心に息づく懐かしい匂いとなめらかな風の音、
遠いあの日の感覚がよみがえり、ふと立ち止まる。
地図を広げて大きく息を吸い込み、そして想う、
「振り返るのも悪くない......」
波が奏でるやさしいリフレインは、
いつしか全身に染み渡り、やがて溢れだす。
それは再び歩きはじめるためのアプローチ。
【黒田の家臣(くろだのかしん)】
細島商業港の湾内に位置する風光明媚な陸繋島で、
およそ150年前に京都で起きた寺田屋事件の舞台の一つ。
潮の満ち干きで小島へ続く路が現れる。宮崎県指定史跡。