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2007年06月22日

ネコ・・・。

☆パワナビ松田

たった今、ネコが死んだ・・・。
3回大きく口をあけて、
4回目に口をあけようとしたとたんにプツン・・・。
私の手の中で、動かなくなった。

生後約1ヶ月。

私はイヌ派である。
ネコは飼わないと決めていた。

一昨日の朝、
うちの事務所の前で小さな子ネコがうずくまっていた。
明らかに体力がなくなっているのが見てとれる。
はっきりいってそういうの迷惑な話だと感じた・・・。
何故なら、さらに三日前、
私自身が過労のため打ち合わせ中に倒れ、
病院に運ばれ点滴を打たれたばかりだった・・・。
少しの間でいいから、仕事の量を軽減しようと思っていた矢先である。
わずらわしいことには関わりたくなかったのだ。
それになんといっても私はイヌ派なのだ。

私はうずくまっているネコに
「のらネコを助ける前に、自分と自分の家族を助けなきゃならないんだよ」
と心の中でつぶやき、そのうちどこかに行くだろうと、
そのままほったらかしにして事務所にはいった。

070622-neko-001.jpg

しばらくして、事務所の入り口のほうから
ガリガリ爪を立てる音が聞こえてくる・・・。
私はしかたなく席を立ち
「わるいけどあっちに行ってくれないか?」
と少し離れたところにその子ネコを移動させた・・・。
そのうちどこかへ行くだろうと思った。
しかし、また入り口のほうからガリガリ聞こえてくる。
私はまた席を立ち移動させた。
今度は気になってしばらく様子を伺ってみた。
すると、ヨロヨロと立ち上がり、
こちらに向かってくる・・・。
「いい加減にしてくれ」
とまた突き放したのだが、
それでも、何回でもやってくる。

そんな事を何回繰り返したことか?
今度はガリガリしても私は気にしなかった・・・。

そうこうしているうちに私は外出をしなければならず、
また外に出ることになった・・・。
案の定まだ入り口の前でうずくまっている。
何度も何度も私の足に小さな爪を立ててしがみついてくる・・・。

うちの事務所の前は少し大きめの道路があって、
大きなトラックやダンプカーが頻繁に行き来しているのだが、
その道路の反対側に、空き倉庫があり、
敷地内には4匹ほど同じぐらいの子ネコがいて、
母ネコとウロチョロしているのを見かけたので、
きっと逸れたのではないか?と思い、
「そのうちどうにかなるだろう」
と決め込み、子ネコを引き剥がして外出したのだが、
車を運転しつつ、どうしても子ネコの事が気になってしょうがなく、
私と入れ替えで事務所に来る事になっていた甲斐に電話をし、
話を聞いてみると、まだ同じような状態であるとの事だった。

そのとき、情景反射のように
「とりあえず事務所の中に入れて水でもやってくれないか?」
と甲斐に電話し、私は延岡から宮崎に向かった。
すぐに「これでよかったのかな?」と考えたが、
それについてあまり真剣に考えたくなかった・・・。
都合よく「なるようになるさ」と思った・・・。

宮崎ではラジオ関係の集まりがあり、
それから、パワナビで日々輝コーナーを担当している
オオタヒサヤの事務所に行った。
オオタはしばらく県北での仕事が続くため、
私と一緒にそのまま、延岡にやってきた。

夜遅く事務所に帰って来ると、
すでに甲斐が、子ネコの体を拭いたり水をやったりし、
事務所の中をピョンピョン飛び跳ねていた。
少し元気になったようだった・・・。

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しばらく、甲斐とオオタと私で観察をしたり、
ミルクをやったり、ネコに詳しい知人に電話をしたりした・・・。
よくよく観察をしていると、目ヤニや鼻水が見られ、
目に破棄が感じられない、やはり衰弱しているのが目についた。
とにかく、一旦事務所に入れた以上はどうにかしなければならない。
しかし私はイヌ派で、どちらかといえばネコはどうでもいいと思っているし、
なにより、これ以上わずらわしい事をかかえ込みたくなかったから、
「ネコに神経を注ぐ時間があったら、少しでも早く家に帰るべきだ」
と、いろいろと思いをめぐらせた。
自分の体の事だって考えなければならない・・・もうそういう年なのだ。
週に3日徹夜をする事に絶えられないのである。

