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2007年05月01日
BABEL / バベル
■タイトル BABEL / バベル
■監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
■出演 ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、役所広司、菊地凛子
■作品詳細 シネマセントラル延岡作品情報へ
みんなの平均点→3.750点(5点満点中)
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シネマレビュー↓
※評価は5点が最高です!点数間隔は0.5点です。(平均が3点)
※コメントはあくまでも主観に満ち溢れていますのでよろしくお願いします。
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■パワナビ松田・40代 男性 (評価:3点)
タロットカードの中では、崩壊、悲劇、災難、誤解などを意味し、正位置・逆位置を問わずもっとも不吉なカードとされている”塔”。そのカードに描かれているのは、神の怒りに触れ、落雷とともに崩壊する塔の図柄であるが、モチーフとなっているのが、旧約聖書に登場する「バベルの塔」だといわれている。有名な旧約聖書の創世記によれば、もともと人々は一つの言語を話していたが、東方より流れつき、シンアルの地にすみついた人々が、「全地に散らされることのないように」と神への崇拝の為ではなく、自分達の名声を高めるために、天にまで届くような塔のある町を作りはじめたとき、それを見た神が「彼らは一つの言語を話すからこのようなものを作りはじめたのだ」と怒り、人々の言語をバラバラにし、混乱させ、彼らをそこから全地に散らすことにより塔の建設が終わったというものである。ただ旧約聖書には、タロットカードのデザインのように、神が怒って塔を壊したという記述はないらしい・・・。ともかくも、人間達が共通言語により、大枠一つの文化圏で同じような価値観をもち、力を合わせることができれば、神ですらド肝を抜かれるような、大きな力を持つことができる・・・というようなことが言えるのだろう。しかし、それだけに欲望の矛先も一極化し、中には神になれると勘違いしていまう「分をわきまえない」人間も現れる。自分の力を過信し、なんの遠慮もなく土足でズケズケとそこに上がってしまうような事があれば、「無理が通れば道理が引っ込む」という自体を招き、その大きな自信がやがて混乱をまねくのである。ちなみに、「バベル」は混乱という意味の「バラル」からきているらしい。今回鑑賞した「バベル」という作品は、そんな旧約聖書の創世記「バベルの塔」をテーマにし、現代のモロッコ、アメリカ、メキシコ、東京といった、様々な地で繰り広げられる小さな出来事が、モロッコに住む少年が放つ一発の銃弾をきっかけに、次第に大きな波紋となり、上記で言うところの神が世界中に散らせた、言語や文化の異なる国の人々を一本の線で繋いでいくというものである。
監督を務めたメキシコ出身のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは「アモーレス・ペロス」や「21グラム」でもあったように、いくつかのストーリーや時間軸を交錯させる手法を得意としている。この「バベル」でも、いくつかの国で起こっている出来事を、時間軸を巧みにずらし、観るものの脳みそを刺激しつつ、進行していくのだが、それぞれの物語は、どれも次の展開が気になるような内容であるため、2時間を越える上映時間のわりに飽きるということはない。また、監督と同様に、脚本を手がけたギジェルモ・アリアガもメキシコ出身ということから、特にメキシコでのシーンは臨場感に溢れている。さらに、耳の聞こえない女子学生の役を演じ、惜しくも受賞は逃したもののアカデミー賞最優秀助演女優賞候補にノミネートされた菊地凛子の活躍も目立っていた。ただ、彼女が関係するシーンに関しては、手話の字幕表示に関する問題や、その大胆すぎる演技から、一部では、同じような立場にある人から、社会性を問われる批判的な意見もあるようだ。まあ、これに関しては彼女だけの問題ではないと思うところだが、やはり、モロッコ、アメリカ、メキシコのシーンに比べ、意図的であったとしても、菊地凛子や役所広司が登場する日本のシーンが、かなり浮いて見えるのが気になる。作品中にも、様々な国の異なる年齢層の人々の性に関する描写がされており、これに関しては特にどうというような事はないのだが、とりわけ日本のシーンのみギラついて見えてしまう。もちろん他の国々と比べても、裕福なくせに倫理感覚にとぼしく、誰もが鉄火面をかぶって人と付き合っており、金はあっても、最も人々が精神を病んでいるのは、他の国とくらべ一番裕福な日本だというのはわかる(この部分はアメリカの摩天楼ではなかった)。また特に宗教的な関心の薄い国という事もあり性的な描写もストレートである。そんなことからか、話の内容・時間からみれば、菊地凛子のヌードシーンが様々な場面で予想以上にタップリ用意されているように感じられるのだが、個人的には前半の展開からすれば、そこに時間を割よりも、むしろ都内の一等地にある高層マンションの最上階で暮らすチエコ(菊地凛子)とヤスジロウ(役所広司)の親子関係をもう少し深く掘り下げてもらいたかった。