第10回 日之影竹細工を世界に!  2001/09/14
日之影町にとっても面白い男がいるよ!」ある人からこんな情報がパワナビによせられました。内容のはっきりしない情報に「面白いってどんな事をする人ですか?」と尋ねてみると「とにかく行ってごらんよ、面白くなければ帰っていいから!場所は日之影町の青雲橋の下、目印はお店にカゴ、行けば絶対わかるはず」しかし、こんな情報本当に信用していいのだろうか・・・?
と思いつつもチョッピリ興味の湧いてきた私はさっそく日之影町へと向かいました。「どうせ面白くなければ帰っていいのだから・・・」なんて、軽い気持ちで青雲橋から日之影の町中へ下ると情報どおり簡単に天井からおびただしい数の「カゴ」がぶら下がっているお店を発見することができました!外には「中村商店」という看板が出ていますが、食料品や生活用雑貨の数より多いカゴ、カゴ、カゴ、こちらの店主かなり「カゴ好き」のようです。さらに店内には外国人の方の写真や英語がいっぱい・・・英会話スクールのはずはないし?なにか「面白い人」を通り越して「怪しい」じゃありませんか!
いったいここで何をしている人なのでしょうか?すると店の奥からやさしそうな店主らしき方が現れ・・・「別に悪いことをしているわけではありませんよ、ここはただの商店です。ただ少しばかり竹細工にとりつかれている事をのぞけばですけど・・・」と、謎めいた事を言っているのは中村商店店主の「中村 憲治」(左写真)さんです。「今は、来年2月に予定のイギリスはロンドンで開催される竹細工のイベントの準備で忙しいんです。」と中村さん。竹細工とイギリス!?・・・謎は深まるばかり・・・
中村さん曰く「竹細工と関わるようになってから数十年、世界へ向けて、この竹細工のよさをわかってもらおうと東奔西走の毎日、そして気が付いたら結婚するのをわすれていた!?」なにが中村さんをそこまでさせたのか?そして、この英語と外国人の方達とカゴと中村商店の関係は何なのか、いったい中村さんは日之影町で何をしているのか?
若かりし日の「中村」さんの手にもしっかり「カゴ」は握られています・・・情報どおり面白い人と出逢えたのはよかったのですが、面白いのを通り越してチョット怪しいような・・・詳しい話を聞こうとするとなにやら探しはじめる中村さん!そして出てきたのが1冊の本「日之影町史」・・・「私の全てがこの1冊に詰まっているからぜひ読んでほしい」といいたげに訴えかける中村さんの表情!そこで私は、すぐさまその1冊の本を持ち帰り目を通してみました。するとその本には中村さんの人生を変えたある竹細工職人の老人(写真右)との出会いや、世界の様々な人々との交流が記録された「竹細工職人に寄り添って」という中村さんの手記が掲載されていました。
「竹細工」それはまさに中村さんの人生そのもの!そして「芸術家やそういうジャンルの人ではなく昔ながらの優れた職人の技や、美術品ではなく生活民具としての竹細工を多くの人々に正しく紹介したい。」という中村さんの竹細工とその職人に対する情熱!そして一生懸命に頑張る中村さんに手をさしのべる多くの理解者達との出逢い!どうして、地元宮崎でも知らない人が多い民芸品が世界的に有名なスミソニアン博物館に収蔵されたのか?その全ての謎を解くカギが中村さんによる手記「竹細工職人に寄り添って」に書き記されているのです。「中村さんの全てを変えてしまった」といっても過言ではない「竹細工職人」との出会い!少しでも多くの人々に日之影の竹細工を知ってもらいたいという一途な心意気!なにも言わずに渡された1冊の本は「全てのはじまりは情熱から」というのを再確認させられた熱い手記でした。
「竹細工職人に寄り添って」
の入り口は下にございます。↓
▼日之影町史」10 別冊(二) 日之影の竹細工▼
今回ご紹介した「竹細工職人に寄り添って」以外にも「廣島」さん「飯干」さん
などのプロフィールや、インタビュー、他などが掲載されています。

「竹細工職人に寄り添って・中村憲治」入り口★
こちらから詳細を見ることができます。

平成13年3月24日印刷
平成13年3月31日発行
編集発行 日之影町
印刷 凸版印刷株式会社
▼宮崎日日新聞賞・国際交流賞受賞によせて▼
(商工だより ひのかげ 平成15年新年号より)
中村憲治(中村商店)
 宮崎日日新聞社から平成14年度宮崎日日新聞賞の国際交流賞受賞決定のお知らせを戴いた時、私は果たして自分が受賞者として選ばれ、世間の人達に紹介される資格があるのかと心配したものでした。それで早速行ったことは、ワシントンD・Cのスミソニアン博物館のルイーズ・コート先生と東京の駐日英国大使館スティーブン・ゴマソール大使に手紙差し上げたことでした。「国際交流事業は、相手国からの深い信頼と理解を戴くことが出来て始めて成立するものと思います。今回、私は本当に宮崎日日新聞賞を戴いて宜しいのでしょうか」の問に「あなたはその資格が十分ありますよ」とお墨付きをお二人から戴くことがかなった時は、これで本当に受賞出来るのだと安心しましたが、新たな責任が生まれるとも思いました。
 1994年から1995年迄のスミソニアン・サックラー美術館での「日本の田舎のかご職人展」の起因は、1982年のニューヨークのジャパン・ソサエティの南日本工芸旅行団30人の来訪でした。今年のロンドン駐英日本大使館での「日本の田舎の工芸展」の起因は1997年の東京での展覧会と、その年の東京在住外国人20人の工芸旅行団受け入れ、及びオックスフォードのフェリシティー・ウッドさんの来訪でした。廣島一夫さん、飯干五男さん、河嶋徳松さん(故人)、甲斐勝由さん(故人)、甲斐照義さん(故人)、割烹風月さん、姫野酒造さん、福田酒造さん、あさだや旅館さん、若松屋旅館さん、田口旅館さん、佐藤畳店さん、甲田木工所さん、甲斐椎茸店さん、甲斐喜四郎さん家族、木田さんの家族、日之影町役場他関係機関等多くの皆様には、その時々の外国人旅行者の受け入れに御協力を戴きまして有難うございました。心からお礼申し上げます。
 なぜ、私が竹細工を中心とした日之影の生活文化を世界に発信するかの答えは、日之影町を訪ねてくれた多くの外国人達に、日本の文化の原点と日本人の心は、日本の都会や地方都市ではなくて、日之影を含めた地方の小さな地域社会の中に、しっかりと残っていると教えられたからでした。
 日之影町には世界の人達が求める日本の山間農村の生活文化が残ってます。私たちには、それを求めて訪ねて来てくれる外国人達を心善く受け入れてあげる姿勢が必要だと思います。
中村商店
宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折8767番地
TEL 0982-87-2006
訪問の際はお手数ですが、あらかじめTELにてご連絡ください。
*** パワナビ ***
Copyright - (C) - 2001 All Rights Reserved
info@pawanavi.com