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2006年12月07日
武士の一分/いちぶん
■タイトル 武士の一分/いちぶん
■監督 山田洋次
■出演 木村拓哉、檀れい、笹野高史
■作品詳細 シネマセントラル延岡作品情報へ
みんなの平均点→4.700点
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シネマレビュー↓
※評価は5点が最高です!点数間隔は0.5点です。(平均が3点)
※コメントはあくまでも主観に満ち溢れていますのでよろしくお願いします。
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■パワナビ松田・30代 男性 (評価:4点)
武士の一分・・・・・いっぷんではない"いちぶん"?普通こんな言い方はしないが、「面目」とか「名誉」といった意味である。今回鑑賞した作品は幕末時代の山形県庄内地方を舞台に、身分の低い武家の若夫婦の人間模様を描いた藤沢周平原作の時代小説「盲目剣谺返し」を山田洋次監督が映画化したものである。藤沢周平原作&山田洋次監督という組み合わせでは「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に続く時代劇三部作の第三弾となる。さらに、役者の使い方が実に巧みな山田洋次監督だけに、やはり俳優陣の顔ぶれが気になるところである。もちろん話題の中心は主人公に抜擢された木村拓哉(以下キムタク)だ。
一見、時代劇のイメージとは無縁のキムタクだが、過去においてTVのスペシャルドラマとして織田信長(1998)や忠臣蔵の堀部安兵衛(2001)の役などもこなしている。1998年~2001年頃といえば、まさに若者達のファッションリーダー的存在として大活躍(今でもそうだが)をしていた時期。連続ドラマ初主演で大ヒットした「ロングバケーション」に始まり「ビューティフルライフ」「HERO」などが次々とヒット、楽曲では"夜空ノムコウ"や"らいおんハート"などを発表し、CMでもTBC、富士通、JRA、NTT、リーバイス、サントリー、その他に出演。同時にベストジーニスト4年連続受賞で殿堂入りを果たしたり、プライベートでも工藤静香との結婚から長女の誕生と、TVをはじめスポーツ新聞や女性週刊誌などにはキムタク関連の記事が連日のように流れ、顔を見ない日がなかったくらい公私共に最高潮だった。もちろん人気のほどは今でも凄いが、どちらかといえば安定期をむかえているいまとくらべれば、当時は右肩上がりの勢いが凄まじかった・・・。上記のテレビ版時代劇二作品は、神掛かったキムタクが主演の時代劇という事から良くも悪くも「これぞキムタク!」といった感じの"オレオレ感"がたっぷり放出されていたように思われる。そしてファンが大騒ぎをすればするほど、当然のようにアンチキムタクからは「演技力」等の厳しい声があがった・・・。歴史小説の好きな私としては特にキムタクファンでもアンチでもなく、ただ単に興味本位で見ていた記憶があるのだが、思い返してみても特に強烈な印象はのこっておらず「思ったとおり」の内容だった気がする・・・。そんなキムタクも既に30代半ばにさしかかり、役者としての奥行きも増し、今度はTVではなくスクリーンで時代ものの主人公を演じる事になった。今回の作品の製作発表が行われ、山田洋次監督が手がける時代劇映画に人気アイドルグループSMAPの木村拓哉が主役に抜擢されたというインターネットの記事を見つけたときは、前二作の主役(真田広之/たそがれ清兵衛)、永瀬正敏/隠し剣 鬼の爪)から考えてもちょっと想像がつかなかった・・・。まあ、そんなキムタクに特に深い思い入れのある私ではないが、もちろん作品としてはその部分が話題となっているため今回はそれなりにキムタクにも目を向け想いつくままに感想を書いてみた。
キャスティングのことは後回しということで、まずはじめに一通り鑑賞した後の全体的な作品の感想から・・・。前二作を含め、「武士の一分」からも一連のこの山田洋次時代劇シリーズならではといった当時の生活描写が丁寧に描かれているのが嬉しい。派手な斬り合いや派手な音楽などよりも、むしろ淡々とした暮らしの中で起こる小さな変化や、自然の音・日々の生活が奏でる音・・・といった部分を大切にしているのも好感をもてる。なによりその国の文化の象徴である食事のシーンや庭先の風景を大切にし、ありきたりともいえる日常のひとコマから物語の重要な情報がたくさん得られるところが素晴らしい。後日DVD等で、高いコンピューター映像技術を要するアクションや戦闘シーンを繰り返し何度も見るということはよくある事だが、それ以上に山田洋次監督が描く、その地方に根付いた時代ごとの生活描写は素晴らしく、ついつい細かい部分まで見落とす事のないように何度となく見てしまうのである。
