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2008年08月31日
デトロイト・メタル・シティ (DMC) [ 劇場/邦/コメディ ]
原題:デトロイト・メタル・シティ
(2008年/日 104分 カラー)
配給:東宝
監督:李闘士男
原作:若杉公徳 (ヤングアニマル)
脚本:大森美香
音楽:服部隆之
出演:松山ケンイチ、加藤ローサ、秋山竜次、ジーン・シモンズ
☆川崎 CINECITTA' にて観賞
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◆パワナビ松田 レビュー
お気に入り評価: 75点/100点満点
フレンチ・ポップスをこよなく愛し、カヒミ・カリィの大ファンという家族思いの心優しき青年、根岸崇一(ヨハネ・クラウザーII世)はお洒落な音楽とお洒落な生活に憧れ、ポップミュージシャンを夢見て大分県は豊後大野市から大学進学に伴い上京する。大学ではお洒落な仲間達と渋谷系音楽を勤しむ。しかし大学卒業後、プロミュージシャン?として事務所と契約できたはいいが、その事務所"デスレコーズ"が求める音楽は、お洒落とはまったく正反対に位置する"デスメタル"と呼ばれる過激なロックミュージック・・・。そして事務所の看板デスメタルバンド『デトロイト・メタル・シティ (DMC)』のカリスマヴォーカル『ヨハネ・クラウザーII世』こそ根岸崇一だった。"仕事"と割り切り、悪魔を模したド派手なメイクを施し、放送コードギリギリ?の歌詞をシャウトする崇一だが、自分が理想とするスタイルとのギャップに悩みつづける日々をおくるも、彼の過激なステージパフォーマンスや言動に、もはやファンというより信者と呼べる若者達が次々と増え、バンドの人気もうなぎのぼりに・・・。しかしバンドの人気が上げれば上がるほど純粋な崇一の心は行き場をなくし悲鳴あげる。
若杉公徳による連載漫画『デトロイト・メタル・シティ (DMC)』(ヤングアニマル)を、主人公根岸崇一(ヨハネ・クラウザーII世)役に『デスノート』シリーズの"L役"で独特の個性を打ち出した若手俳優"松山ケンイチ"を向かえ、主にテレビ関係のディレクション業を中心に活躍し、2004年に『お父さんのバックドロップ』で映画監督デビューしている李闘士男が実写化したコメディ作品である。
まずこの作品は、原作者である若杉公徳がデスメタルファンではなくポップミュージックファンだからこそ成り立っているといえる。もしコアなデスメタルファンが描いたリアルな世界だったら、ある意味ここまでひどいことにはならないし、またここまで面白くもなかっただろう・・・。どうひどいかといえば、まるで昔の海外の映画監督達が勘違いしたまま描いたデタラメな日本描写のように間が抜けており可笑しい・・・「悪魔っぽけりゃ何でもアリじゃない?」と言わんばかり。またジキルとハイドですら太刀打ちできないほど落差の激しい主人公である根岸崇一と彼が変貌するヨハネ・クラウザーII世のギャップの面白さも、原作者の「勘違いデスメタル感覚」が大いに貢献している。私も原作を読んで大いに笑わせてもらったが、とにかくこのDMCというバンドは、昔からへヴィーメタルやハードロック、パンクロック、グラムロック、スラッシュメタル、ハードコア、オルタナティブロックといったろの、ROCK界にある1歩間違えばギャグになってしまう(KISSやマリリン・マンソンらのド派手なメイクに始まり、オジー・オズボーンのコウモリの頭を食いちぎるパフォーマンス等)『キモかっこいい』パフォーマンスの限界をも大きく踏み外し、もはやギャグそのものになってしまっているバンドである。ところが、そんなギャグパフォーマンスもメーターが振り切れまた戻ってくるぐらい徹底してしまえば、いつの間にかカッコよく見えてしまったりもするものだ。
