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2006年02月04日
オリバー・ツイスト [ 劇場/洋画/ヒューマン ]
■タイトル オリバー・ツイスト
■監督 ロマン・ポランスキー
■出演 バーニー・クラーク、サー・ベン・キングスレー、ハリー・イーデン
■作品詳細 シネマセントラル延岡プレイバックシネマへ
みんなの平均点→4.000点
シネマレビュー↓
※評価は5点が最高です!点数間隔は0.5点です。(平均が3点)
※コメントはあくまでも主観に満ち溢れていますのでよろしくお願いします。
■パワナビ松田・30代 男性 (評価:3.5点)
チャールズ・ディンケンズ原作の有名な作品の映画化。イギリスでは有名だが、さて日本ではいかがなものか・・・?この作品は以前、”アラビアのロレンス”や”戦場にかける橋”などで有名なデビッド・リーン監督によって1948年に映画化されている。オリバー役にジョン・ハワード・デイヴィース(ミスター・ビーンの監督なども・・・)、そして、詐欺師の親分フェイギン役は、なんとアレック・ギネス(上記3作に出演、やっぱり最近ではスターウォーズかな?)だった。また1698年には”小さな恋のメロディ”で有名な、マーク・レスター主演によるミュージカル”オリバー!”も公開されている。ちなみに”オリバー!”は、1968年度アカデミー作品・監督賞など六部門を受賞している。
この作品の舞台は19世紀産業革命の真っ只中のイギリス。当時のイギリスでは蒸気機関など”機械”が発明され、技術革新がおこり、農業中心から工業中心の時代へと少しづつ変貌を遂げる。それに伴い、産業だけでなく、社会や経済も大きく代わり、大きな工場も増え、「労働者階級」なるものが登場したのもこの頃である。原作者であるチャールズ・ディンケンズ自身は中流階級出身だそうだが、過去に下層階級に転落する経験を持っていると、何かで読んだ記憶がある。そんなことからか、オリバーを取り巻く、そうした人々の表情を描くのがとてもうまいようだ。
さて、今回話題となっているのは、もちろん監督の、ロマン・ポランスキー。記憶に新しいところだとエイドリアン・ブロディ主演の”戦場のピアニスト”だとか、ジョニー・ディップ主演の”ナインスゲート”、古いところではミア・ファロー主演の”ローズマリーの赤ちゃん”などで監督を務めている。ご存知の方も多いと思われるが、フランス生まれのユダヤ系ポーランド人のこの監督は第二次世界大戦中に両親が収容所におくられ、ロマン・ポランスキー自らもユダヤ人狩りの対象とされて逃亡生活をおくった経験がある。愛妻シャロン・テートがヒッピーに惨殺されるという事件を経験し、さらに「少女モデルをレイプした」ということで、逮捕され、釈放中に”撮影”という名目でヨーロッパに渡ったまま、逃亡犯?になっているらしい・・・。そのため、”フランティック”ではアメリカに戻れずハリソン・フォードに迷惑をかけただとか・・・”戦場のピアニスト”でアカデミー監督賞を受賞した時も、会場には姿を現さなかった・・・。そんなお騒がせなエピソード?がある。個人的に”ロマン・ポランスキー監督”というえば、”ローズマリーの赤ちゃん”や”反撥”そして”テナント/恐怖を借りた男”など「怖い」イメージがあり、前作の”戦場のピアニスト”では「ん、なんか素敵な響き」・・・と変に勘ぐってしまったりもしたほど・・・逆に何かを期待してるのかも知れないが・・・。そんな事から、今回の”オリバー・ツイスト”では、たとえ子供が主人公だとしても、映像からは独特の「怖さ」のようなものが見えるのではと期待した。
原作者チャールズ・ディンケンズ自身の経験からくるリアルな背景や人間関係と、ロマン・ポランスキー監督自身の経験からくる、追われたり、閉じ込められたり、逃げ隠れするシーンの描写はやはりさすがだ・・・「子供向け」といっておきながら、これを子供がみたら、かなり強烈に頭に焼きつくことだろう・・・。べつに、頭や腕が飛んだりするわけではないのだが、リアルなセットにリアルな(ある意味コミカルにみえるのが怖い)人間描写。やばそうな役者がいかがわしい顔でしゃべる台詞。そして全体的に薄暗い映像が、様々な事柄をなにげなくリアルに見せてくれるのである。もちろん、セットや美術には物凄くお金をかけているのがわかり、そうした努力などがあっての事だ。しかし、全体的なイメージとしては、いくら街行くご婦人達がきらびやかな衣装を身にまとっていたとしても、目の前にため息がでるようなアンティークが現れたとしても、時代も、人間関係も、生活もほとんど全てが「陰」なのだ。
そんな中、養育院で育った孤児オリバー・ツイストだけが「陽」の存在なのである。もちろん性格が明るくて、人を笑わせるという意味ではない。生きていくために様々事をしたり、知らないうちにあらぬ方向へと歩かされてしまったりもするが、彼の心の中に潜む「陽」の部分が瞳の奥にしっかりと写りこんでいるのだ。だから、どんなに悲く、暗い場面の連続でも、不思議と安心して見る事ができる。もしオリバーの役がバーニー・クラークではなく他の誰かだったら、意味もなく浮いていたり、真っ暗な作品になっていただろう。このバーニー君のポイントは大である。しかし12歳の彼自身がこのオリバー役についてのインタビューで「演じることの大変さは特に感じませんでした」と言っていたのには驚きだ。かなり”そのまんま”なのだろうか?ロマン・ポランスキー監督からは「勇敢なオリバーを演じてほしい」との指示があったそうだが・・・。
