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2005年01月25日

北の零年 [ 劇場/邦/ヒューマン ]

■タイトル 北の零年
■監督 行定 勲
■出演 吉永小百合、渡辺謙、豊川悦司
■作品詳細 シネマセントラル延岡プレイバックシネマへ


みんなの平均点→4.000点

シネマレビュー↓
※評価は5点が最高です!点数間隔は0.5点です。(平均が3点)
※コメントはあくまでも主観に満ち溢れていますのでよろしくお願いします。

パワナビ松田・30代 男性 (評価:3.5点)
 2005年になった今でも”サユリスト”達は健在だった!取材日は平日の午前11時・・・。にもかかわらず劇場には結構お客さんが来ている・・・。確かに年齢的には50代、60代が多い・・・が、しかし、あの”せかチちゅう”でおなじみのヒット作”世界の中心で愛をさけぶ”で今や時の人となった「行定 勲監督」の作品であり・・・しかも”せかちゅう”とはまるで違うタイプのドラマを1968年生まれの若い監督が、1945年生まれの吉永小百合を主演に向かえ、壮大なスケールのロケを行い、168分という上映時間を使い、なんと吉永小百合を引き立たせる男優達といえば、これまた世界的な名優となりつつある渡辺 謙をはじめ、豊川悦司、柳葉敏郎、香川照之、吹越 満と個性的なキャスティングでタップリ魅了させてくれる事間違いなし・・・となれば、”サユリスト”ではない私も「ちょっと、どんな事になってるのか見てみようかな〜」とそんな気持ちにさせられる。そして私としては石橋蓮司みたさ?もあって興味深々で鑑賞してまいりました。
 ストーリーにあるように、時代背景は幕末。腐りきった徳川幕府に任せておいては日本が諸外国の食い物にされると、薩長土を中心に倒幕〜新政府を樹立するも、明治維新で起こった様々な摩擦の焦げ後がもたらす、歴史の裏の人間模様を描いており、決して、吉永小百合演じる志乃と、渡辺 謙演じる小松原 英明のおしどり夫婦が手に手をとりあって苦労をのりこえる・・・などといったアドベンチャーファミリー的(古い?)な厳しくも陽気な話ではない。過酷な状況下におかれた中で生きようとする人間の心の葛藤を描いている作品が"北の零年"だ。
 タイトルにも零/ゼロとあるが、もちろんゼロからの開拓に肉体的・精神的苦労はつきもの・・・。この作品を見ていると、人間というのは少し先でかまわないから、自分の進むべき道が見えさえすれば、少しの明かりが灯ってさえいれば、ほとんど肉体的疲れなどは忘れて仕事に励むことができる。また、少々の貧乏も「どうにかなるさ」と明るく笑顔で乗り超えられるものだが、精神的な疲労、特に人間関係のもつれから生じるものは、そうしたやる気さえ全て吸い取り、食事をすることさえ困難にさせるというのを画面を通してわかりやすく見せてくれる。
 なにもない、ゼロとはいうものの、現北海道には先住民族が住んでいて、自然と共に日々の暮らしを営んでいる。あの豪雪を見ると自分などは震え上がってしまうが、床や壁に最新の設備がなくても、先住民達はなんとか生きていた。まさにゼロの人々だ・・・。一方、春には美しい花が咲き乱れる国で、○○石という手当てをもらい、当時でいえば文化的な暮らしをして生きていた人々が、突然北の大地に投げ出されたら本当にゼロぐらいですむのだろうか・・・?彼らの数値的にいえばマイナス100の人・・・ぐらいなのではないだろうか・・・?
 なにを持ってゼロというかは重大だと思う。同じゼロの土地で同じように生きている以上、明治新政府にほっぽりだされた稲田家の人々も、先住民達もなんら変わりないが、様々な工夫でゼロからプラスに転じていった先住民達にとっては、厳しい日々の暮らしも、すでに実績としてプラスポイントがついているはず・・・。心はなえてないはずである。稲田家の人々の中にも、いい暮らしをしていたプラス100の人からプラス10の人と、淡路での暮らしには様々な評価はあるにせよ、マイナス100ではなかったと思う。そんな少なからず、一時はプラスの生活を営んでいた人々が、まったく新しいステージで生きる事を余儀なくされた時に一番必要なのは何なのかが、この作品を見ているとわかるような気がする。この作品にでてくるキャラクターの生活ポイントはどれくらいなのかを自分なりに考えてしまう。マイナス100に絶えられなかったものもいれば、これぞ神があたえてくれた大逆転の時とばかりに大幅プラスに転じようと考えるもの・・・実にいろいろだ・・・。まったく自分は登場人物の中の誰にあてはまるのだろう・・・・。
 バブル崩壊、リストラ、などなど、そんななまめかしい事実すら今となっては死後になりそうな急激な時代の流れ・・・。この映画の中でも「時代の流れには逆らえない、しかたがない」とお偉いさんがいう。そして平成の時代になっても「誰かが時代の流れを作っていってるんだ、それが誰だかわからない」・・・時代の上流が見えない・・・。どんな事にもかつてはあったはずのゼロ地点がわからない。いまさらわかったところでなにも解決しないのか・・・・・?バブルから一転の大不況でマイナス地点に放り出された人、新天地でなにかをやらなければならない運命に逆らえなかった人、駄目になりそうな時人間に一番必要なのは何かが少しだけわかるはず!こんな時代だからこそ、観てそんはない映画だと思う。少し前に自分のブログでコミュニティ(共同体)について書いたことがあるが、こんな映画を観ると本当に軽々しく「TIでコミュニティを簡単に作りましょう」というのいが恥ずかしくなってくる・・・。そんなにお硬く受け取る必要もないが、自分を含め、簡単に「コミュニティ・・・」などといえる現代は、知らないうちに人間が人間の存在を無視しているように思えてしまう。コミュニティサイト、サークル、会社、市、国、どれも「新しく試みよう」という時は夢いっぱいでプラスエネルギーがたくさん発射されているが、いざ完成〜運営となると、いままでにエネルギーを使いすぎたのか?運営に必要な肝心のテンションが下がってしまい「お前がやれ」「いやお前が」という事もよくある・・・。実は完成するまではマイナスで、さあここから本格始動という大切なゼロ地点になかなか気がつかない・・・。この辺も、肉体的というよりは精神的な疲れが大半をしめているだろう。まるでゲートを待たずして、入れ込みすぎて、スタートした頃は走る気力をなくしてしまっている競走馬のよう・・・。もちろん肉体疲労からくる精神的ダメージも当然あるとは思うが・・・。そんな時、ゼロ地点を思い出せる事が重要なのかもしれない。初心に帰るとはよく言ったものだ・・・。なんとなく零/ゼロは何もないというイメージがあるのだが、実は零/ゼロは誰にでも必要なニュートラルポイントなのかもしれない。どんな事にも浮き沈みはある。マイナスでもなく、プラスでもない、良くも悪くも中間地点に戻れる女性を吉永小百合が演じているように感じた。

