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2004年06月25日
グロリア [ ビデオ/DVD/アクションaction ]
Gloria
1980年/米 2時間1分 カラー
ビデオ・DVD
監督・脚本:ジョン・カサベテス
音楽:ビル・コンティ
衣装提供:エマニエル・ウンガロ
キャスト:ジーナ・ローランズ、ジョン・アダムス、バック・ヘンリー
ベネチア映画祭グランプリ・主演女優賞作品
インディペンデント映画の父、ジョンカサベテス監督のハードボイルド。主演は妻であるジーナ・ローランズ。音楽はビル・コンティ。衣装提供は、今なおパリコレで称賛を受け続けるエマニエル・ウンガロ。衣装、必見です。『エレガント』という通常の概念をこえた、グロリア的『エレガント』があります。ギャングに啖呵をきり、銃をぶっ放す時も必ずヒール。逃亡という非常事態においても、スーツかワンピース。しかもかなりはだけた胸元は若い頃はさぞかしボインちゃんだったであろうことが推測できます。たれ気味の胸を惜しげもなくちらつかせています。安宿に泊まるときにも贅沢な素材のバスローブを身にまとうグロリア姐さんなのです。
■bonbonさん(ストーリー&レビュー)
■ストーリー
ニューヨーク、サウスブロンクスの汚いアパートに住むプエトルトリコ人家族。その男はギャングの会計係をしていた。金を横領し、極秘の銀行口座の情報をFBI・CIAに流していた。それを知ったギャング達がアパートに乗り込んでくる。たまたま同じアパートに住むグロリアは会計係の男の妻の親友だった。グロリアが家族の部屋を訪ねて来た時は、一家は逃亡する準備で忙しかった。一刻も早く脱出しなければ、一家の未来はない。妻はグロリアに事情を話す。「6歳の息子を預かってくれ」と必死にお願いする。しかし、子供嫌いのグロリアはめんどうに巻き込まれるのはごめんだと断るが、引き受けてしまう。父親はフィルに極秘のメモを渡す。「お前を守ってくれる聖書だ、お前の命だ、男らしくなれ、誰も信じるな」という言葉と共に。 少年を連れ、自分の部屋に戻るグロリア。ものものしい銃声が響き渡る。一家は皆殺しにされる。グロリアはフィルを慰めつつ、荷物をまとめタクシーで別の場所へ向う。グロリアは子供嫌い!フィルは一人前の男きどり?2人はかみ合うはずはない。TVではフィルを誘拐した犯人と、グロリアは報道されている。やがて2人の居場所を見つけると、ギャングの仲間が数人やってきてグロリアに「ガキを渡せ」と要求する。迷っている時間はない。グロリアはギャング達をまき、裏口から脱出するもグロリアはフィルがわずらわしく、やっかいなことに巻き込まれたと思いはじめ後悔する・・・。 ギャング達は執拗に2人を追いかけるが、そんな中グロリアとフィルは、しだいに心を通わせていく。しかし、ある日けんかした2人は離れ離れになってしまいグロリアはフィルを探しに行はめに・・・。ところがあと一歩のところで、ギャング達がフィルを捕まえてしまう。そしてグロリアは銃を片手にフィルを助け出す決心をする。一人きりでギャングのアジトにのりこむグロリアだが、そこにまちうけていたのは・・・。
■レビュー
主演のジーナ・ローランズは撮影時、46歳でした。夫であるジョン・カサベテス監督に『絶対きれいにとるから』といわれ、出演を決意したそうです。しかし、はなから彼に妻をきれいにとろうという気などあったのでしょうか?と思うほど、全編通してもジーナはけっして美しくありません。ジーナの顔にきざまれたシワ・しわ・皺・・・。ボトックス注射もない時代の女優の顔は見れたもんじゃないです。女優は顔が命なら、ジーナはとっくに終わってます。顔だけみれば、いただけないただのおばちゃんなんです。が、ジーナは本物の女優でした。撮影がオールNYロケだそうで、NYの乾いた空気感、淡々と事実を追っていく客観的なカメラワーク、ビル・コンティの音楽、エマニエル・ウンガロの衣装、ジーナの演技力とすべてがはまるとなぜかジーナ=グロリアが美しく、クールにみえるのです。醜さも汚らしさも味方にしているのです。 ジーナ演じるグロリアは今でいう、負け組みです。30過ぎて子は無し、もちろん未婚です。こういう女がいったん腹をきめて、吠えはじめるともうどうにもとまらない。リンダ、秀樹フェスティバル状態です。ギャング相手に啖呵をきり、挑発し、銃を乱射しまくります。フェルという幼き少年への母性の目覚めがグロリアをさらに直情行動へと駆り立ててしまうのです。人生を楽しく誤るという生やさしいものじゃありません。組織相手に一人戦いを挑んで勝利をつかむ。昔も今も簡単じゃないです。しかし、グロリアは戦います。厳しくへこみそうな状態でも、常に勝利を見つめます。彼女は戦う女の五種の神器を持っています。気の強さ・優しさ・生命力・おしゃれ心・ユーモア。 映画は20年前に製作されたものですが、今の世界に通じるものがあるような気がします。女性なら、職場でのセクハラ上司との攻防戦、仕事・子育ての両立を阻む理解なき男ども(すべての男性ではないですが、へなちょこの男のことです)、×一女性に対する世間の無理解など。男性の方もいろいろ事情はあることとは思いましが、考慮にいれませんでした。この映画のグロリア姐さんみて、明日への活力を養いましょう!勝利は自分で掴み取るのです。
その他の見どころはフィルとグロリアのしゃれた会話、グロリアと昔の男タンジーニとの会話からにじみ出てくる2人の愛情(かつて情愛が友情に変化をとげているような、縁側でじじばば同士が茶をすするような感じ)も見てください。当時のキャッチコピー、『グロリア、あんたはすごい。タフでクールで・・・・・・やさしいよ』がこの映画の本質を集約しています。グロリア姐さんは、極妻どころのレベルじゃないです。無敵な姐さんです。世の女性が全てグロリアになると、世の中には人間は存在しなくなりますが、時には片手にピストル持って戦うぐらいの腹が女性にあることを殿方の皆様、お忘れなく・・・。またグロリアに共感できた方は「セントラル・ステーション」もどうぞ!
投稿者 blogpawanavi : 2004年06月25日 20:23
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