さてキムタク・・・・・もしかしたら熱烈なファンからすれば、いろんな意味でもの足りないところがあるかもしれない。個人的にファンでもなければアンチでもない私から見れば、今回のキムタクは、過去のTV時代劇とは異なり、必要以上に浮く事なく作品の風景の一部に溶け込んでいたように感じられた。過去の二作品の主人公と比べても意外とコッテリしておらず、どちらかといえば薄味・・・。「たそがれ清兵衛」の真田広之と同様に二枚目だがそれほど迫力があるわけでもなく、「隠し剣 鬼の爪」の永瀬正敏ほど個性派でもない・・・。かえってそっけないくらいである。しかし、そこはやっぱり天下のキムタクだけあってあっさり感の中にも輝くものがあり、あっさり系の薄味キムタクが、かえって脇役陣の個性を引き出しているようにも見えるから不思議だ。そんな事から、演技としてはキムタクよりも、ついつい檀れい(加世)や笹野高史(徳平)に目が行ってしまうのだが、今回のキムタクは主役だからといって自分でグイグイ引っ張るのではなく、いいアシスト役としての働きをしているように見えたのが面白かった。サッカーで言えば派手なゴールを決めるFWから、中盤で控えトータルな試合運びで自己主張することができる司令塔になりえるであろう動きが随所に見えたような気がした。とはいえ肉体的にも精神的にもボロボロで、しかも見た目にもポンコツ侍の役柄をやっていながら、どこかにゴーシャス感が残ってしまうのもやはりキムタクらしさで、それをどう受け止めるかという部分は人それぞれだが、私としては悪い印象よりも、むしろキムタクの明るさがあったからこそ救われる部分があったようにも思えた。
そして今回注目すべきは、女房・加世役の"檀れい"である。元宝塚歌劇団の月組、星組では娘役トップスターとして活躍し、2005年に退団・・・今回が映画初出演という事だが、美しいだけでなく実に独特の雰囲気をもっていて、作品の中でもキムタクや笹野高史を包み込むようなオーラを発している。きっと多くの女性ファンがキムタクの月代(さかやき)にメロメロしている頃、世の男性は和服姿の"檀れい"の首筋にメロメロになるはずである。ちなみに元宝塚歌劇団の娘役から女優に転進といえば、八千草薫や黒木瞳といった息長く一線で活躍をしているイメージがあるので、今後の彼女の動きに注目したい。
逆にマイナス・・・というほどの事でもないのだが、しいて上げればちょっと残念だったのは、作品中でキムタクの剣術の師匠役をしている緒形拳(本部)との人間関係がもう少し描かれていれば・・・と感じた・・・。本来キムタクの役どころは本部道場で剣術を極め、藩校でも秀才とうたわれているにも関わらず「毒見役」というお役目に付き、不運なアクシデントに見舞われ転落人生を歩む羽目になるというものなので、少しなりとも前半部分で緒形拳(本部)とのシーンやその他から、その剣術の腕前や、元秀才という側面がエピソードとしてすり込まれていれば、単なる「毒見役」の主人公が必要以上に"武士の一分"にこだわったり、落ち込んだりする理由がもっと理解できるはず・・・しっかりと見ていれば、それらが伺えるような部分もあるにはあるが、少々分かり難い。さらに、キムタク自身、幼稚園から高校1年まで剣道を習っており、監督からも剣の扱いには太鼓判を押されているのだから、ちょっとした素振りにも演技でない迫力が見うけられる。それらを知っているキムタクファンなら、後半はより興奮できたかもしれない・・・。しかしよく考えてみれば、逆にその辺(緒形拳の登場シーン)も、キムタク同様"サラッ"としていたからこそ、最後の涙も爽やかなものになったのかもしれないし、桃井かおり等は絶妙のタイミングで個性が活かされているように思われる・・・。できればもう一度見直してその辺を確認してみたい。
12月・・・クリスマスシーズンである。キムタク=時代劇というイメージがいまひとつなのと同様に、一見すると「武士の一分」という映画はクリスマスと180度逆の位置にあるようなイメージがあるが、実はそんなことはない。今も昔も変わらぬ男と女のシンプルな関わり・・・しかし、情報過多の現代に至るまでに、どこかに置き忘れてしまった、日本人の男と女の心意気を、じわ~っと熱く感じることができる。是非、楽しいクリスマスをむかえる事ができるよう、彼氏彼女、またはご夫婦で一緒に鑑賞される事をオススメする。きっとお互いに優しい心をもって、いいクリスマスがおくれるはず。
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■PKさん 50代 男性 (評価:5点)
いや~しみじみと、人間・・・・・日本人の心が伝わってきたよ。特に笹野高史が演じた"徳平"はよかったね~。何気ない行動や言葉がぐっときたね~。久しぶりに日本の映画をみたけど、最近の洋画よりは遥かにいいな~。
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■TTさん 60代 女性 (評価:5点)
主人公の木村拓哉さんは私の娘の世代のアイドルだから、有名だけど個人的にはあまり詳しくなくて、変な先入観はなかったです。昔ながらの時代劇俳優からすると、木村さんはすこし優しそうな感じですね!悪くはなかったでしたよ。共演した奥さん役の方も、とても綺麗で和服がよく似合っていました。私は女性の立場から見ていたのですが、主人公でなく奥さんの加世さんを中心に見ていてもとても見ごたえのある作品だと思いました。
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■B君 30代 男性 (評価:4.5点)
山田洋次監督の時代劇前二作と比べると、一番そっけない気がしなくもないですけど悪くもないです。なんといっても、当時の生活がリアルに再現されているにもかかわらず、時代劇独特の臭さを感じさせないのが好きなところが好きですね。でも初めてみる"檀れい"さんは本当に綺麗でした・・・。
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■ピコリ 30代 女性 (評価:5点)
凄く泣きました。時代は違うんですけど、今も昔も悩みの本質は変わりませんね・・・。「武士の一分」はキムタクに注目が集まっていますけど、女として、それも同世代の加世さんにメチャメチャ気持ちが入ってしまい、恥ずかしながら号泣です。
投稿者 pawanavi : 2006年12月07日 19:14
