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2005年09月18日

宮崎スカイフェニックス [ スポーツ ]

 九州を舞台に戦うアメフトの社会人チームが、宮崎にある。宮崎スカイフェニックスである。
 18日には宮崎で公式戦「日向夏ボウル」が開催される。スカイフェニックス、日向夏ボウルのことなど代表の小川さんに話をうかがった。

アメリカンフットボール

 アメリカの4大スポーツのひとつ「アメリカンフットボール」、略して「アメフト」。ラグビーに似たスポーツで、オフェンスとディフェンスに分かれて陣地とボールを奪い合う。詳しくはフリー百科事典Wikipediaの「アメフト」に詳しくわかりやすく書いてある。
 アメフトといえばNFLだ。レギュラーシーズは9~12月、32チームがAFCとNFCの2つのカンファレンス、さらに東西南北4つのブロック分かれて試合を行う。プレーオフは東西南北の優勝4チームとワイルドカード2チームにより、各カンファレンスのナンバー1を決める。そして、スーパーボウルで両カンファレンスの優勝チームが激突する。
 スーパーボウルといえば、全米最大のスポーツイベント。6万人以上収容のスタジアムでしか開催されず、スーパーボウルのある街は大変な騒ぎとなる。今年のジャクソンビルでは、豪華客船をホテル代わりに持ってきたほど。ここ2年はニューイングランド・ペイトリオッツが勝っており、今シーズンは3連覇を狙っている。
 アメフトといえばプロレスとの結びつき(?)もある。アメフト出身のレスラーは多い。かつては“タックル王”レオ・ノメリーニ、最近ではビル・ゴールドバーグやボブ・サップなど。WWEヘビー級王者だったブロック・レスナーのNFL挑戦、ミネソタ・バイキングスへのテスト入団は大きな話題となった(夢は果たせず、プロレス復帰に向けて動いている)。そういえば、WWEがXFLという新リーグを発足して1年で失敗したな…。


日本のアメフト

 日本においては、アメフトはまだマイナー。しかし、大学生や社会人のリーグは盛んだ。
 アメフトの中心地になっているのが関西。特に関西学生リーグは、関西スポーツの花形である。自分が神戸大学にいた頃、「大学のスポーツといえば?」と聞かれたら「アメフト」と答えていただろう。今は無き西宮球場でよく試合があったし、大学ナンバー1を決める「甲子園ボウル」もあった。そういえば、自分の大学入試合格発表で胴上げしてくれたのがアメフト部だった。
 社会人はXリーグがある。Xリーグのナンバー1と大学チャンピオンが戦うのが「ライスボウル」である。
 日本のリーグについては日本アメリカンフットボール協会公式サイトを見てみるといい。


九州のアメフト

 九州にはまず、九州学生リーグがある。1部、2部6チームずつ分かれており、宮崎大学バッカスが1部に所属している。
 社会人は2つのリーグがある。1つは、日本社会人九州リーグ。こちらは日本アメフト協会の組織下にあり、7チームが所属している。
 もう1つが、宮崎スカイフェニックスなど5チームが所属する九州社会人連盟リーグである。


九州社会人連盟リーグ

 九州社会人連盟は独立リーグである。日本アメフト協会との関連は無く、独自に公式戦を行っている。
 所属しているのは宮崎スカイフェニックス、鹿児島サザンロケッツ、福岡レイダーズ、ブルーアトミックス(福岡)佐世保タイタンズ。もう1チームあるのだけど、人数不足で休部となっている。
 公式戦は春にトーナメント戦、秋にリーグ戦を開催している。トーナメントは1回戦で必ず鹿児島と宮崎が当たるようになっていて、どちからで開催される。秋季リーグは1回の総当り戦で1試合だけ宮崎(日向夏ボウル)、他はすべて福岡開催となっている。
 試合はほとんど福岡で行われる。リーグ戦で鹿児島と宮崎が戦おうが、開催は福岡。正直言って「?」となってしまう。
 一番強いのは鹿児島サザンロケッツ。遠征で一番消耗してそうなのに、一番強い(苦笑) 鹿児島にはアメフトチームが1つしかないので、鹿児島の選手がすべて集まる。しかも、鹿児島は大きな企業の支店があるから、いい選手が入ってくる。だから強いそうだ。日本社会人九州リーグに移る話もあるらしい。


