2004年12月13日
スクール・オブ・ロック [ ビデオ/DVD/コメディcomedy ]
School of Rock
2003年/米 1時間50分 カラー
ビデオ・DVD
監督:リチャード・リンクレイター
製作総指揮:スコット・アヴァーサノ、スティーヴ・ニコライデス
脚本:マイク・ホワイト
音楽:クレイグ・ウェドレン
出演:ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、サラ・シルヴァーマン
「愛」でしょ!やっぱ「愛」なのですよ!オープニングからエンディングまで、ひしひしと伝わってくるのは「ロックを愛してますけど、それが何か?」といわんばかりの開き直りにも似た、一途な「ロック愛」なのです。たしかに、ありえないストーリーですよ。えーえーそれは分かってますよ。でもロックだからいいじゃぁーん!!!といってやりますよ!
■マルフさん(ストーリー&レビュー)
■ストーリー ロックへの情熱だけで生きているような主人公デューイは、定職を持たず、いまや堅気の教師となった元バンド仲間のネッドのアパートに居候しつつ、いつかビッグになる夢を追い続けていた。しかし、自分で作ったはずのバンドからは、クビを宣告され、ネッドの彼女からは家賃の滞納を理由に部屋から追い出されそうになってしまう。そんな時、名門小学校からネッドへ代用教員の依頼が、はいる。その電話を受けたデューイは、代用教員のギャラにひかれ、ネッドになりすまし、ちゃっかり教師の職を得る。自分の担当クラスの生徒達の音楽の才能に目をつけたデューイは、バンドを結成させて、コンテストへ出場し、さらなる収入をもくろむが・・・。
ゴールデン・グローブ 2003年
□ 男優賞(コメディ/ミュージカル) ジャック・ブラック
放送映画批評家協会賞2003年
□ 歌曲賞 マイク・ホワイト “School of Rock”
MTVムービー・アワード 2004年
□ チーム賞 ジャック・ブラック
ジャック・ブラックとバンド“スクール・オブ・ロック”
コメディ演技賞 ジャック・ブラック
■レビュー
全編に流れるクラシックロックの名曲はもちろんのこと、主人公デューイの寝床回りやら愛車の中やら、黒板にびっしりと書かれたロックの系譜やら、微にいり細にわたりロックへの愛がびっちりつまった映画です。クライマックスのシーンなんてもうたまらんですよ!(まだ観てない方の為に、詳しくはいわないけどねぇ)ちなみにこの映画はDVDで鑑賞するのをおすすめします。なぜなら5分に一度は一時停止を押したくなるから。登場アイテムを一個一個チェックしながら楽しめる、まさに2度3度と美味しい作品でございます。ブラック・サバス、ラモーンズ、ツェッペリンにAC/DC。まだまだ隠しキャラはいっぱいいるぞ。コンプリートした人は素直に尊敬します。ロック好きのみではなく、入門編としても十分な出来となってます。是非に御鑑賞あれ!あっ!DVDをお勧めする理由がもうひとつありました。DVDのライナーノートは、あの注1)マサ・イトー氏が書かれています。これだけで購入ですよね!ついでにいうと、僕はベース担当のケイティちゃん萌えdeath。
注1)マサ・イトー氏
伊藤政則、数々の世界的ロックバンド(特にHR/HM系)"ほとんど"のライナーノーツを手掛けるほか、自身のロック番組をTV・ラジオなどでも持ち、その他ロックイベントなど多方面で活躍する、世界のロック史を語れる日本人のロック伝道師。
投稿者 blogpawanavi : 20:56 | コメント (0) | トラックバック
2002年11月28日
マルコヴィッチの穴 [ ビデオ/DVD/コメディcomedy ]
BEING JOHN MALKOVICH
1999年/米 1時間52分
アスミックエース
監督 : スパイク・ジョーンズ
脚本 : チャーリー・カウフマン
音楽 : カーター・バーウェル
出演 : ジョン・キューザック、キャメロン・ディアス、ジョン・マルコヴィッチ
「…マルコヴィッチって誰よ!?…穴って何よ!?」レンタルショップ・コメディーコーナーにて。眼の端に止まった【マルコヴィッチの穴】という題名。ケースから発せられる妙なインパクトに惹かれ思わず手に取って見ると,ケースの表はマルコヴィッチと思われる人物の顔で埋め尽くされている。「…!」強烈。私は一癖ありそうなものに目がない。心をぐっとつかまれてしまった。ざっと100人ほどのマルコヴィッチに一斉に見つめられてしまった私は直後,迷うことなくレジに並んでいた。
■楽生さん(レビュー&ストーリー)
■ストーリー
売れない人形使いクレイグは、とあるビルの7と1/2階にある小さな会社に就職することに。ある日、彼は偶然にも会社のキャビネット裏の壁に小さなドアを見つけた。ドアの向こうの穴は俳優ジョン・マルコヴィッチになれるという不思議な世界へ通じる入り口だった!
