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建国祭の日に

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【日向時間エッセイ】

 建国祭の日に、高千穂神社の鎮守の杜を歩いた。前日に降った雪が木々に残り、それが日の光に照らされ、舞い落ち、杜は光と音で賑やかだった。

 その光と音の賑やかさは、今の時代の目覚めのような賑やかさに似ている。多くのものが壊れて行く中で、その輝きは際立って見える。

 異常な世界を軽やかに賑やかに踏み越えて行く人たち。

 高千穂で大雪が降れば、外なる活動は止まってしまう。人の暮らしとはそういうものなのだろう。太陽が隠れてしまったときのことを、日本神話はアマテラスの神話として伝えている。

 人は人と傷つけ合う。人は人と愛し合う。その導きを光に預けてしまえたら、どんなに楽だろう。

 大いなる太陽がいつも心に輝いているような、大らかな光がどこまでも遠くを照らすような。

 自分たちで、自分たちの世界を閉ざしてしまってはいけない。大いなる太陽は、誰のものでもなく、大らかな光は、世界を隅々まで照らす。

 世界中を照らす太陽は、その役割を終えるまで、いつまでも、どこまでも、照らし続ける。

 僕らは最後の瞬間まで、その光の存在を感じ続ける。そしてそのときが来たときに、与えられた命をかえすのだ。