配役的には、それぞれピッタリとはまっていて気持ちいい。だからこそ、コミカルな場面が逆に怖く見えたりもするのだろう。なかでも、この作品ではポイントとなる、スリ一家のボス、フェイギンを演じたベン・キングスレー(ガンジー82、シンドラーのリスト93、サンダーバード04、等)もいい味をだしている。特に、一味のアジトでのシーンは、空気感も伝わってきて、まるで一緒に暮らしているかのごとく感じられる。これもフェイギン(ベン・キングスレー)効果かと感じられた。さらに数少ない女性陣の中では、ナンシー役のリアン・ロウの熱演に注目してもらいたい。
さて、映像的な雰囲気も俳優陣も、全体的にはとても好きな作品なのだが、ちょっと物足りない部分を感じずにはおれなかった。原作から大きく外れてはいない1話完結のストーリーだけに、物語性がどうのとは言わないが、オリバーはじめ、フェイギンやナンシー、早業ドジャー、その他、魅力的な登場人物が多かっただけに、それらの人物の心の移り変わりを、もう少し映像化してほしかった。たとえ町の小悪党でも何かあるはず。それがあって、あのラストシーンに行き着いてほしかった。じゃないと、オリバー君は、ただただ振り回されっぱなしで「オリバー君、本当にこれでよかったの?」って聴きたくなってしまった。多少原作とは異なっても、ラストの前で、人間関係から生まれた何かを見せてほしかった。
■パワナビ甲斐・20代 男性 (評価:4点)
原作、チャールズ・ディンケンズが19世紀イギリスの貧しい者を抑圧する社会システムを批判する気持ちで書いたと言われる「オリバー・ツイスト」をロマン・ポランスキー監督が「未来の人々の為に映画化した」というだけあってそのメッセージの強さは半端じゃないと思いました。19世紀の町並みも80億かけて再現・建設しちゃう気合いの入れよう。言われなきゃ解らない、机ひとつ550万のアンティーク家具。人と暗さでわからないのに細部までこだわった部屋の片隅・・・もともと売れてる物語だから「良い話」なのは当然として、その物語を見せるにあたり、どこまで、どう見せるか?っていう所に「これでもか?」ってくらい気合いを入れてるスタッフの皆さんに拍手。監督はもちろん素晴らしい。監督の「イエス」「ノー」で左右されるんだから。しかし、最近の映画はそれぞれのプロがしっかり表に出て仕事をしている。今作のプロダクションデザイナーも役の心理状態や人生の背景に合わせてその人の住む家を考えたりしているそうだ。(ここらへんの詳しいことは公式HPにいろいろを載ってます)色使いや、照明ひとつでも全体の雰囲気が変わってくる。そういう点では、戦場のピアニストも含めロマン・ポランスキー監督の「空気感」みたいな者は好きです。映画・ドラマ・舞台と数多くリメイクされてきた「オリバー・ツイスト」。物語を知っている方は、監督がどんな事を言いたいのか、何を伝えたいのか、という部分を考えて観るととても深く楽しめるかもしれませんね。自分もそうでしたが物語を知らない人は「感動した・大切なことを思い出す」っていうとこ止まりかもしれません。お客さんの感想でKさんがおっしゃってますが、犬の動向さえ大事な要素で、いろんな人のいろんな感情が複雑に混じり合っています。それにしても、オリバー役のバーニー君人気はすごいですね。女性誌のインタビューだけでも何本あるのか・・・。劇中でもナンシー(リアン・ロウ)が自分を犠牲にしてまでオリバーを助けようとしますが、現実の皆さんも見事に母性本能?をくすぐられたようですね。みなさんも是非、「現代で失われた何か」を感じてください。といっても、たぶん「何か」はみんな解ってると思うんですよね・・・問題は何故、それが出来ないのか、忘れるのかということでは無いでしょうか?映画を観たすぐ後は、「何か」を取り戻しても、現実の世界に戻るにつれてまた忘れる・・・ん〜。何故だ。
■Kさん 60代 男性 (評価:4点)
孤児という境遇でしかもすさんだ社会の中で純な気持ちを忘れず、悪にも染まらないオリバーの姿に感動しました。フェイギンの「恩を忘れるな」と言う言葉も印象に残りました、今の人達にも何かを感じてもらいたいです。悪さをしていてもそういう人間として大切な部分は同じだと思います。ナンシーの行動もそういった「大切な事」を思い出した結果でしょう。自分の身の危険を察知した時や、ラストシーンで主人に吠えるところなど犬の心理まで細かく描いていて、素晴らしいと思いました
■MKさん 女性 (評価:4点)
違う監督さんの「オリバー・ツイスト」もみましたが、主人公の子供役は今回のほうがいいですね!純粋さの中に、たまに見せる悲しそうな表情が印象的でした。セットも19世紀のロンドンの町並みがよく再現されていていました。私自身クリスチャンなんですが、オリバーほど人を思いやって祈っているのだろうか?と感じました。養育院で育った孤児オリバーが、あんなにいい子供に育つとは・・・根本的にしっかりした子供だったのでしょうね・・・。ロマン・ポランスキー監督という事で、いくら子供向けとはいえ、リアルなシーンが多いですね。作品自体は面白かったですよ。
■Jさん 30代 女性 (評価:4.5点)
オリバー役のバーニー・クラークって、とても可愛い・・・いや綺麗ですよね・・・あんな子が息子だったら・・・。スクリーンをみながら考えてしまいます・・・。ブラウンローさんが信じて疑わないのもなんだかわかります。実際にいたら、なんでも買ってあげたくなっちゃうっていうか・・・。すいません、あまりの可愛さに、彼ばっかり見ていました。
投稿者 blogpawanavi : 2006年02月04日 21:57
