ペーパームーン

里村ならではの生活を楽しむために準備は惜しまない!
薪窯から本格的なナポリのピッツァ、
さらにインテリア、音響設備まで全て手作り。
「ペーパームーン」でスローライフスピリットを体感。

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プロローグ 里村に佇むカフェ

木々が生い茂り、ポツリポツリと民家が建ち並ぶ里村の風景に溶け込むように、大きなガラス戸から明るい光がこぼれてくるひときわ目立つモダンな建物があります。

「穏やかでひっそりとした里村だからこそ実現できる、独自性を追求した本格的なナポリのピッツァをつくりたい!」というオーナーの河野利雄さんは、「何事も自分の手で造りたくなる性分」なのだそうで、4年前に自宅を自分の手でリノベーションし、かねてからの夢だったカフェをオープンされました。インテリアや内装はもとより、店舗周辺の雰囲気づくりも里村の穏やかな空気にマッチするように、ご自身の手でコツコツと整備してきたました。

そして、その信念はカフェメニューのメインとなるピッツァからも、うかがい知ることができます。もちろんピッツァを焼き上げる「薪窯」も河野オーナーの手造り。熱伝導性と保温性を高めるために肉厚の壁に仕上げ、自分で割った薪を焚べて最適な温度で焼き上げます。

薪窯の温度管理をはじめ、素材、調理方法だけでなく、店内に流れるBGMも含めた空間づくり全てのバランスが大切だと考え、ひとつひとつを丁寧に創造し、訪れた人を魅了しています。

 

カフェ紹介 1 外観

里村の風景を損なうことなくアースカラーでさり気なくまとめられたお洒落な建物が印象的。周辺には竹を並べたオブジェや、広い駐車スペースの奥にはオーナー手づくりの東屋もあり、さらにカフェの敷地内には、カフェルームの他に、中庭を囲むように薪窯棟、オーブンバーベキュースペース、プライベート棟、オーディオルームがあり、まるでひとつの集合施設のような造りになっています。

▲中庭のオーブンバーベキュースペース。こちらも手造り!

▲入り口の扉も河野オーナーご自身がカフェ用にアレンジ。

▲1日でコンテナ2箱分ほど消費するため、薪がオブジェのように外壁にぎっしりと敷き詰められている。

 

カフェ紹介 2 店内

真っ白い壁にカラフルな椅子、まるでイタリア郊外にあるカフェのような雰囲気です。店内の天井・壁の塗り替えや床のリフォーム、そしてテーブルセットまで河野オーナーの手づくりなのだそう。

▲河野オーナーが独自で真空管をつなぎ、手造りのスピーカーにつないで音を柔らかい質感に変換させたオリジナルのオーディオセット。心地よいJAZZがBGMに流れている。

 

カフェメニュー 1 オリジナルの薪窯で焼く本格的なナポリピッツァ

『ペーパームーン』が追求するのは、さまざまなピッツァ(イタリア風)やピザ(アメリカ風)の中でも、イタリアのナポリ地方で愛される本格的なナポリピッツァ。オリジナル配合の小麦粉・塩・酵母・水を手で練り上げ、じっくりと熟成させた生地を薄く手で伸ばし、400℃に熱された薪窯で瞬時に焼き上げます。

熟成した生地は、適度に力を入れても破れません。ナポリピッツァは、粉をあまり振りかけず、手で感触を確かめながら伸ばすのが基本だそうで、発酵で生まれた空気を端に集め、パンのミミのような「コルニチョーネ」という山をつくります。これが、縁取りになり、素材が流れることがありません。この「コルニチョーネ」を上手くつくれるかどうかが美味しさを左右する大きなポイントにもなるのだそうです。

高熱の薪窯を使用することで、生地の表面だけをしっかり焼きあげ、中に水分を閉じ込めるので、サックリした噛みごこちと、もっちりとした歯ごたえを合わせ持った最高の食感バランスを生み出すのだそうです。焼き加減のバランスを均等にするため、薪窯は肉厚の壁で造られています。
ちなみに、営業時間中は、注文を受けてすぐに焼けるように、薪窯に薪を焚べ続けて熱を絶やさないようにしているのだそうです。

 

カフェメニュー 2 おすすめ薪窯ピッツァをピックアップ

薪窯ピッツァ ドリンクセット(1,100円) 単品980円 

マルゲリータ

コルニチョーネがふかふかと盛り上がっているのが分かります。イタリアのトマトを塩で味付けたシンプルなトマトソースをベースに、伸びの良いチーズをたっぷりとトッピングした、スタンダードなピッツァ。画像のように弾力と伸びのよいチーズを見るだけでテンションがあがります。

 

ジェノベーゼ

バジルの爽やかさとナッツやチーズのコクが生きたジェノベーゼソースをたっぷりと使用し、ペーパームーンでは、モッツァレラチーズと厚切りのベーコンをトッピング。中央が柔らかくトロリと溶けるような味わいです。

 

カルツォーネ(+300円)

『包んだもの』という意味合いのピッツァ。ツナ・クリーム・チーズ・オニオンを生地で包み込み、トマトソースとチーズをトッピングして焼き上げます。生地を割ると中から熱々でジューシーな具材がとろけ出てきます。ピッツァと同じ量の生地を使用していますが、食感も厚みが増し、具材も贅沢に包まれているので、かなり食べ応えがあります。

 

りんごピッツァ

薄く扇形にカットされた甘酸っぱいりんごを丁寧に敷き詰め、クリームとシナモンでバランス良く仕上げたデザート系ピッツァ。見た目がまるで大輪の薔薇のようで、目の前に運ばれた瞬間、感嘆の声を上げる方も多いのだとか。基本の生地の量が多すぎないので、女性でもあっという間に一枚食べられてしまう軽やかさです。