宮崎スカイフェニックス

 宮崎スカイフェニックスの発足は1989年。学生時代にプレイして宮崎に就職した人、未経験だけど興味を持っていた人たちが集まってスタートした。数年間は人数がなかなか揃わず、試合は少なかった。
 1995年、3人の学生が入部したのが転機となる。彼らが動いて宮崎大学、宮崎産業経営大学の多くの生徒がメンバーとして参加するようになった。1997年には九州社会人連盟リーグに参加。1999年には春と秋で優勝し、日向夏ボウルをスタートさせるまでになった。
 2002年には学生たちが独立して学生リーグに参加するようになった。戦力ダウンしてしまったけど、宮崎大学バッカスは九州大学リーグ1部にいる。宮崎にアメフトの芽を植えたのは、スカイフェニックスと言える(詳しい歴史はここを参照)。

 メンバーは現在21人、マネージャーが3人。アメフトを知ってる人は「あれ?」となっただろう。アメフトはオフェンスが11人、ディフェンスが11人だから少なくとも22人必要だ。さらに驚くことに、試合には15人か16人しか揃わないらしい。
 これでどう試合をするのか? オフェンスとディフェンスが掛け持ちをしているのである! つまり、ほとんどが60分出ずっぱり。代表の小川さんは学生時代はディフェンスだったけど、宮崎に戻ってからはオフェンスもやるようになったそうだ。
 アメフトと言えば、選手がやたらと多くて、試合前にヘッドコーチがその中で指示するシーンを思い浮かべる。ここ宮崎では縁遠いことだ。

 半分以上は学生時代にプレイしていた人。他は宮崎スカイフェニックスでアメフトを始めた選手だ。宮崎に転勤してきた人も多く、そういう人がまた転勤してしまうと新しいメンバーを探さなければいけない。
 小川さんとしてはメンバーを増やしたいそうだ。30歳を越えてる選手も多いので、できれば若いメンバーが。21人というのは少なすぎる。

 代表の小川さんは保険会社勤務。宮崎に就職して半年後に宮日新聞の記事を見て、練習を見に行ったら次の週から「試合に出てよ」となったそうだ。
 仕事もあるし、家庭もあるので大変らしい。仕事以外の時間の中から、アメフトの練習やスカイフェニックスを支える時間を作っている。練習や試合でケガをすることもある。奥さんとしては複雑な思いもあるだろう。
 じつは、小川さんは日向夏ボウルには出れないそうだ。子供さんの運動会のためである。


小川さん「アメフトが好きだから」

 練習は週に1度。毎週土曜、朝の10時から小戸橋河川敷でやっている。たまに、宮崎大学と練習試合をやっている。
 試合でメンバーが揃わないように、練習でもなかな人が集まらないらしい。アメフトはチームの連携が重要なので、これは厳しい。

 チームの運営費は、すべて参加メンバーの自腹である。スポンサーはいない。1人あたり年間で4万円近くかかるそうだ。
 金がないので、お金はかけられない。福岡に遠征するときはバスを借りきって、試合当日に出発。試合をして、その日のうちに戻ってくる。1日あたり8時間を移動に使うことになる。

 小川さんは「宮崎というのは、プレイする環境は素晴らしいんですよね」と話す。野球もサッカーもそうだけど、宮崎はいいグランドはたくさんある。グランドだけはほんといい。

 サッカーのサン宮崎FCがそうであるように、宮崎スカイフェニックスもグランド以外は厳しい環境のなかでやっている。
 小川さんに聞いた。どうして、そこまでやるのかと。返ってきた言葉は「アメフトが好きだから」。すごく納得できる答えである。


