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2009年09月23日
蜂と蜘蛛 【高千穂町】
うす雲が広がる、秋の午後。ガレージの上の蜘蛛の巣に、一匹の蜂がかかりました。
蜂は、もがきます。身体をくの字に曲げ、翅をばたつかせます。蜘蛛は、その様子を注意深く眺めます。
蜂は巣からのがれようと、何度も翅をばたつかせすが、巣が揺れるだけで、身体にまとわりついた糸がいっそう身体の自由を奪っていきます。
蜂は自由とともに、体力を奪われ、動きが段々と鈍くなりました。それを合図のように、蜘蛛はするすると動き始めます。
蜘蛛は、迷いなく蜂に手足をかけて襲い掛かります。
蜂は天地も関係なく激しくもがきます。蜘蛛は本能のまま激しく身体を寄せます。
刹那、何がどうなったのか、蜂は命からがら逃げ出すことができました。しばし呆然の蜘蛛、すんでのところで獲物を逃しました。
ガレージの屋根の上に落ちた蜂は、その場から逃れようと少し飛んではみたものの、また屋根の上に落ちました。蜘蛛の糸が身体にまとわりつているのかもしれません。戦いで負傷しているのかもしれません。巣からは、蜘蛛がうらめしそうに、その姿を眺めているようでした。
投稿者 hujiki : 2009年09月23日 12:22