■レビュー
内容について,まずは結論から言ってしまおうか(感じ方は人それぞれなのでこの結論自体で作品を判断することはせずあくまで私の偏った感性をもってした結論であることを理解しておいていただきたい)。この物語は,人間の深層に潜んだ“欲望”に満ちた物語である。人間には“欲望”はつきものである。物語のキーワードとも言える“他人になってみたい”という願望も誰もが一度は考えることではないだろうか。非現実的なようで心理的には実はとても身近なことを題材にしているのである。そうやって考えながら作品を見ていくと,登場人物が交わす言葉は深い。例えば,初めて“マルコヴィッチの穴”に入ったロッテの言葉『自分の存在とは?本当の自分って何?』また自由にマルコヴィッチを操れるようになったグレイグの言葉『まるでスーツを着ているみたいなんだ』これらの言葉は何らかのメッセージを含んでいるような気がしてならない。自分とは何か?精神と肉体の繋がりとは何か?欲望とは何か?欲望を満たすためにするべきこととは?…等々…ここまでの説明では心理的で,どこか堅苦しい作品のように感じるであろうが、それは違う。しかし堅苦しくはないけれど,人間の“欲望という心理”を一貫性を持った的確な視点によって明確かつ複雑かつ見事に表現している作品なのである。 明確かつ複雑…(もっと分かりやすく説明してくれよ…)。明確なのは,欲望の部分である。登場人物一人一人が持っている欲望を非常に分かりやすく表現している。明確に表現されているからこそ複雑になっているのが,人間関係である。人間関係,というよりもむしろ精神関係というべきだろうか。
さてこの作品を理解してもらうために中心となる5人の人物について話していくことにする。[グレイグ]“マルコヴィッチの穴”を発見した人物。売れない人形師の彼(作品はある意味性欲のはけ口と化している)はその道で売れたいという欲望に加え,仕事のパートナーであるマキシンの魅力にとりつかれ彼女を手に入れたいという欲望のためにマルコヴィッチを利用しようとする。意外に執着心が強い(最後まで見れば分かる)。[ロッテ(本人かと目を疑ってしまうほどのボサボサ髪のキャメロン・ディアスが見事に好演)]は,マルコヴィッチになったことで自分が性同一性障害であることに気付き,男になりたい,そして恋するマキシンを自分のものにしたいという欲望だけにまっすぐに突き進む。夫婦でありながら一人の女性をめぐってグレイグと恋のライバルとして対立する。彼女を手に入れるために二人とも必死である。二人を虜にする[マキシン]は,野心家。“お金”に対する欲望が強く,お金のために自らの魅力でグレイグを見事に操る彼女に,女の恐ろしさを垣間見てしまうのは私だけだろうか(そうとは知らず踊らされているグレイグはお気の毒…)。マルコヴィッチの姿をしたロッテとの情事に夢中。主要な登場人物で唯一“マルコヴィッチの穴”に入ることなく欲望を満たすツワモノ。[レスター氏]はグレイグの就職先“レスター社”の社長であり,“マルコヴィッチの穴”の謎の鍵を握る人物。レスター氏の欲望とは,精神を永遠に生かすこと。マルコヴィッチの中に入ることで永遠の命を手に入れようとする。さらに忘れてはならない[ジョン・マルコヴィッチ]は,俳優。人々の欲望を満たすための道具として操られる。グレイグとマキシンが始めた,他人になりたい“変身願望”を叶える商売道具にまでされ,プライバシーも何もあったものではない。彼の欲望とはさしあたり,自分を取り戻すこと,だろうか…。
これらの人物に共通して見受けられる欲望が“性欲”である。それぞれの登場人物が何らかの形で自分の官能を満たしているというところが一貫していておもしろい。軽めのワイ談や情事を織り込みながら物語は軽快(?)に展開していく。どんな感じで展開していくかについては,百聞は一見に如かず,ということでぜひ一見していただきたい。
最後に,作品を観る愉しみを提供するとしよう。この作品の魅力の一つは,登場する人や物が色んな意味で非常におもしろい点である。実はジョン・マルコヴィッチという人物は,【ジャンヌ・ダルク】という作品などに出演している実在する俳優ジョン・マルコヴィッチである。チャーリー・シーンも,その友人役として実名で登場する(実際に友人かどうかは不明。見事に禿げ上がったチャーリー・シーンは,いけないものを見た気分にさせられる)。グレイグの就職先が7と1/2階にあるという設定もおもしろい(7と1/2階がつくられた理由がとてもつまらないので失笑して欲しい)。チンパンジーのイライジャ,レスター社の秘書,など個性的な脇役たちにも要注目だ。また,よくよく観ていると超有名な俳優がほんの一瞬だけ登場したりもする。見逃さないように注意,である。最後のオチが,なんとなくありがちな感じはあったけれど,なぜかありがちであることに気付かせないところあたりも,作品の魅力かもしれない。それにしても実際にはありえない話だけれど,恥をかいたときに入る“穴”よりも断然“マルコヴィッチの穴”の方に入ってみたいものだ!と思う私であった。
投稿者 blogpawanavi : 19:42 | コメント (0) | トラックバック