 さて、印象に残ったシーンとしては、吉永小百合と渡辺 謙の夫婦の会話シーン・・・「こんな土地に連れて来て苦労をかけるな〜、俺はこれから・・・どうして・・・こうして・・・ここに新しい国を・・・そして俺の理想は・・・。」と自分の構想や夢を語る渡辺に、渡辺の汚い薄汚れた手を綺麗な手で握り締め吉永が「そんなことはないわ、私はうれしいいんです。だって、淡路にいた時は藩のお勤めに倒幕と、あなたは自分のことなんて私に話してくれなかったじゃないですか・・・こんな風にあなたの胸のうちを聞けたでけでもここに来たかいがあったわ。」と、このとき既に、精神的なポイントでは吉永のほうが大きく渡辺を上回っている。このシーンが後半どうなるかは観てのお楽しみ・・・。それにしても、実社会でもなんと女性達の現実的で行動力のあることか・・・。逆に男は体裁ばかり気にして、「なりふりかまわず」ということができない・・・。どんなに落ちぶれても、体裁だけはある・・・。つくづく人間としての女性の強さに脱帽する。

 と、ここまでは好評価なのだが、マイナスポイントとしては、ストーリーがどうのという事でなく、やはり「サユリスト」的な作り方の部分か・・・。もちろん吉永小百合が主演なのだから、ファンにとっては120%の出来で、とても60歳には思えないワカワカしさで熱演し、美しくもあり。「風と共に去りぬ」のスカーレットを彷彿させるシーンなどもあれば、日本のビビアン顕在!と、ファンとしては満点でもおかしくはないが、サユリストでない自分にとっては、優等生すぎる主人公が見ていてじれったくもなってくる。ただ「貧乏でも、苦しくても明るく頑張っていこう」というキャラクターは1962年”キューポラのある街”からのカラーであるともいえなくはない。とはいえ、あともう少しでいいから泥臭くなってはもらえないだろうか?しかし泥になってしまっては吉永小百合でなくてもいいとも思え、わざわざ60歳の吉永小百合を使ったからには、これはこれでいいのだろう・・・と思わざるをえない。サユリストなる言葉のもつ意味は、今日の”あゆ”モー娘。”ウタダ”などとは比べ物にならないほど凄いものなのだ!”あゆ”はウ○コをするかもしれないが、”サユリ”はしない、せいぜい黒豆ぐらいだろう・・・。だって「吉永小百合はウ○コをしない」と昔勤めていた会社の営業部長が言っていた。だからサユリストになったつもりで4.5点と言っておこう。だが、この作品では石田ゆり子のドロドロ具合のほうが、生命力につながるのでは?とも思える。ということで、3.5点にしてみたものの、あの映像から役者を含めスタッフの事を考えるともっと点数を上げたくなってしまうが・・・・・。