さて、2005年にヒットしたロック系漫画を実写映画にした作品で、中島美嘉が歌う「GLAMOROUS SKY」を含め何曲かのヒット曲を生み出した『NANA(矢沢あい)』もそうだが、こうした漫画が映画になる時の楽しみは、実際にDMCの曲が音として聞けるところ(アニメでもあったが)である。まあ音の無い隙間を自分なりにイメージを膨らまし、頭の中で自分にとってベストな音をかき鳴らし楽しむ原作ファンにとって、あからさまな作品中の楽曲の出来はかなりの個人差があるはず・・・。私としてはあのDMCにしては少々普通過ぎるようにも感じられたが、意外にも作品中の楽曲としては、DMCの曲より、主人公の根岸崇一が「僕が本当にやりたい曲ほこれです」といって歌う、自称お洒落系ポップミュージック、「根岸崇一/SONG BY カジヒデキ『甘い恋人』」が、いい悪いに関係なく耳に残ってしょうがない・・・自宅で食事をしている時にも「〜甘いあまい〜」と言うフレーズがどこからともなく聞こえてくる。またライブシーンに関しては、あの原作のハチャメチャ感をどう表現するのかと、ある意味ハラハラもしたが、終わってみればリアル感などは無い(ジーン・シモンズ登場時を含め)ものの、主人公を演じる"松山ケンイチ"が「なりきりクラウザー」で地獄?のパフォーマンスを見せてくれたため視覚的に楽しむ事が出来た。"松山ケンイチ"といえば『デスノート』シリーズの"L役"が思いだされるが、漫画の中の主人公に"松山ケンイチ"独自のテイストを加えて最終的に自分のものにしてしまう能力は凄い。原作のクラウザーとは違う"松山版クラウザー"と見るほうが面白い。たとえるなら、原作のタイガーマスクと新日本プロレスの佐山タイガーみたいなものである。もしかしたら熱心な原作ファンにとっては、その部分こそに違和感を感じるのかもしれないが・・・。
私個人としては原作(漫画)に負けず劣らず笑える部分もあったが、ただし笑えるといっても原作(漫画)はあくまでも大人向けであることから、中にはかなりお下劣だったり、究極の下ネタだったりもするので、実写映画版と原作とは笑いの質が違うという事は理解しておいたほうがいい・・・。ところで主人公を演じる"松山ケンイチ"ともう一人、デスレコーズの女社長を演じる"松雪泰子 "が金髪ヘアーに革ジャン、ミニスカ、ファッションで、豹柄のパンツまるだしで頑張っているのがちょっとした見所かもしれない?「ファァーック!そんなパフォーマンスじゃ全然濡れネェんだよ」などと口汚くののしり、火のついたタバコを崇一の顔面に投げつけたりとDMC以上に過激なのが印象的。白鳥麗子(白鳥麗子でございます!/1995年)の20年後と勝手に妄想すると、いろいろ被るシーンがあり笑える。目玉としてKISSのジーン・シモンズが出演しているが、とくにどうということはない・・・。逆に宗一の母親役の宮崎美子は、あまりにも農家のお母さん役がはまり過ぎ、ある意味怖いくらいだ・・・。宗一の弟・・・かなり笑える。
とにかくこの作品は、原作はおろかデスメタルが何ぞやなどまったく知らなくても充分ディテールが理解でき(それほど細かくないが)、その上で笑えるのがいい。それもこれもデスメタルの詳細を知らずして、その世界を描いた原作者・若杉公徳の勘違いパワーのなせる業である。作品そのもの上手くまとまっていて贅肉がないのがいい。ただその分、原作がかもし出す独特の地獄カラー?の度合いは若干薄れているのは仕方がない・・・でなければR指定になってしまうので・・・。というわけで、ここ最近、テレビのお笑い芸人のワンパターンな笑に少々飽きてきた方は、一味ちがう笑いにチャレンジしてみてはいかがだろう?
PS:宮崎人、特に延岡人にとっては主人公の根岸崇一の出身地が大分県豊後大野市犬飼町であることから、なんとなく親近感がわいてくる・・・。オープニングの東京に上京するシーンや、打ちひしがれて帰郷するさいの農家でのシーンなど、別に笑わせるシーンでもないのに、微妙に笑えるポイントが多々あるのも面白い。
投稿者 blogpawanavi : 2008年08月31日 11:26
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コメント
それは若杉が大分出身で高校のとき宮崎の日大高校にいたからですよ。
僕は同じ寮に住んでました。
投稿者 たー : 2008年10月15日 13:32