子ネコをどうにかする方法は2ツある。
ひとつは、外に・・・それも、絶対に歩いて帰ってこれないような
川の向こう側へ連れて行ってしまう方法。
もうひとつは、体力が回復するまで責任をもつこと・・・。
そんな事を考えながら、もう一度、甲斐とオオタと子ネコを見ると、
もうすっかりなじんでしまい、
イヌ派の私の目からみても、かわいく見えてしまうのだった・・・。
こうなるともう手遅れである。
実はどうにかする方法を真剣に考えるのであれば、
事務所に入れてしまうか、あくまでも無視するかであり、
「事務所に入れてくれ」と言った瞬間に、
それについて考える余地などはもうないのである・・・。
それは、人間でいえば子どもが出来てから2ツ道を考えるのと同じことである。
真剣に考えるべきは、出来る前なのだ。

翌日、私と甲斐とオオタで念のため動物病院に連れていった。
結果は「ネコ風邪」と診断され注射を打ってもらった。
「できればねんのため明日も来てください」と言われ、
目薬をもらい、とりあえずミルクや砂などを買った。
診察内容が記入された領収所の右上には
子ネコの名前である「甲斐アミ」という文字が書かれていた。
実はこの動物病院は甲斐が
「日頃、自分の家のイヌが世話になっているから」
ということでやってきたのである。
だから自動的に苗字は甲斐なのだ。
名前のアミは、友達とか仲間といった意味合いから昨日の夜オオタが名づけた。
女の子っぽい名前だが、
「男の子だけどいいじゃないですか」とオオタが言った。

みんなで「注射をうってもらったしもう安心だ!」
と、誰かがいったので、私は
「ああ、おれも腕にブスッとやってもらったら活き返ったしな」
そんな会話をした・・・。
そして改めて、動物病院の領収所に書かれた
"甲斐アミ"という名前を見て、何かの実感が沸いてきた。

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事務所にもどりミルクをやってみたがあまり飲まない・・・。
目ヤニが出ていたので、もらった目薬をさした。
ものすごく嫌がっている・・・。
でも、これで二・三日後には回復に向かうだろうと思っていた。
だって医者行って注射を打ってもらったのだから・・・。
ネコの飼育に詳しい人なら、根本的にそんなふうには思わないのかも知れないし、
冷静に考えればそんなことはないのがよくわかるのに、
少なくともその時私はそう思うようにした。

翌日、「ねんのため」昨日訪れた動物病院に行った。
甲斐とオオタは早朝から撮影のため来れなかった。
だから私と子ネコだけでいった。

「はっきり言って危ない」といわれた。
担当の先生は、それが野良猫だというのを知っているので、
私に気をつかい、
「どうしますか?点滴を打ちますか?お金がかかりますが・・」
と言ってくれた。
「もちろんお願いします、でももう死んでしまうんですか?」
と聞き返した。
「よくネコを拾われる方ならご存知なのですが、こういうケースは珍しくありません。
後は悔いが残らないように、あなたがやるだけの事をやるかどうかで、
死ぬか活きるかは私にもわかりません・・・何せ生後1ヶ月の野良猫ですから・・・。
たとえ野良猫でも、やはり母親のそばにいるのといないのでは違うんです。
だから、あなたが母親になったつもりで、気長に看病できるかどうかが重要なのです」

点滴を打ってもらった後で、
「体温がものすごく下がっているので、電気ストーブなどを使って
暖めてやってください。エアコンで室温をあげるぐらいではダメです」
といわれ、少し驚いた。
見た目にはそこまで末期になっているようには見えなかったからだ・・・。
さっそく、電気ストーブを持ち込み暖めると、
文字道理、死んだように眠ってしまった。
私は「薬が効いたせいだろう」と勝手に思った。
とにかくよく眠った・・・。
相変わらずミルクは飲まないが、
夜になると、フラフラと起き上がり走ったりもしていた。
当然、少しよくなったと思っていた・・・。

