE 大分県竹田市

キッチン・洗面・バスルームは共同使用になっています。

かどぱん・CUE 大分県竹田市

寝室には、読書ライトやコンセント、FreeWi-Fiも完備されています。

こちらは、二階の女性専用ドミトリーです。荷物が多くなりがちな女性のために、1つのスペースを大きく設けており、大きな三面鏡も設置されています。

2名用個室 1部屋9500円〜。同じくコンセントや読書灯、Wi-Fiも使用できます。その他、ダブルルームもあります。全ての客室・共同スペースはリノベーションされているので、便利で快適に過ごすことが出来ます。

 

インタビュー 女将・堀場さくらさん

小学校教師から転身し、夫婦で地域おこし協力隊として竹田市に移住。竹田市の最大の魅力である『地元人』と『訪れた人』とが交流し、竹田ファンを増やせるきっかけとなるようなホステルを目指したい。

かどぱん・CUE 大分県竹田市かどぱん・CUE 大分県竹田市

Q:まずは、竹田市に移住したいきさつを教えてください。

「移住をする前は、地元である福岡で小学校の教師をしており、結婚を機に関東に拠点を移しておりました。旅好きで、教師をしていた頃から国内・海外、様々な場所に行き、地元の人や旅人と交流できるホステルを選んで宿泊していました。何度もそのような機会を重ねるうちに、『自分の世界観を広げてみたい』と考えるようになりました。そこで、以前から思い描いていた田舎暮らしをしようと決め、『地域おこし協力隊』という制度を知ったことから、故郷である九州に視点をむけ、自然が豊かな竹田市に希望したところ、採用されて2014年8月に移住することになりました」

Q:移住してみての感想は?

「とても楽しいです。大自然に囲まれた環境で田畑を耕した自給自足の生活や、歴史や伝統文化に触れる機会も多く、日常的に学びが多い地域だと思います。小さい頃からこの町で育った地元人が多く、街全体がまるで学校のようです。校舎がならび、大きな廊下でつながり、先輩や後輩たちが当たり前のように笑顔で挨拶を交わす。人と人との交流が日常的に行われ、そこで教えたり、教わったり。移住当時は、私の教師経験が少しでも活かせられるかもしれないと思っていましたが、まだまだ教わることが多いです」

Q:ゲストハウス開業はいつから計画されていましたか。

「地域おこし協力隊は、任期が決まっていましたが、任期とは関係なく、地域をもり立てるために自分ができることは今後も続けていきたいと思っていました。そして、自分の世界観を広げる場所となったゲストハウスを開業したいと考えるようになりました。ゲストハウスは宿としての機能だけでなく、旅人同士の交流の場もあります。談話室やリビングで旅や自分のことについて語り合ったり、地元の人とのつながりをもったり、いろんなきっかけを生み出せる場所です。ちなみに、あるゲストハウスが、主人との出会いのきっかけでした。私のように、その宿に泊まるだけでたくさんの未来が広がるような場所をつくりたいと思いました。地域おこし協力隊で桑島さんとの出会いがあり、桑島さん本人のUターンのきっかけとなった『竹田市にゲストハウスをつくりたい』という強い思いとマッチしたことから、『イミルバ』プロジェクトが立ち上がり、現在に至ります」

かどぱん・たけた駅前ホステルcue(キュー)かどぱん・たけた駅前ホステルcue(キュー)

Q:実際にオープンしてみて感想は?

「まだオープンしたばかりなのですが、すでに日本一周を自転車で旅をしている青年や、外国からの旅人、竹田で食事を楽しんだ地元の方など、さまざまなシーンで立ち寄られた方々にご宿泊頂いています。私たちも一緒に語らう事も多く、楽しい時間を過ごさせていただいています。また、教師時代には分からなかった『自分の力でお金を稼ぐ』という仕事にやりがいを感じています。これからもたくさん勉強したいと思います」

Q:今後の予定を教えてください。

「こちらは素泊まりですが、竹田市の食材や自家製のお米を使用した夕食・朝食も楽しんでもらえるように、かどぱんのキッチンをお借りして、夜はBARをオープンし、朝は宿泊者に朝食を提供します。この宿が、訪れた人にとって、竹田ファンとなるきっかけになるように、また、旅をしたいと思うきっかけになるように、たくさんの『きっかけ=cue(キュー)』が生まれるような場所であるよう、これからさまざまな企画をしたいと思っています」

お忙しい中、ありがとうございました!

 

アクセス

施設は「JR竹田駅」(上)から、正面の「竹田橋」(左下)を渡り100メートル。施設に駐車場はございませんので、駅横の有料駐車場(右下)をご利用ください。

かどぱん・CUE 大分県竹田市

 

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取材・編集スタッフ

モデル・レポート・編集:中本望美
撮影・制作:ヴォーク有限会社

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