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2008年09月15日

ウォンテッド

原題:Wanted
(2008年/米 110分 カラー R15指定)
配給:東宝東和
監督: ティムール・ベクマンベトフ
原作: マーク・ミラー『WANTED』
脚本:マイケル・ブラント、デレク・ハース、クリス・モーガン
音楽:ダニー・エルフマン
撮影:ミッチェル・アムンドセン
美術: ジョン・メイヤー
出演:ジェームズ・マカヴォイ、アンジェリーナ・ジョリー、モーガン・フリーマン
☆延岡シネマ・ 先行上映にて観賞

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◆パワナビ松田 レビュー


お気に入り評価: 65点/100点満点

 変わり映えしないルーティンワークをこなすだけの毎日をおくる冴えない若者ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)。会社では意地悪な上司にいびられ、おまけに彼女は同僚に寝取れられるしまつ・・・。薬を飲んで緊張を抑えるもストレスはたまるばかり。そんなある日、ウェスリーの目の前に謎の組織の女暗殺者フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)が現れ、いきなり派手な銃撃戦に巻き込まれる。命からがら生還したウェスリーに、今度は組織の実力者と思われる男(モーガン・フリーマン)から、幼い頃蒸発したはずの父親が実は組織の凄腕暗殺者で、近頃裏切り者によって殺されたという事実を聞かされる。男によれば裏切り者を倒せるのは父の血を継いだウェスリーただ一人だとか・・・。

 マーク・ミラーのグラフィック・ノベル『WANTED』を、『ナイト・ウォッチ』『デイ・ウォッチ』でロシア映画史上最高の興行収入を叩き出したティムール・ベクマンベトフ監督が大胆な発想で映像化。主演は日本ではあまり馴染みがないが『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』で裸マフラーの"タムナス"役で知られるジェームズ・マカヴォイ。そして今や本格的アクションからSF、シリアスドラマまで何でもこなすアカデミー女優アンジェリーナ・ジョリーに、これまたアカデミー男優のモーガン・フリーマン、さらにイギリスの名優テレンス・スタンプがガッチリと脇を固めるスーパーアクションムービー!視覚的インパクトも大!銃口から飛び出した弾丸が湾曲し障害物をよけてターゲットに命中したり、カーチェイスや銃撃戦など随所に見られる超スローモーション映像が見所!ちなみに弾丸が脳天を突き抜けたり、ボコボコになぐられたり、切り裂かれたりと、血みどろのシーンが多い。ただそうした血なまぐさいシーンは何故かコミカルに描かれ、また進行自体がアップテンポなため、目をそむけたくなるようなものではないが、苦手な人にはちょっと過激かもしれない。過去の例から言えばタランティーノ監督のキルビルがOKであればまったく問題はない。(R-15指定)

 全体的な流れや映像の雰囲気としては『マトリックス』に酷似しているように感じられる。主人公である"うだつの上がらないサラリーマン"がいきなり秘密を打ち明けられ、秘密組織の重要人物となり、厳しい訓練により才能を開花していく展開や、前記の主人公(ジェームズ・マカヴォイ)、女性暗殺者(アンジェリーナ・ジョリー)、組織の黒幕(モーガン・フリーマン)といった人物設定も、マトリックスでいえばネオ、トリニティー、モーフィアスの三人衆で、白人男性、白人女性、黒人男性という部分も同様である。ただ大きく異なるのは『マトリックス』はあくまでも主人公ネオを演じるキアヌ・リーブスの存在が大きかったのに対し、『ウォンテッド』は脇役を演じるアンジェリーナ・ジョリーの存在が大きい事である。特に視覚的な部分でグイグイ引っ張っていく作品なので、ルックスからいっても彼女に目が行ってしまうのは仕方の無いところだろう。なにより主人公を演じるジェームズ・マカヴォイが地味ながらも、名脇役的ないい味をだしている分、いい具合にアンジェリーナ・ジョリーの引きたて役となり、これにモーガン・フリーマンやテレンス・スタンプといった名優が加わるのだから、もはや彼女は立っているだけでカッコいい存在になっている。そんなことからPR用に使われる画像はどれもアンジェリーナ・ジョリーばかりである(笑)。また全体的にコミカルなタッチが多いのも『マトリックス』とは大きく異なる点であるが、銃撃戦などのシーンはクリスチャン・ベール主演の『リベリオン』に登場するガン=カタ(銃に武道の型をあわせた二挺拳銃による戦闘術)が思い出される。そんな事から『マトリックス』や『リベリオン』『キルビル』といった作品が好きな方は、ストーリーは別として視覚的な部分で楽しむ事ができるハズである。

 さてその視覚的な部分だが、弾丸が美しい弧を描いて飛んでいったり(コブラのサイコガンみたい)、超スローにより弾丸に刻まれた文字が大きく映し出されたりするシーンはCMやトレーラーなどで既におなじみだと思うが、ちょっと面白いのが数百メートル離れた一室から、スナイパーによって放たれた弾丸がどういったルートを通過してターゲットにたどり着いたかを、命中したターゲット(人間)から逆回転で銃口に戻る映像である。それはあたかも弾丸に意思があるかのごとく映し出され、まるでスパイダーマンが人々の頭を飛び越え、ビルからビルを駆け抜けるような気持ちよさがあるので必見!あとは一にも二にも、アンジェリーナ・ジョリーだろう。以前と比べかなりスリムになっている為"女戦士"のようなパワー感はないが、ありがちな空手アクションシーンなどがない分スタイリッシュでカッコよく見える。主役をはっているジェームズ・マカヴォイも、日本ではあまりなじみがない役者さんで、ルックスも極普通なため、「うだつの上がらないサラリーマン」という役柄的にはピッタリ。逆にこれがトム・クルーズやブラット・ピットであれば、「はじめからうだつが上がっているじゃん」ということで、それはそれで違和感があるかもしれない。作品的にストーリーやディテールはかなり荒っぽく、突っ込めばきりがないのは事実でその部分が大きなマイナス(点数的に)だが、個人的には視覚的な部分やアンジェリーナ・ジョリー以外にも、ジェームズ・マカヴォイの熱演は見所だと思う。作品自体の質は大きく異なるが、かつてTVドラマシリーズ『ファミリータイズ』のヒットから『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでブレイクした時のマイケル・J・フォックスの熱演ぶりが思い出される(ルックス的にも)・・・というのは言いすぎだろうか?


投稿者 pawanavi : 2008年09月15日 23:40

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