PS:そうそう、肝心の石橋蓮司さんですが、最近のジョージアのCMのせいか、なぜかこの映画でも虐げられる上司の役です・・・。しかし、頭に鉢巻、手にはクワを刀代わりに八相に構える姿をみていたらうれしくなりましたね〜!さながら”浪人街”の”母衣権兵衛”のぶった切りを思い出し「えーいクワでも何でもいいから全員ぶった切っちまえ!」と心で叫びつつ・・・吉永小百合は年とらないのに、4つ年上のこっちはめっきり年とったな〜・・・・・。なんてことも思ったりしました。


パワナビHIDE・20代 男性 (評価:4.5点)
 吉永小百合111本目の映画「北の零年」いやいや、吉永小百合さん最高でした。今の日本で今回の役を出来る人は他にはいないんじゃないでしょうか?っていう位の大ハマリでした。どんなに辛いときでも人を思いやるこころ、他人から蔑まされても恨みもせずひたすら耐え抜く、母なる大地のような人。とはまさにこの人のような人でしょう。この役を演じきった吉永小百合さんは本当に凄いと思いました。若々しさ、美しさ、リアルタイムで吉永小百合さんを見てきた人だけでなく、若い人たちも絶対に引き込まれると思います。と、このように書くと吉永小百合さんの一人舞台のようですが、もちろん違います☆渡辺謙や豊川悦司を初めとする他の共演者も素晴らしかったですよ。役柄から豊川悦司の方に目がいきますが、渡辺謙も前半と後半のガラリとかわった人間を見事に演じていると思います。上映時間3時間弱、映画が始まってふと時間が気になって時計を見ると1時間が経過していました。「あと2時間かぁ...」と思いましたがその2時間はあっという間でした。完全に見入っていました。結果的に2時間位の感覚・・・些細な事ですが、とっても重要な事だと思います。冷めた目で見ればどこかの掲示板のように酷評が出るのかもしれませんがそんな風にしか見ることができない人達がかわいそうに思いました。脚色はあるにしろ、史実に基づいた映画、現代の人たちが未開拓の地に投げ出されたら何日間生きられるか・・・どれだけの人が生き延びられるか・・・そう考えると、当時の人たちの苦悩がちょっとだけ解る気がします、想像を絶すると思いますが・・・この映画を見て色んな事を感じました。吉永小百合が綺麗とかそういう事じゃなくて・・・あなたは、何を感じますか?何も感じませんか?どうしても裏が見えてしまうあなたは鑑賞前にHPのプロダクションノートでも見てスタッフの苦労を見てみてください。おそらくメイキングだけでも2.3時間のドキュメンタリー番組が出来ると思います。この映画、ある意味、このおかしくなった世の中を開拓する「地球の零年」かもしれません。わっ!くさっつ!GO!GO!夕張!国際映画祭が楽しみだ!タランティーノも真っ青だ!


■Sさん 40代 女性 (評価:4点)
 吉永小百合さんがとっても良かったです!同じ、母として、女として共感できるところが多くとても泣けました。自分があの立場だったらどういう行動をとっただろう・・・色々と考えさせられる映画でした。冬のシーンはやはりどこも心に残りました。


■Yさん 50代 女性 (評価:5点)
 各メディアで話題になっていたので、是非見てみたいと思っていました。評判以上のできに満点の5点です。大雪原のシーンは吉永小百合、60歳にしてよくやったと感心して観ていました。上映時間は3時間弱ありましたが立ち見でもOKなぐらいです。劇場はやっぱり年配の方が多いようですが、是非若者にも観てもらいたいですね。


■Mさん 50代 男性 (評価:4点)
 しっかりと詰まった内容に満足しました。あのラストシーンは感動です。この映画でもそうですが、今も昔も官僚のやり方はなんとかならないのでしょうか・・・実ににていいますね。100年たってもなにも変わっちゃいない。明治維新もそうだが、なにもかも、その後がいけない・・・。


■よう子さん 40代 女性 (評価:4点)
 この作品は、子を持つ母の立場でみるとなんともせつなくなりますね・・・。きっと女性と男性では、生きる事への価値観が違ったりするんでしょうね。この映画はどちらかというと女性の方が共感できるんじゃないかな?マイナス1点は男性の立場でみると、ちょっと鼻につくところがあるのでは?と考えての4点です。


■ひねくれもの 40代 男性 (評価:3点)
 ロケを含め、金はかかっているんだろうな〜と思う。しかし”吉永小百合”ということで、全てがOKっぽい部分が多々あるのも事実・・・。その辺のシーンがどうしても頭に残ってしまい、壁となって素直に受け止める事ができない・・・。吉永小百合はかつてサユリストと呼ばれる言葉があるほどの女優だが、60歳となった今、もうサユリストでもないだろう。渡辺 謙や豊川悦司とラインをあわせるのなら別の女優がいい・・・。

投稿者 blogpawanavi : 2005年01月25日 17:55

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