スカイフェニックスのスタイル

 プレイスタイルはパスが多め。あとは、ランも効果的に使うそうだ。


日向夏ボウル

 アメフトでは特別に「○○ボウル」という名前を付ける。「スーパーボウル」「ローズボウル」「ライスボウル」など。前に来るのは土地の特産物などで、ボウルというのはすり鉢の競技場をサラダボウルに見立てたものと言われている。
 「日向夏ボウル」は九州社会人連盟秋季リーグの、宮崎で唯一開催される公式戦。第1回は1999年で、成績は以下の通り。

第1回 1999年10月3日 宮崎県総合運動公園
 宮崎スカイフェニックス 6 - 2 福岡レイダース
第2回 2000年10月15日 宮崎県総合運動公園
 宮崎スカイフェニックス 34 - 8 鹿児島サザンロケッツ
第3回 2001年10月7日 シーガイアイベントスクエア
 宮崎スカイフェニックス 36 - 0 ブルーアトミックス
第4回 2002年10月13日 宮崎県総合運動公園
 宮崎スカイフェニックス 0 - 13 鹿児島サザンロケッツ
第5回 2003年10月19日 宮崎県総合運動公園
 宮崎スカイフェニックス 28 - 0 ブルーアトミックス
第6回 2004年9月19日 シーガイアイベントスクエア
 宮崎スカイフェニックス 59 - 0 熊本ベルフラワーズ

 5勝1敗といい成績だ。昨年は後援が17社、協賛が34社もあって盛大に開催されたそうだ。ハーフタイムのダンスショーあり、抽選会ありといった内容で。
 「日向夏ボウル」というネーミングには、宮崎でアメフトを普及させたい、多くの人に見てほしいという願いも込められている。
 第7回となる今回の概要は以下の通り。

第7回 日向夏ボウル
宮崎スカイフェニックス vs ブルーアトミックス

日時:9月18日(日) 13:00キックオフ
場所:宮崎県総合運動公園ラグビー場
主催:日向夏ボウル実行委員会
入場料:大人300円、高校生以下無料

 今年は台風14号のことを考えて、ハーフタイムショーは行わず、入場料の一部を義援金にするとのこと。試合終了後には賞品の抽選会があるので、それを楽しみにしよう。
 今年の春のトーナメントでスカイフェニックスは3位。今回の相手となるブルーアトミックは2位。いい試合になるのではないだろうか。
 日向夏ボウルが終わった後のリーグ戦は以下の通り。すべて福岡開催だ。

10/16(日) 宮崎スカイフェニックス vs 福岡レイダース
11/13(日) 宮崎スカイフェニックス vs 鹿児島サザンロケッツ
11/27(日) 宮崎スカイフェニックス vs 佐世保タイタンズ


小川さん「人がぶつかり合う迫力を見てほしい」

 宮崎はアメフトは浸透していない。宮崎スカイフェニックスを知ってる人が少ないと小川さんは苦笑いしながら話す。アメフトのルールがわかりづらいこともあるだろう。関西のようにチームがあるわけでもないし、試合を生で観る機会もほんのわずかだ。
 しかし、日向夏ボウルでは300人近い人が訪れるそうだ。じつは日向夏ボウルが、九州社会人連盟リーグで人が一番集まる試合なのだ。福岡でやるときは、50人とかまばららしい。ほんと、福岡の集中開催はやめたほうがいいよと思うんだけど…。
 「人がぶつかり合う迫力を見てほしい」と小川さんは話す。アメフトは激しいスポーツで、格闘技に近い。惹きこむものがあるはずだ。

投稿者 pawaspo : 2005年09月18日 03:03

コメント

スカイフェニックスにとても興味があります。でも経験もないし、28歳なので不安だらけですがとにかくやりたいです。無理でしょうか?

投稿者 かわそえ : 2006年10月01日 17:06

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