何故かといえば、砂漠地帯に暮らすモロッコやメキシコの人々とはあまりにかけ離れた裕福な暮らしそれをしてるくせに、もっとも心が砂漠化しているにもかかわらず、常に心のオアシスを求めているからだ・・・。しかし、それがないないために、彼女の純粋さや、父親の感情がいまひとつ理解できにくく、菊地凛子の演技のほどはさておき、単にいやらしく見えてしまう・・・。さらに都会の高層ビル群をバベルの塔なぞらえているようにも見えることから、ストーリー上いつか重要な出来事が日本でおこるだろうと注目してしまう事に加え、菊地凛子も作品の中では特出しているだけに、よくも悪くも日本のシーンだけが別物に見えてしまうのだ。そのわりには、そのままバタバタっとたたみ込むようにストーリーを繋げ、「後はよろしく~」と言わんばかりの、投げっぱなしジャーマンスープレックスのような力技でまとめているのだから、ちょっといただけない・・・。このような作品の性質上「ミナマデ言ウナ」という事かもしれないが、にしても、着地の後は、おざなりでも手を横に広げて、演技の終わりを告げてほしいものである。
そんな中、私がもっとも印象的だったのは、メキシコ人の家政婦のアメリアが言った「私は悪人ではありません、ただ愚かな事をしてしまっただけです」というセリフである。このシーンは、息子の結婚式に出席するためにアメリカからメキシコに帰郷した家政婦アメリアと、車に同乗した、主人公夫妻(ラッド・ピット、ケイト・ブランシェット)の子ども達が、ちょっとしたアクシデントから大事になり、やがて彼女の人生をも狂わしてしまうほどの事件に発展してしまった時のもので、わけもわからずアメリカの警察官に追いかけられ取り乱してる彼女に向かって、主人公夫妻の息子が「あなたは悪人なの?」と質問した時のアメリアの答えが「私は悪人ではありません、ただ愚かな事をしてしまっただけです」である。
確かに警察官は俗にいう悪人だけを捕まえているのではない、愚かしく見える事をすれば善人だって捕まるのだ・・・。かといって捕まえる警察官が善人という保障はない。警察官の中にも悪人がわんさかといるに決まっている。だから変な話、悪人が善人を捕まえていることだってありうるのだ。また善人・悪人に限らず、いつの時代も「分をわきまえる事のできない」人間達は愚かな生き物として描かれるのだが、善人だろうが悪人だろうが、言語や文化が違っていようが、言葉が喋れようが喋れまいが、子ども・大人、貧乏・金持ちに関係なく、人間なら誰にだって大なり小なり様々な形の欲望がある。そして、言葉は欲望を満たすための大切な武器でもある。ある意味行動するよりも何倍も手っ取り早い事だってあるのだ。世間では、達成できそうもない絵空事を「バベルの塔」にたとえる事があるが、早いはなしが「分をわきまえない」ということであり、欲望に負け冷静な判断ができず、自分に都合のいい勝手な尺度のまま無理を通せば、他人を傷つけ大切なものが少しずつ失われ、まわりまわって自分が傷つく事になるのである。たまたま、このバベルでは、人間が作りだしたものとして、塔ではなく、あるライフルがきっかけとなり、物語が展開していくのだが、最近起こった米バージニア工科大学銃乱射事件しかり、なんにせよ銃を撃つのも人間なら、それを大量に作るのも人間である。とにかくも、ネガティブ思考という意味ではなく、分(節度)をわきまえることをしないという事は、上を向いて唾を吐いている行為となんら変わりない事・・・銃の乱射事件などはその一部である。それでも人間は飽きることなく、また新たな地にバベルの塔を作り混乱を巻き起こしつづける・・・見終わってからちょっと暗くなった・・・。
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■パワナビ甲斐・30代 男性 (評価:4.5点)
「おおおおおおおおお」と最後まで来てたんですが、本当の最後が「あ らっ?」という印象でした。この映画に関しては事件の解決が 問題ではないとは思うのですが・・・。上映が始まってからす ぐにハマってしまいましたし、見方をかえれば「もっと見たかった」ということかもしれません・・・。前もって、いろんな国々で別々のス トーリーが展開されるという事は知っていたので「見逃せない」という 気合いもあったのかもしれませんが、映像から感じられる緊迫感に強く 引きつけられる物がありました。場所はもちろん、時間軸がかなり前後し、交錯するのですが、といっても頭がこんがらがっちゃうような前後の仕方ではな
いので、この手の手法のなかでは分かりやすい映画かと思います。わざ わざ謎が謎を呼ぶような仕掛けでもないですし、むしろ、初っぱなから ネタばれしてますからね。映像にも工夫があって、地域によって映像が違います。色身だったり、ノイズの感じだったりと言った感じです。ホームページを見てみると、はじめから、カメラのレンズやフィルムの 種類を変えているそうです。このあたりは「レポート書く事が前提」で 冷静に映画を見ていると解りますが、実際は「隠し味」のようなもので 気がつかず、あえてそうしいていても逆にそれが自然な事になってい て、製作している人たちのアイデアのすばらしさではないでしょうか?