 

その他のメニュー

(ドリンク付1.100円 単品980円 ドリンク単品380円)
※季節によって内容が変わることがあります

■マリナーラ
■きのこ
■きのこクリーム
■ポテトクリーム
■フォカッチャ(単品600円)
■クワトロフォルマッジ(+200円)
■シーフード(+400円)

■デザート(+220円)

■コーヒー
■コーラ
■オレンジ・グレープフルーツ
■紅茶
■ウーロン茶

 

インタビュー オーナー河野利雄さん

ここでしか味わえないオンリーワンなカフェでなければ、誰も見向きもしないと思う。田舎の風景とマッチした空間づくりと、本格的なピッツァを追求しながら、新しいメニューにもチャレンジしてみたい。

▲プライベートのオーディオルームにてインタビュー

Q. オープンはいつですか。

A. 「今年(2017年)5月で5年目になります」

Q. なぜカフェをオープンしようと思ったきっかけは?

A. 「若い時代にカフェで働いた経験があり、そのころからずっと興味があったのですが、家業の時計店を兄弟で引き継ぐことになり、まずはそちらに専念することになりました。しかし、仕事をしながらも”いつかはカフェをオープンしたい”と思っていました。かなり時は流れましたが、県道からこの地区へとつながる道が整備されたことをきっかけに、家業を続けながら先に建物や駐車場等の整備をしながら計画を進め、リタイア後に念願のオープンにこぎつけました」

Q. 時計の業界とは全く別世界の飲食業ですが、不安はありませんでしたか。

A. 「もちろん、”こんな田舎に人が来るだろうか”という不安はありましたが、逆にこの田舎を目指したくなるような、オンリーワンなカフェをしなければならないとも思っていました」

Q. オーナーのこだわりが随所に感じられますね。

A. 「こだわりというより、自分が考えたことを自分でやらなければ気が済まない性分なんです。まずは、雰囲気づくりからでした。里村の風景とマッチした素朴な雰囲気を演出するように駐車場を手づくりで整備し、景色を遮っていた竹山も、出勤前に一時間伐採作業しました。眺望が開けるまで4ヶ月ほど掛かりましたね。その竹は、並べて駐車場の外壁にしています。また、廃線になった鉄道の枕木で看板や庭にオブジェをつくっています。次に店内。派手すぎず、落ち着いた雰囲気になるようにリノベーションやインテリア設計も行いました。そして、最後がもっとも大切なメニューです。本格ナポリピッツァをメインにして、試行錯誤しながら技術を身に着けました。もともとものづくりのが好きだという事もあって、料理もその延長のようなもので、いろいろなピッツァ職人の技術を真似しながら自分流で今の形をつくりました」

Q. 外にある、ものすごい量の薪におどろきました。

A. 「カフェだけでなく、ここの暮らしには薪が必需品なので、毎日時間をみつけてはコツコツ薪割りをしています。たくさん積み上がった薪をみると、命が繋がったようでホッとするんですよ。田舎暮らしのスローライフに憧れを持ち、ここに移住の相談にも来られる方も多くいらっしゃいますが、スローライフを実現するためには、ハードな作業をライフワークとして毎日こなさなければ生きていけませんから、よほどの覚悟がお有りでなければ、おすすめはしていませんね……」

Q. もうひとつ気になるのが、真空管をつかったオーディオセットです。

A. 「プライベートでは、JAZZを聴くことが趣味で、古い小屋を改装したプライベートのオーディオルームがあるんですが、もっともっといい音で聞いたいという欲求から、スピーカーにこだわったり、時計を修理する細やかな手仕事が得意なので、真空管を使ってデジタルの音をアナログな柔らかい音に変換し、自慢のスピーカーを通して聴いています。そんな柔らかな音がBGMにあれば、お客様もいっそうこのカフェでの時間をリラックスして頂けるのではないかと!」

Q. 敷地内にカフェだけでなく、中庭を介してご自宅やオーディオルームなどの別棟があり、面白い造りですね。

A. 「見た通り、民家も街灯も少ない田舎ですから、この家を建築するときに、母屋と子ども部屋、倉庫を分けることで、ひとつの『街』のようなイメージにし、光が少しでも灯されるようにしたかったんです。ちなみに、カフェスペースは、以前は子ども部屋だった建物です」

Q. 今後の展望をお聞かせ下さい。

A. 「現在はピッツァメニューだけですが、ランチタイム・ディナータイムを分けて、夜は予約制で受けられるように考えています。せっかく中庭にはオーブンがあるので、パスタやオーブン料理が提供できるようにしたいですね」

 

 

エピローグ 取材を終えて

目の前にピッツァが運ばれてきたときの高揚感や、食べたときの感動は、ピッツァ自体の美味しさはもちろんのこと、カフェに到着するまでに目にした里山の風景、田舎ならではの素朴でいておしゃれな雰囲気作りがあるからこそであり、”オンリーワン”を妥協することなく研ぎすませつづける、オーナーの芯の強さに感動しました。河野オーナーお忙しい中ご協力ありがとうございました。

オーナーの愛犬も、店舗の後ろでお客様をお迎えしています。強靭な体型とちょっと強面なルックスとは真逆で、とっても心の優しいお利口なワンちゃんでした。

 

アクセス

住所:大分県豊後大野市千歳町下山962
電話:0974-37-2115
営業時間:11:00〜18:00
定休日:木曜日

豊後大野市三重町のJR三重駅裏から国道57号「中九州横断道路 / 千歳インター」へ続く、県道519号から「峠の里三宝」を目印に、山へと小道を進みます。

MAP

 

取材・編集スタッフ

モデル・レポート:中本望美
撮影・制作:ヴォーク有限会社

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