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そして今日、相変わらずスヤスヤと眠っていたので、
私は奥の部屋で仕事をしていた。
甲斐とオオタは昨日同様に朝4時から撮影に入っている・・・。
何件かの電話をすませ、グルメのレポートをアップした。
その時、なぜか「今様子を見に行かなければいけない」
という気持ちに駆られ、除いてみるととても苦しそうにしていた。
タオルを何枚も重ねた簡易ベットから転げ落ち、息も荒くなっていた。
何度も手でさすったりしてみたが、まったくだめだった。

3回大きく口をあけて、
4回目に口をあけようとしたとたんにプツン・・・。
私の手の中で、動かなくなった。

それはまるで、パソコンの電源がシャットダウンするときのようにあっけなかった・・・。
そして二度と再起動はしなかった。

ものすごく悲しくなったが、直ぐにそれは違うと自分に言い聞かせた。
何故なら私はイヌ派であって、ネコの事などどうでもよい人間だからだ・・・。

だから、通りの向こう側にいる子ネコ軍団がどうなろうと知ったことではないし、
特に知ろうとは思わない・・・。

事務所には、もう必要なくなった、猫用の砂やミルク、哺乳瓶、
さらに、元気なった時につけようと思っていた男の子用の首輪などがある。
今直ぐにでもネコが飼える状態ではあるが、
私はイヌ派である。
ネコは飼わないと決めている。

投稿者 pawanavi : 2007年06月22日 11:45

コメント

松田の文中にもあるように家には犬がいる。
もちろん犬派。知り合いの家の猫や野良と「たまに遊ぶのが楽しい」くらいの猫好きさです。しかし、アミには他の猫に対してとは違う感情が芽生えました。出会った時の大きさが、家の犬と最初に出会った時と同じで、その時を思い出しました。よろよろしながらも足下にピタッとくっついて離れない・・・その行動は決して自分に対してだけではないですが「必要とされている?」と思ってしまいます。
 犬の時も連れて帰った夜は自分の枕元に眠らせていました。夜中何度も身体の上を行ったり来たり・・・足を枕代わりに使って寝たり、頭を付き合わせてきたり。そして、アミも枕元に眠らせました。犬の同様、お腹の上で縦になったり横になったり。脇と腕の間にハマってみたり、朝方には仰向けに寝れば首元に、うつ伏せになれば肩甲骨のあたりに・・・
 もう、こうなったら犬も猫も関係ない。元気に育って欲しいただそれだけ。
これが今朝の出来事。
前日の状態からすれば回復に向かっていると思っていました。思いたかったのかもしれません。そして、朝4時、相変わらず眠っているアミに後ろ髪引かれながら撮影へ。

数時間後、松田からの電話。
様子がおかしいと。
対処法も解らずただ様子を聞くばかり
そして、最後の呼吸はその電話の途中でした。
片手はアミ、もう片方の手は受話器。松田を通して聞いた最後の呼吸。オオタも自分の隣で聞いていた。

今すぐにでも帰りたいが撮影は続く。
午後になり事務所に戻ると、朝と何も変わらないように相変わらず眠っているアミがいる。


今は線香代わりに焚いたお香の煙と香りと共に空へ。
「悲しんでる暇があったら仕事しろ。」と言いながら。

そんな気がしました。

投稿者 甲斐 : 2007年06月23日 00:55

読んでいて自分のペットを亡くした時の事を思い出しました。言葉や表情に出せないだけでどんなに痛かったか苦しかったか…それすら分かってあげられない人の傲慢さ。でもペットを飼うってそういう事なんだって強く思い知らされました。アミちゃんは身をもって命の尊さ、そして自分を大切に思ってくれる人のいる事の有難さを教えてくれましたね。彼は自分を助けようとしてくれた方達を絶対忘れないし、優しく見守っていると思います。

投稿者 らんらん : 2007年06月23日 08:53

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