それにしても、現代の人間関係の問題などがあからさまに描かれている この映画は多くの人に見てもらいたいなと思いました。ストーリーがどうとか、俳優がどうとかではなく、いろんな事を見つめ直す良い機会になるとおもいます。話的に、一見現実離れしているようにも見えるのですが、実際にに起こりうる話だし、ドキュメンタリーと言われても不思議ではないです。本当に怖いなと思いました。まったく同じでないにせよ、このようなちょっとした事からアクシデントが連続していくとは、身近なとこでも十分考えられるだけに、レポートを書くのが 今までで一番難しいんです。野生動物のドキュメンタリー見て「何点ですか?感想は?」と聞かれても何も言えないのと同じぐらい・・・。それだ け、映像も、話も、俳優の演技もリイアリティがあってすばらしい映画 だったという事なのだと思います・・・結局変なレポートになってしまい
いました。
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■Kさん 50代 女性 (評価:4点)
同じ監督の「21g」も見ましたが、あの映画は時間や場所の行き来が難しく、2回ほど見て何となく理解できるような感じでした。でも今回のバベルは場所も人種も大きく違うので理解しやすかったですね。ブラッド・ピットもケイト・ブランシェットも好きで、この二人がどんな夫婦を演じるのかも楽しみでしたが、見てみて、微妙な夫婦関係がよく描かれていてすばらしいかったと思います。ブラッド・ピットも良い意味で年を取り今までにない魅力がありました。また二人の子供の乳母役の演技がすばらしく、好きになりました。ストーリーは、遠く離れた場所の事件が日本とも関係があって・・・と言う風にスケールて大きくて面白かったですね。
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■Mさん 男性 (評価:3.5点)
複雑なストーリーが、うまく繋がっていく様がとても面白いです。ただ、繋がり始めるまでが、やや間延びしているような気がしてなりませんでした。印象的だったのは、犯人の少年の演技ですね!
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■M2さん 3女性 (評価:4点)
バラバラのストーリーだけでなく、時間軸がずれているにも関わらず、最後にうまく繋がるのが新鮮で、いいと思いました。菊地凛子の無音状態になるシーンは、まるで水の中にいるような感じがして印象にのこりました。マイナス点は、あまりに唐突な日本のシーンです。ほかの3シーンだけなら5点満点を上げてもいいのですが・・・・・残念。
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■ほーさん 30代 男性 (評価:3.5点)
この監督さんの作品は、以前にも見たのですが、異なるストーリーを繋げていくのがうまく、面白いといえば、面白いのですが、バベルは、有名俳優が出演していつつ、また、各国の人々が余りに個性的だったため、特に考えずに4つのストーリーを把握できたことから、日本でのエピソードが、日本人の私としてはあまりにも艶かしく、ちょっとほかのストーリーとカラーが合わないような気がしましたね!日本のシーンに関しては、日本人のスタッフが撮影しているという事もあり、あまりにも、日本からかけ離れた演出がされているわけではなかったのですが、ちょっと画面自体が浮かれすぎているというか?菊地凛子さんもせっかく熱演しているのに、終わってみれば、裸しか・・・。というのが正直な感想です。途中まではバベルの塔的な世界があったような気がしたのですが。
投稿者 pawanavi : 2007年05月01日 23:07
